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#22-239 「介護」

介護士をしていたことがある。約5年。
介護職は「大変だ」と言われる仕事のひとつだ。
確かに大変なのかもしれない。
だけど、とてもたのしい仕事でもあった。

いろんな患者さん(病院に勤めていたので相手は患者さん)がいて、いろんなひとと出逢い、お世話をした。いろんなひとを、よく覚えている。いろんなひとがいた。ものすごく。

回復期リハビリテーション病棟に居たこともあったので、介護が必要なのは年配のひとばかりではない。整形外科の手術をした後の若い患者さんもいた。若い女性の入浴介助をすることもあった。そのひとは、Coccoがすきだった。あまり話す機会はなかったけれど、Coccoを歌うと、そのひとのことを想い出す。無事だろうか。
年配のひとの方が、断然多かった。リハビリ病棟とはいえ、じぶんでは全く動けない患者さんも多かった。もう動けるようにはならないような患者さんも。退院したら、施設へ行く。そういうひとたちだ。ご家族と話すことが多かった。ご家族に会うことがないひともいた。

いろんなひとがいた。

今日は、医療福祉大学で介護セミナーを受けてきた。子どもと一緒に。というか付き添いのはずだったのだけど、間違えてじぶんも受講者になっていた。受付確認メールが届いていなかったので、2回申し込みをしたのだ。なぜか別の名前で。
久々に介護に触れて懐かしかった。また介護の仕事がしたいとおもっている。どんな形でも、ちょっとでも携わることができれば、と。まだずっと先になるだろうけど。じぶんが介護される側になるまでに。

セミナーに参加していたのは、6組だった。小学生から高校生まで、幅広い参加者がいて、同じ内容を聞く。それほど難しい内容ではなく、わかりやすかった。大学生がひと組にひとりサポートについてくれていた。学生も色々な体験ができて楽しいだろう。わたしは通信で介護士の講習を受けて「ホームヘルパー2級」を取得しただけで、介護福祉士などの資格は取っていない。5年の実務があるのでケアマネージャーの試験資格もあるけれど、それもない。そのような資格を取るために大学に通うひとがいる。「すごいな」とおもった。2年間、学ぶのだ。これからも、そんな風に学校に通って資格を取って働くひとが増えるのだろう。すごいな。

「介護の仕事は大変だ」と言われるけれど、何を「大変」だと言われているのかはよくわからない。仕事は大変だ。介護だけではなく、どんな仕事でも大変だ。だけど、必要だから「仕事」としてある。介護職は少ない。人手が足りていない。仕事内容に対しての収入が少ない、時間が不規則、などの理由だろう。いろんな面で進歩しているとはいえ、現状、負担はさほど軽減されていないはず。排泄や入浴の介助なども、苦手におもっているひとも多いのだろうとおもう。わたしはそういう意識は全くなく、どの介助も嫌だとはおもわなかった。ただ、夜勤の見回りだけは、ずっと怖かった。霊感なんて全くないのに。

介護職は、夜勤をしなければ収入が少ない。賞与が確実にもらえるとも限らない。収入が必要な今は、介護の仕事は厳しいとおもっている。何より、夜勤で夜に家を空けることはしたくない。そんなことは言ってられないかもしれないけれど、お金よりも大事にしたいのは、やはり家族、子どもとの時間。
そのうち、両親も介護が必要になるかもしれない。仕事としての介護と、家族の介護とでは、心構えが違う。どうなっていくかわからない。両親の意向も考慮して、最良の選択ができればいいとおもっている。まだ先、だとおもっていても、きっとあっという間にその時はくるのだろう。覚悟しておかなければならない。

「介護」
ボランティアやセミナーがあれば、
参加したいとおもっている。
子どもと一緒に。

aico.

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