長男の話4【ママ友とおともだち】

1歳半検診を無事?終え、
2歳を迎える目前の10月、涼しくなってきたので公園によく出向くようになっていた。

近所の広めの公園でめーくんとのんびり過ごす。
楽しい半面、人のおもちゃやボールを勝手に奪うことが悩みの種だった。
相手の顔も見ずにサッとうばって、
ときには嫌な顔をされる。

「すいません」とばかり言っていたあの頃、
とある女の子の飲んでいた麦茶を勝手に奪ったことがあった。


私「すいません!」

女の子のママ「大丈夫です!かわいいですね」

私「何歳ですか?」


その頃発達の度合いを比べるため、
年齢や月齢を聞くのが癖になっていた。笑

女の子のママ「1歳10ヶ月です!」

私「え!!じゃあ同じですね」


よくよく話すとその女の子はめーくんと誕生日が一日違い。
私たちは意気投合し家も近所であることが分かったため、その後も公園で会う度に一緒に遊ぶようになっていた。


ママに似たすごく美人の女の子。
名前はむいちゃん(仮名)という。


むいちゃんは会う度に私たちのことを覚えていて、
どんなに遠くにいても指をさして喜んでくれた。

一方めーくんは全くむいちゃんに興味がなく、ベンチの隙間に葉っぱを落としたり、
黙ってむいちゃんのものを奪うばかりだった。

むいちゃんのママは毎回快く「いいですよ〜」と言ってくれて
私としてはありがたかった。
めーくんには寛大だが、自分の子のむいちゃんに対しては人に譲ることを覚えさせるため、必死でめーくんに貸すように促していた記憶がある。

一般的な1歳後半の子を知らなかった私としては、こんな時期に人におもちゃを貸すなんてハードルが高すぎないか?とも思っていた。



公園で会う度に不安になる。

人に興味を持ち、
ママの指示にしっかりと従うむいちゃん。
自分本位にやりたいことだけをするめーくん。

2人は理解の度合いが全然ちがった。


ただ安心材料もあった。
むいちゃんよりも言葉が多く出ていためーくん。
色の名前やキャラクターに関しては圧倒的にめーくんの方がたくさん言葉にできた。
今思えばむいちゃんママが褒め上手だったのかもしれないが
「おしゃべりが上手ですね!」とよくいってくれた。

自閉症なら言葉は出ないんじゃないのか?
知識のない私は当時そう勘違いをしていた。


毎回別れる時手を振ってくれるむいちゃん。

めーくんがむいちゃんに手を振り返したことはない。



5歳になった今でもお友達に手を振り返すことはできないままだ。




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