お金のトラブルから得た学び③
立替してもらい支払うという状況が発生した時、直ぐ精算を済ませない人にここ数年出会っていない。
というか…人生振り返っても記憶にない。
少なくとも、こういう仕事していてそんな事をしたら秒で信頼を失い、次に呼ばれる事は無くなるから。
私の仕事に限らず、人と関わる上で借りたもの、特にお金に関しては直ぐに返さなければ信用失墜の原因になる。
と思うのだけど、彼女にしてみたらそこに常識はなかった模様。
今回、私は直ぐに領収書付き精算書の画像を彼女に送った。
けれど返信は「ありがとう〜」の一言のみで、返済方法は一切聞いてこないまま、1ヶ月。
その間、菓子折りが送られてきて、お礼のLINEをしたが返信無し、という経緯があってリサイタルから半月後。
『仕事がクビになってしまって今収入がないの。来月からどうしよう』というLINEがいきなりくる。
今思えばコレが1回目の言い訳。
でもこの時はまだ真剣に心配して
「それは大変!大丈夫⁈お金は落ち着いたらでいいよ」
と気遣いのメッセージを送りつつ、返済方法を聞いてこない彼女に違和感を覚え、自分の口座番号を添付した。
気持ちの入っていない「ごめんね〜」というメッセージが返ってきた時もまだ、近いうちに返してくれると信じていた。
2回目のコンタクトは2ヶ月後。言い訳その2。
『職場の弁護士沙汰トラブルに巻き込まれて今鬱状態で、仕事休みがちなの』
私の中の彼女に対する同情の気持ちがスーッと引いていくのをハッキリと感じた。
流石にもう『いつでもいいよ』という言葉はもちろんの事、気遣いの言葉も出てこなかった。
『年内には返すね』という彼女の言葉に『お願いします』とだけ返信したが彼女からは『落ち着いたら次のコンサート企画しようね』。
( ゚д゚)
あ、ダメだこの人。
鈍感力もここまで来ればあっぱれである。
彼女に私の呆れ混じりの怒りの感情は一切届いていなかった。
3ヶ月返せなかったものを1ヶ月でどう返すんだ?と思いながらも年内返済に一縷の望みを託し年末。
待てど暮らせど彼女から連絡は無く、とうとう銀行営業年内最終日。
もしかしたら、と思って通帳記帳してみたが案の定、入金はなかった。
彼女から謝りの連絡があるかと思いながら1日待ってみたがそれも無く。
私から『大変だったら分割でも』と連絡をしてみると、3つめの言い訳が届いた。
『実は、リサイタルのチラシに掲載した電話番号からストーカーされて、警察に相談したのだけどそれだけでは怖いから弁護士にもお願いしたの。弁護士への支払いを優先してしまって返せなくなってしまったの。
リサイタルで弁護士にまでお金かかるなんて思わなかった』
リサイタルのチラシに掲載する電話番号は、2人で相談した上で彼女にお願いした。
でも、少なくとも私に責任を感じさせる文言であり、リサイタルのせいで余計な出費まで嵩んでしまった、と彼女は訴えてきた。
そもそも、この言い訳が疑わしい。
ストーカーの話はこの時に初めて聞いたのだが、リサイタルが終わって3ヶ月以上経ってからストーカーは考えられない。
リサイタル後に、彼女はYouTubeで顔出しの演奏動画を公開すると張り切っていた。
ストーカーを警戒する人が顔出し動画を公開するか?
疑い出したらキリがないのでこの辺りで押し留めるが、最後の一文は私にとって留めの一言になった。
〝リサイタルで弁護士にまでお金かかるなんて思わなかった〟
どうしろと。
気持ちを整理する、吹っ切る為にここまで書いてきたけれど、思い出したら余計に悲しくなって涙が出てきた。
彼女自身チケット収益はあったのだからその分だけでも返済してくれていたら彼女の誠意が汲み取れて、こちらの感情が少しばかり違ったものになっていたかもしれない。
そうだ、誠意だ。
信頼というものの前に、私が先ず彼女に見せて欲しかったのは誠意だったんだ。
彼女との年の瀬のこのやり取りで、私は絶縁を決めた。
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