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伝わるレシピ 5

1. 伝えるテクニックって ?


伝えるためのテクニックは、いろいろありますよね。 


中でも、音声的に有効なテクニックとしては、間・緩急・高低・強弱などがよく知られています。



①間
無音の状態
間の長さを使い分けて、ききてをひきつける


②緩急
スピードの調整
大事な部分はゆっくり、補足部分は速めにいうなど


③高低
音の起伏
声の高低を使い分けて、たてたい部分を強調するなど


④強弱
声の強弱・音量 ( 息の量の大小 )
で表現



日本語はおもに高低アクセント、英語はおもに強弱アクセントに分類されています。



滑舌をよくすることもテクニックに入ると思います。



これらのテクニックの使い方は、文脈や意味などによってさまざまです。




私の経験でのお話を とてもきょうしゅくしながら申し上げます。


ラジオでニュースをお伝えするお仕事をさせていただいていた時に、勉強のため、NHKの定時ニュースの完コピをずっとしていました。


正午・15:00・18:00のニュースが多かったです。


文字おこし・耳コピ・完全に同じように原稿を読むということをほぼ毎日していました。


伝えるためのテクニックの正解があふれていました。


民放局のニュースからも、本当にたくさん学ばせていただきました。


感謝いたしております。


アナウンサーさんたちは、入社前、入社後もとても修練されていると思います。



ニュースは中立に伝えることが前提ですが、その内容や特に緊急を要するものによっては、中立でフォーマルな中にも、アナウンサーさんの感情が自然とにじみでている時があって、そういう時はぎゅっと胸を掴まれました。


ふだんのお話のように伝えているのにニュースとしてきちんと成立していて、

わかりやすく耳に入ってきて
うまいとすら感じさせない
そういう方が本当に上手な方だと感じます。



たしかに、音声的なテクニック ( 間・緩急・高低・強弱など )は、大切です。

ですが、これが見えてしまうと、ちょっともったいないなぁって、思ってしまいます。

平均点以上はクリア、でももっと120点くらいいけそうなのになぁ。と思うことも、ふだんでもよくあります。


テクニックをきっちり勉強された方ほど、本番でも忠実にルールを実践される傾向があると感じています。


せっかくテクニックについて誰よりも研究し、伝えるということに注力されているのに、ほんともったいないです。



いざ相手に伝える時に
意図的にテクニックをたくさん盛り込んでしまうと・・・

どうしても、テクニックがフィルターとなり、ご自身のいい味がうすまってしまいます。



また、つくりこんじゃっているため、自然体ではなくなります。



テクニックを「 意図的に 」にとりいれますと、ルールに言わされてしまっているため、自分のことばであっても、軸の部分では そうではなくなってしまいます。



ちょっと、わざとらしくきこえてしまうんですね。


テクニックを使って スラスラうまく話せても、それは自分の台本を脚色して 滞りなく話せたということにすぎません。


そして、うまく話しているなぁと自分に酔ってしまう可能性もあるんです。


自分ではそのつもりはなくても。


ふと五感で感じて、口からふと放たれることばには、言わされている感はありませんよね。


自然と発してしまっています。
( くわしくは、伝わるレシピ 3  " じぶんのことばとは " をごらんください )


また、会話を純粋に楽しんで話している時は、うまく話そうなんて思わなくても、相手とちゃんとコミュニケーションできていますし、お互いの話が通じていますよね。



そもそも「 伝わる 」とは、なんでしょうか。


これは、相手の心に言いたいことがしっかり届いたという結果を指すのではないでしょうか。


テクニックをつかって
「 うまいこと話す 」と「 伝える → 伝わる 」ということは別物です。



2. 伝えるテクニックにひとてま


では、どうしたらよいでしょうか。


それは・・・



いざ相手に伝える時
テクニックのことは忘れることです。


伝えるためのテクニックは
筋トレ的なものとして捉えて


準備段階では意識
するけど


伝える時はすべてを忘れて


伝えたいことに意識をおいてください。



「 ここに間をおいて 」 や 「 ここは速く言って、次ゆっくり言って 」

なんて、計算しなくても



準備段階で意識したこと

本番では、いい感じに にじみでます。


このくらいがちょうどいいんです。


準備段階で意識したテクニックは、活かされます。



ルール優先ではなく、伝えたいことが自分の中にちゃんと在って、伝えたいことを自分のものにすること、ここが大切です。


まずは、意味をわかりやすく伝える気持ちで、伝えてみてくださいね。


たとえば
「 赤い薔薇 」について尋ねられたとき


Q. どんな色の薔薇でしたか?
A. 赤い薔薇でした。



Q. 赤い何が描かれていますか?
A. 赤い薔薇が描かれています。



太字部分を
自然と相手にわかりやすく伝えていませんか。


おのずと、心の力がこめられています。



お相手の状況なども鑑みて

お相手を想って、伝える

意識して伝えてみてくださいね。


そのおもいやりが、お相手に伝わり

親しみが生まれ、

コミュニケーションも円滑になると思っています。



必ずしも、上手いという要素は伝えることに必要ではありません。


肩の力をふっとぬいて・・・
伝えたい気持ちと思いやりを大切に


伝えるためのテクニックは、
一旦 ご自分の中で消化して
そのあとは、ぜひ
忘れるというひとてまを。


テクニックはスパイス的なものです。

かけすぎにはご注意くださいね☆


ブルースリーさんの名言🌠

鉄則を学び、鉄則を実践し、やがて鉄則を忘れる。

形を捨てた時、人はすべての形を手に入れる。

スタイルも何も持たない時、人はあらゆるスタイルを持つことになる。




最後までお読みくださいまして
まことにありがとうございます (_ _)

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