DevFest Women Tokyo 2019を終えて
DevFest Women Tokyo 2019の開催から2か月が経ってしまいました。半年間あまりにも想いを込めて取り組んだので、終わって放心していたらあっという間に日が過ぎて、びっくり。なお、本投稿は "コミュニティ•カンファレンス運営 Advent Calendar 2019" に寄稿しています。
↑この動画も作りました!
私はこのカンファレンスでは託児所、会場、スポンサー、スピーカー、広報、メディア、装飾、動画制作など多方面を担当させていただきました。その中で私自身が取り組んできたまずは中心的な思いについて記述していきます。
なぜやったのか
DevFest Women Tokyoの運営に入ったきっかけは、 @_okohs のお誘いでした。4月に、一緒にカンファレンスをやろうと誘われて参加し、運営みんなで会した初回MTGの中で”ダイバーシティへ目を向けて、その中でも特に活躍している女性のビジビリティをあげる活動をしよう”とスタートしました。
ダイバーシティ&インクルージョンは実現できるか
ダイバーシティ&インクルージョンについてはわたしは以下のように理解しています。
◆Diversity(多様性)の定義感
1)見える違い…外見・性別・人種・国籍・年齢・働き方など
2)見えない違い…経験・育った環境・文化・宗教・学歴・地位・所属組織など
3)心理的傾向...価値観・キャリア志向・組織観・職業観・ライフスタイルなど
◆Inclusion(認知と尊重)とは
一人ひとり異なる存在として受け入れられ全体を構成する大切な一人としてその違いが活かされることをいいます。D&Iの考え方が広まっていくことで一人ひとりのよいところや能力が引き出され、認められ、自分の居場所があると感じられるようになります。やりがいと意欲を持って自らの人生を生きる個人が増えることで、組織や社会全体がいきいきとし持続的な成長へとつながっていくでしょう。
誤解を恐れず、というかちょっと乱暴にいえばダイバーシティ&インクルージョンはなにかしらの多様性について差別を受けてきたり、排他されたりしてきたカテゴリに対しての共存戦略だと思っていて、何らかの差別的な経験がある、というちょっと根暗なものをベースと(わたし個人的には)しています。ダイバーシティ&インクルージョンは"倫理的にいいもの"ではなく、"陽キャも陰キャも、オタクもハンディキャップも、みーんな特技を集め合って社会全体をもりあげていこう、居場所を作っていこうぜ"ってことではないかなあとふんわり理解しています。
そのため、カンファレンスのあらゆることを決めるのには常にダイバーシティ&インクルージョンを実現していくことを目標に、”だれも置いていかないカンファレンス”を目指そうと取り組みました。
実現したこと
◆登壇者をアイデンティティ女性の方に限定し、活躍する女性のビジビリティをあげる。
国連が採択しているSDGsには明確な目標として"ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る"と書かれています。
テクノロジー業界における女性の比率はかなり低く、ことエンジニアのテックカンファレンスでの登壇者は女性がゼロというカンファレンスも多くあります。本カンファレンスはエンジニアに限定せず、テクノロジーに関わる広い職種でテクノロジー業界をどのように支えているか、取り組んでいるのかを知る機会をつくり、テクノロジー業界全体として広く考えられる会としました。これによりテクノロジーに関わるさまざまな職種の多様性も、もたらすことができました。
◆難聴者向けの字幕サポート、バリアフリーな会場
参加者にとって少しでもハードルとなるものを減らすために、字幕サポートやバリアフリーな会場を選びました。
ただし字幕サポートについては事前準備不足というか、検証不足のため情報保障とは呼べない部分があり、課題はできました。
具体的には会場が大きすぎたため、集音マイクの精度があまりうまく取れない時間がありました。これは部屋を分割した午後にはかなり改善されましたが、参加した難聴者にとっては快適とは言えない環境となってしまい、申し訳なかったです。スポンサーいただいたソリューションは素晴らしいものでしたので、運営での活用不足というか、実地検証不足が悔しいところでもあり、たいへん反省でした。
◆託児所サポート/キッズスペース
お子さんのいる方が参加しやすいように、また、お子さんにとっても参加できるように。託児所と、ランチタイム用のキッズスペースを用意しました。
託児所はCI&T株式会社という企業さまに全額支援いただいています。
託児についてはアルファコーポレーションさんという会社さんに全面的に依頼しました。カンファレンスとして私が関わる託児はだいたいアルファコーポレーションさんに依頼しており、今回もとても参加者の評判も高かったです!色んな面で臨機応変に対応いただけるので、おすすめです。お値段も比較的にお手頃でした。
そしてランチタイム用のキッズスペースについては、託児所利用をする方において昼食を子供ととりたい、という参加者が多かったため、簡易的なものではありましたがキッズスペースをホール内に設けました。
大きなイベントでは講演会場に子供が参加することは課題も多く、また親にとって必ずしもいい機会になるかはわかりません。子供の年齢や、個人的な状況によっては難しいものもあります。しかし懇親時間であれば状況は違います。一般参加者と同じ会場で子供といっしょに食事することは子どもたちも、親にとっても、また周りの参加者にとっても和やかな時間となった、いい取り組みだったと自負しています!
カンファレンスを終えて
たくさん書きたかったけど3000字超えて限界を感じたのでやめておきます。(笑)具体的なナレッジはまた別途書きます、冬休みの宿題にしよう。
このカンファレンスを通じてありがたいことにたくさんの意見交換、感想などをいただきました。ことに、スポンサーいただいた思いのこめたカンファレンスを作り上げることは自分のなかでも大変におおきな経験となりました。
台風という悲しいビッグサプライズもありましたね。メインスピーカーであるエマさんが来日できず、本当に悲しかったし、悔しかった。
託児所のファシリテーション、会場のファシリテーション、スポンサー対応、スピーカー対応、広報&メディア対応、装飾担当者とのコミュニケーション、動画制作、もろもろの作文、メール対応、もろもろデザインのたたき台とか、リボンデザインとか、ランチパーティーのファシリテーションとか、とにかくできることを夢中でやってみて、楽しかったです。
あまり書きたくないことですが、怖い経験も、つらい経験もありました。メンタルに来すぎてもう来年はやりたいくないって思う場面が3回くらいはありました。ダイバーシティー&インクルージョンをこれだけ意識しながらイベントを開催して、それでもなお、残った感想は”まだまだできることをやらないと、とてもではないけれどダイバーシティ&インクルージョンは実現できない”と感じました。スポンサーをいろいろあたっていく中で、ダイバーシティ&インクルージョンを推進している会社に勤める知人にスポンサー担当者を紹介してほしいと依頼したら、一ヶ月待って”連絡先はここです”といって本社海外の代表番号を渡されたこともありました。”社会的にいいことをしていれば、きっとみんな協力してくれる”なんてうすら甘い気持ちがあったわけではないけれど、正直刺さりました。
昨今話題になっているCoCの話題もありますが、なにかをすれば効果的に改善されることなんて絶対にないです。けど、取り組み続けることが大切だと私は思っているので、もっといろんな味方をつけて頑張りたいと今は考えています。まだまだやるぞ〜。
最後にメインオーガナイザーふたり宛のラブレター。
りほ(主催)
りほやんは本当にすごいです。私とは性格が全く違う、陽の世界に住むポジティブさに何度も何度も助けられました。私が陰の者すぎて何度かぶつかり合って申し訳ない気持ちになったけど、最後まで一緒に運営をできて嬉しかったです、出会えて嬉しかった、ありがとう。
しょこ(主催)
長い長い付き合いのなかで、しょことここまでがっつりおおきなカンファレンスをいっしょにできてよかったです!いろんなところで意見が合致して、まるで血を分けた家族のようでした。笑。また一緒になにかしようね。