第6話「積もり積もって大爆発となる(A面)」の巻

二学期になってから、ムスコのある行動が我々を困らせるようになってきました。
おそらくそれは「パニック」と言える症状です。

9月末、区民運動会でカゴを背負った係員に玉を入れる競技に出た時のこと。
玉を入れる気満々なのに、カゴは逃げるし、玉は届かないし…
相当悔しかったのでしょう。競技中半泣きになり、終わった後は父親の膝に抱きついて離れない。
綱引きに出る予定の父が身動き取れず、大泣きで暴れ出したムスコを連れて帰ってきたのでした。

10月上旬、幼稚園の運動会。最初の競技かけっこは順調でした。
が、三位は認めたくなかったのかもしれない。
その次の親子ダンスで、母親に会い、気持ちが崩れたのでしょう…
オンブをせがみ、声にならない声で「お家帰る」と言い出した。
「帰らないよ、最後まで参加しよう」と告げるとギャン泣きで競技どころではありません。
仕方なくオンブして、園児に交じって残りの競技に出ました。
閉会式には気分が落ち着いてくれたけれど、こんなことになろうとは…。

この頃から、ギャン泣きパニックが頻繁に起こっていました
泣いている間は、こちらの話は全く耳に届きません。
ただ嵐が収まるのを待つしかない…
親がドーンと構えていれば、問題はないんです。
辺り構わず、時構わず起こる事態に、人目を気にして
落ち着いてなだめることができない、情けない我々でした。

そして幼稚園での生活にも変化が起き始めました。
仮病を理由に「幼稚園休む」と言うようになってきたのです。
まだこの時は、なんとか言いくるめて行かせることができていました。

11月に入ると、ギャン泣き頻度はさらにあがります。
登園途中、転んで血が出てパニックとなった日がありました。
先生に預けずに、母親が30分ほどなだめたが、泣き止まず帰宅…
さすがにこの日は、これでいいのか?と考え込みました。
私はどうしてもギャン泣きのまま、園に預けたくなかった。
嫌がってるまま預けることで、ムスコとの信頼関係が崩れる気がしていた。
またムスコを預けても大丈夫と思えるほど、園との信頼関係もできていなかった。


そして「発表会」という大きな壁が、我々家族の前に立ちはだかろうとしていたのです。
でもその前に、この頃私にもうれしい出会いがあったのでした。
次回は、そのB面について書いて行きます。


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