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【フォレストノベル】というサイト

先の記事で述べた、脆弱過ぎて消えていったサイトがこちら。
〝フォレストノベル〟。
私の投稿生活はここから始まった。

スマホの台頭からかれこれ15年?
このサイトが閉鎖したのは12、3年前かと思う。

現在この名前を覚えている人がどれほどいるのだろう。
消えてしまったこのサイトにも書籍化出来たクリエイターはいた。
何人くらいいたのかは覚えていない、というか当時もよく分からなかった。
今となってはサイトは跡形もなく消え去り、あそこで上位だったクリエイターも何処ぞへと消えて界隈に残っておらず、知る術はない。
(名前を変えて何処かで書いている可能性はあるが)

今現在、WEB小説と言われるサイトは日々その形を変化させ、それぞれ登録ユーザーのカラーに合わせた特色を出しているが、ここはかなり特殊だった。
フォレストノベルのようなサイトはこの先現れないのではないかな。

先ず、必ず月額料金がかかった。
無料じゃない(^-^;
そんなサイト、今何処見渡しても、無い。
有料のくせにスマホ対応出来なかったんかい、と思うが、広告が一切無かった。
他サイトは皆スマホ対応に移っていったが、乗り遅れたここは会員が減り、収入が少なくなり運営が厳しくなっていった事が伺える。
広告は、偉大だ……。

(そう言えば、ソーシャルゲームサイト聡明期の二大巨塔だったグリーとモバゲーも、グリーがスマホに乗り遅れて負けた筈)

時代の変わり目だったんだなぁ、なんて遠い目をしてしまうが、昭和を懐かしむとかいうほど昔ではない。
2000年代の事なのだ。恐ろしい。

少しばかり横道に逸れたが、フォレストノベルの面白かったところは、投稿作品が直ぐに公開できなかった点。
投稿者が公開も非公開も好きに出来なかったのだ。
審査を通らなければ、公開してもらえないのだ。
逆に、運営元にお願いしなければ非公開にもしてもらえない。

審査って?
よく分からないが、投稿作品は必ず編集部とされる運営元の人間が目を通していたらしい。
星の数ほどのWEB小説作家がいる昨今、そんな運営方法を続けていたら働き方改革に逆行する真っ黒企業一直線だ。

でも、聡明期だったからこそ、ちゃんと運営元が全作品目を通してくれて、丁寧なピックアップが出来たのだろう。

運営元は月に一度程、お眼鏡に叶った1作品のみをピックアップしてサイトトップで紹介していた。
選ばれた作品はプロのイラストレーターが表紙を書いてくれるというご褒美付き。
紹介された作品は当然注目度が上がりファンが増え、いわゆる〝ジャンプUPするチャンス〟となる。

読み手が増える相乗効果で書き手の筆が乗る。
そこから一気に書籍化へ、という流れだったようだ。

ここで一つ。
どのサイトでも言える事だが、サイト創設間もない頃から登録していた先駆者的ユーザーが成し得た功績を後発者が準え成功する可能性は限りなくゼロに近い。

先細りサイトは尚更だ。

このサイトに於いては書籍化のチャンスを掴めたのは恐らく、サイトのピーク期までだったのだろう。
私もピックアップとイメージイラストをもらう、というご褒美のようなチャンスをもらい、曲がりなりにも少々ファンが増える、という喜びを味わいはしたが、そこまでだった。

ピックアップされても以前ほどファンは増えない。
特に何のチャンスも訪れず。
先駆者達の輝かしい?書籍化など、夢のまた夢。
先に述べたひと文に尽きるのである。

ピークを超えてしまった下り坂サイトには目に見えて活気が無くなり、終焉間際にはイベントは皆無となっていた。

私はこの頃には別サイトを転々とし始め、フォレストノベルの終焉期には既に離れていた。
しかし、フォレストノベルで知り合ったWEB上の知り合いが何人かおり、閉鎖が決まって右往左往していたのを見ている。
当時、とくにフォレストノベルはガラケーで懸命に書いて投稿している人が殆どだった。
(なんたって、ガラケー専門サイト)
今WEB小説を書く人達は信じられないかもしれないが、書いたものをバックアップする術を知らない人が大多数だったのだ。

あの頃のWEB友達は今もう誰とも付き合いがないが、あれからどうしたか、少々気になるところである。
フォレストノベルを心の拠り所にしていた方がいて、個人的には彼女のその後が一番気になっている。

書籍化、ゆくゆくは作家になる事を夢見て投稿をする、という人は昨今益々増加の一途を辿っているように思う。

10年を越すWEB小説投稿歴がある私が言える事は、
兎にも角にも書き続ける事、なんかじゃない。
〝運〟の一言に尽きる。

そんな事も踏まえて、次はどこのサイトについて書こうかな、と考えている。

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