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私と美術

私の美術の知識は乏しくて、最近やっとゴッホがどういう人だったのか知ったり、モネの睡蓮は複数ある事を知ったり、少しずつ知識が増えてきた。

母が宗教画が好きで、キリストやマリアが描かれた作品ばかり見てきた。今思えば、神社仏閣・城郭・明治期の建築が好きなのも、洋楽やユーロを聴くのもジャニーズ好きなのも、お笑いが好きなのも、全部母の影響。

ふと思い出したことがある。

中学の家庭訪問週間は町内の好きな場所を選んで写生をする事になっていた。

私は当時の親友と、私の家の近くの川沿いを選んだ。レジャーシートと画用紙と絵の具を持って、川を見下ろす坂道に座って駄弁りながら3日間かけて描きあげた。

鉛筆で下書きをして、色を塗っていく。その作業が苦痛だった。

翌年、また家庭訪問週間が訪れた。その年も親友と近所のお寺を選び、同じように下書きをして、色を塗っていく。

最後の家庭訪問週間。私はひとりで、川沿いを描こうと画用紙と絵の具を持った。鉛筆は家に置いて。

私の目に映る色を、画用紙に塗っていく。春のキラキラした華やかな明るい色を、ペタペタ塗って。

家に戻って乾かしていると、絵の上手い父が私の絵を見た。

「こんなん絵やないわ!描き直せ!」

私は不登校ながら、頑張って学校に通っていた。自分の受けたい授業だけ受けたり、心が疲れていた日は相談室にいたり。そんな私を恥ずかしいと、私が不登校になってからずっと、私には厳しい言葉をかけてきていたから、またか。だった。

確かに写生大会と銘打った行事だったから、下書きしない輪郭のはっきりしない絵は趣旨と違う。けど、私は苦痛だった過去2回があったから、好きなように描いてみたかった。自分の描きたい絵を見てみたかった。

「写生大会はちゃんと描いて、今度描いてみたい絵を描けばいい。どこか描きに行こうか」

そんな風に言ってくれたら、私だって納得した。なのにいつも頭ごなし。小さい時から、あれはダメ、これはダメ。ダメ、じゃなくて何ならいいのかを言ってくれなきゃ分からない。

そんな出来事があって、尚更絵を描くことも見ることも嫌いになった。

美術館に興味を持ってる今。私にとってチャンス。描きたい絵を描こう。

写真は思い立って、1分くらいで描いた実家近くの川沿い。写真見なくても、頭の中にはハッキリ見えてる、大好きな景色。竹藪がなければもっと好きだった(笑)

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