第10話「あの日、不安をぶちまけて、やっとスタートラインに立った」の巻

ゆっくり、じっくりムスコのペースで事を進めたいと決めた翌日。
また事件が起きたのでした。
朝の時間のない時に無理難題を言われ、私はムスコにキレました。
ただでさえ行きたくない幼稚園なのに、これじゃ行ける気分じゃない。
また休むのも不安がある。「先生に手紙渡すから園に行こう」という理由で
小さな用事を作って園に行くよう仕向けたのです。
【スモールステップ】という方法で、少しずつ行くことを慣らしたいと考えていました。

この日は雨も降って本当に寒かった。
オンブしてなんとか園に着いたら、先生達があれよあれよとムスコを連れて行こうとするではありませんか。
こっちは手紙渡すだけでいいと思っていたのに…
「お母さん大丈夫ですから!お預かりします」て、ちょっと待って!
ムスコはこのまま連れて行かれたら、お母さんに騙されたと思うねん!
それされると、明日からまた行かせるの大変やねん!
一応その旨伝えたけど、理解されずギャン泣きのままムスコは連れて行かれました。
雨も降り、他の園児もいる中、園のどこかで見守る場所も思いつかず…
私は、遠慮して身を引いてしまった。
けど、家への帰り道、不安で不安でたまらなく夫にLINEしていました。

この時の夫とのLINEのやりとりを見ていただきたい。

『朝ごはんの時、しまかぜおにぎり作れ!とごね出したから、もう知らん!と
突っぱねて大号泣。先生に手紙渡すから、とオンブして幼稚園へ行く。
先生達が色々あやしてくれるが家帰るとパニック。
大パニックだけど、先生が預かると言ってくれたけど、すっごく不安のまま私だけ帰宅してきた』

「しまかぜのおにぎりが楽しみだったのかなー?
やっぱり見通しが分からないとパニックになるのかなー。
また、夜に対策考えよう!」

『私はゆっくり行けるようになれば良いと思ってたから、パニックのまま預けるのは本当に不安。
明日から幼稚園行かない。行くきっかけも拒否されたらと思うとしんどい(泣)』

「もし可能なら、今から幼稚園行って様子見るのは?
そこの、不安に思ってることも先生に伝えるのはどうだろうか?厳しいか?」

心配して夫より電話が入る。
自分の思っていた事と全く望んでいない展開なのに、不安のまま家に帰ってきてしまい何も手につかない。さっきから涙が止まらない。
夫は、今すぐ幼稚園に行きたいんでしょ?行っておいで!と背中をおしてくれました。

涙でグシャグシャのまま、幼稚園に向かい、職員室で園長と担任に思いの丈をぶちまけました。
今回のムスコの登園拒否について、親としてゆっくり進めたいこと、お互いに確認して進めたいこと、もっと話をしていきたいこと、など。
その時の園長の言葉忘れられません。
「(ギャン泣きしてるのに)帰っちゃって大丈夫かな〜て思ってたんですよ」
やっぱり園と我々の間には、まだまだ溝があると感じました。

話終わり、教室を覗きに行くと、ムスコは補助の先生とブロックで遊んでいました。クラスの子とも馴染んでいたので、今は連れて帰らない方がいいと判断しました。

お迎えの時間、ムスコにずっと付き添ってくれた補助の先生が、その日の様子を教えてくれました。その先生は全力でムスコを楽しませようとしてくれたそうです。その気持ちが嬉しく、また泣いてしまった。
不安だらけの中、信用できる先生がいるんだ、と知った日でもありました。

本当に疲れた。
園の中でどれだけムスコの状況を共有してるのだろうか…
発表会まであと10日。


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