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日記「カブトムシとI先生」の巻

先日、父子でカブトムシを捕ってきた。
一昨年飼っていたのが「カブちゃん」だったので、今年は「カブちゃん2世」と名付けた。

一昨日の夜中、夜更ししてテレビを観ていると「ブブブブブブ…」と羽音。
夜行性のカブトムシ、狭い飼育ケースの中で暴れている。
急に羽音が大きくなり、ふと目をやるとカブちゃんが、部屋の隅っこを飛んでいるのが見えた。
どないしよ?夫を起こそうかとも思ったけれど、明日でいいや…と襖を閉めて寝床へ。

朝起きたら、夫が「カブちゃん脱走したよ!」と言ってきた。私は驚きもせず、深夜の話を夫に伝えた。
探してみたが見つからず、夜になったら現れるでしょ?とほっておいた。

この日は、一学期の終業式。
ムスコは、夏休みの宿題やら色んなプリントを持って帰ってきた。
その中で楽しみにしていた広報誌が入っておらず、おかしいなぁ?と思っていた所に、玄関チャイムが鳴った。

開けると、担任のI先生。うっかり入れ忘れていたそうだ。
学校は家から徒歩3分、わざわざ家まで持ってきてくださった。
ありがとうございます、と見送った数分後、再びチャイムが。
なんとI先生「学校戻る途中見つけたの〜」と、カブトムシを持って現れた!

もしや、これは…カブちゃん2世!?
家の中にいると思っていたけれど、外まで脱出してたのかい?
在宅で仕事をしていた夫も「大きさといい、背中の羽のこのくぼみといい、カブちゃんにそっくり…」と言い出す。
残念なことに、このカブトムシは死んでいた。
可愛そうなので、庭に埋めておいた。 

で、ここで話は終わらない。
3度目のチャイムが鳴る。そう、I先生だ。
「このプリントは入ってますか〜?」と心配になって、家まで来てくれた様子。
夫も出てきて「さっきのカブトムシ死んでました〜」と告げると、「そうなのよ〜」と先生。
先生、死んでるカブトムシと分かってて持ってきたの?

このI先生はユニークな方で、急に「今ね、職員室で怪奇現象が起きてるの!」と話し出す。
夜中、紙一面真っ黒に印刷された紙がプリンターから出ていたそうだ。
他に、誰も印刷してないのに急にプリンターが動き出したりするとのこと。

「怨念とかどうでもいいけど、トナーがもったいない方が、私気になるわ!だったら真ん中に一文字で書いといてほしいわよね」と、なかなかの先生節。
「コンセント抜いておいたら、どうでしょうね?」と真っ当なアドバイスをして、先生の帰りを見送った。

その夜、夕飯を終え、風呂上がり、夫の『いたー!』と興奮した声。
カーテンレールに、豚の丸焼きのようにぶら下がるカブトムシがいた。
なんだ、カブちゃん2世家にいたんかーい!で、ある。
カブトムシ一匹で、こんだけ楽しめたら、もう外に帰してあげていいんじゃないか?と思った夜でした。





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