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私が出会った『奇妙な体験』

これは、私がギャル先輩に振り回されていた時期に体験した奇妙な話です。
※リアバレを避けるために、一部改変したりボヤかしておりますので、そこんとこよろしゅうお願い致します!

なんか出だしはカッコよく決めたいと思い・・・。

当時、私は学生でオタク街道を爆進しておりました。
『宵越しの銭は持たねぇ!』ぐらいの散財ぶりで、

推しにすべてを捧げたアオハルでした。


特に2.5次元のハイキューが(以下略)

推しに捧げた青春

そういうわけで煩悩だらけの私はバイトをせざるを得ない立場だったのですが、ご存知の通り私は『コミュ障陰キャな属性』のため、接客するのも空気を読むのも苦痛な『社会不適合者』でした(*´-`)

まあ、今も社会不適合者ですが!

コンビニのバイトすらも苦痛でした…

そのため、もっと楽なバイトはないかとずっと探しておりました。
そんなバイトあるわけ・・・

ありました!

最近オープンしたネカフェのバイト募集を発見!

しかも夜勤はバイト代が高い!
しかも一人になれる時間がある!
(↑共同作業が超苦手)

私は即座に応募!憂鬱な気分で面接を受けるもあっさりと採用。
どうやら店長(兼オーナー)は私の同級生の叔父だったらしく、それだけでほぼ採用ムードでした。ほとんど世間話をして終了。
志望動機すら聞かれませんでした。(*^^)v
(ただ、会話で沈黙を作らないようにするのが大変でした)

会話で沈黙が耐えられないので必死に喋る私

こうして、なんとか楽園に潜り込んだ私は、大学卒業まで快適な推し活ライフを謳歌するのであった( ˘ω˘ )

とはいかず、

まさかあんなことが起こるなんて思いませんでした。

-

私は夜勤がメインでした。

何故って?
お客様がほぼ居ないから人との接触はほぼない!╭( ・ㅂ・)و ̑̑

まったくもって、真夜中に営業することは投資効果が低いように感じましたが、店長は情熱に満ちあふれており、その方針を断固として変えるつもりはないようでした。

しかしながら、バイト2人での勤務体制では費用がかさんでしまうため、
夜勤は店長とバイトの組み合わせで行われました。ところが、店長自身も昼間業務に対応しなければならず、十分な睡眠時間を確保することができませんでした。

そのため、空いた夜勤の時間には店を離れて自宅で一時的な眠りをとっていたのです。(まあ、それでも3,4時間程度で戻ってくるのですが)

すごくきっちりした方だったけど、フレンドリーで適度にサボることを推奨する
臨機応変で優しい店長でした。

店と自宅は非常に近く、何かあったらすぐに駆けつけられる距離だったので、特に心配することはありませんでした(一人でいる方が気楽ですし)。お客様も終電を逃した人が数名やってくる程度で、ほとんどの方は静かに眠っていて、多忙な雰囲気はありませんでした。

しかも、店長から『暇な時間は奥の個室で休憩してもいいよ☆』と言ってくれたので、沢山の漫画や雑誌を持ち込んで仕事中はずっと漫画を見て過ごしていました。(おかげでジョジョや弱ペダを読破できました!)

いやー、労働者としてあるまじき姿ですねー。

本当に天国のようなバイトでした。

ただ……

『ジーーー』

『!?』

いつも誰かに見られている気配を感じていました。

ただ、私はそれを『気のせい』だと思い込み、漫画に夢中になることでその違和感に蓋をしていました。

奇妙な現象は他にもありました。

ネットカフェは雑居ビルの上層階になるので、出入りするにはエレベーターを使用します。※外階段もあるけどほぼ使わない
そのため、エレベーターがこの階に止まったら『あ、お客様だ』と入口を見るのですが、誰も乗ってない時がありまして・・・。

最初は誤動作か悪戯かなーと・・・。

奥で休憩中(サボり)に『すみませ〜ん』と呼ばれてカウンターに行くと
誰もいなかったり、

毎度読書(サボり)を邪魔されてイライラしました

お客様は誰もいないはずなのに人が歩き回る気配がしたりと、いくつもの奇妙な現象が頻発していました。

一度、会計済みのお客様(酔っ払い)が退店せずに寝てた時があります・・・。

他の夜勤バイト仲間達も同じ現象を体験していましたが、特に実害もなかったので私も含め全員が『気のせいだろう』と思っていました。
だって、楽園が実は楽園ではなかった、なんて思いたくないもん…)

そうして数ヶ月、小さな違和感も日常となり始めた頃、事件は起きました。

突然店長が倒れた。

自宅で倒れているところを奥様が発見し、緊急搬送されたらしい。
意識不明で、かなり危険な状況だったとか。

大変な事態ではあるが、多分過労だろうと私たちは楽観視していた。
数日のうちには店長の意識も戻るだろうと期待し、店は数日営業を続けたが、店長は依然として意識を回復せず、奥様の判断で店は休業することに…。

バイト継続不可になりました・・・。

(さらば楽園)

休業前日の夜。
私の最終出勤日。

店長が不在のため夜勤はなくなり、その日は21時に店を閉めることに。
20時にはお客様も全員帰ってしまい、私は店でボッチでした。

漫画を読む気にもなれず、先に閉店準備を済ませて、あとは鍵を閉めるだけの状態で店との別れを惜しんでいました。

『〜♫〜♪』

と、そこへスマホの着信が。

ギャル先輩だ。

実は、今日の日までギャル先輩にはバイトのことを秘密していたのです。え、何故かって?教えたら絶対に来るからです。騒ぐからです。うるさいからです。ウザ絡んでくるからです。んなことされたら楽園追放です。

なので今日まで教えてなかったのですが、最終日で気が緩んでしまいつい喋ってしまいました。そして案の定来やがりました・・・。

『は〜い、野うさぎです』

話したその日に来るとは、流石は行動力の権化

『あ、うさぎちゃん?ビルの近くまで来たよー!何階だっけ?』

窓から下を覗くと、道端にいるギャル先輩を発見。

『○○階ですよ!ほら、ここです!』

私が窓から手を振る。
ギャル先輩も私に気づいて顔を向けるが、すぐに下を向いてしまった。
いつもなら『イェーイ!』と叫ぶのですが…。

『うさぎちゃん、すぐに出てこれる?』

『閉店まであと10分ありますけど…遊びには来ないのですか?今は”誰も”いませんよ?』

『誰も居ないの・・・?』

ギャル先輩が珍しく動揺していた。

『うさぎちゃん。お願いだから、今は何も聞かずにすぐそこを出て。』

『え・・・あ、わ、わかりました!』

『落ち着いてね!鍵の閉め忘れはしないようにね!』

ギャル先輩の真剣な声に、私はただならぬ事態だと察し、すぐに店を出ることに。

幸い、閉店の準備も、確認も済んでいたので、残っているのはメインの電気を落として鍵を絞めるだけでした。

私は薄暗い店内をなるべく見ないように足早に店の外へ出て、猛獣を閉じ込めるような気持ちで扉を施錠しました。

エレベーターを待つのも怖かった私は外階段で一階までかけ降りて、ギャル先輩に合流。

ギャル先輩は私を見るなり、『ちょっとこっち!』と私の手を引いてダッシュ!

『え、ちょっと、なんですか!?』

『後で話すから!あと、後ろは絶対に振り返らないで!』

こんなに焦ったギャル先輩を見たのは初めてで、私はテンパりながらギャル先輩に着いていきました。

数分ぐらい走ったあと、ギャル先輩が立ち止まり、私の方を見る。

しばらく周囲を警戒し、安全と思ったのか、いつもの表情に戻る。

『あーーー、マジ焦ったわーーー。久方ぶりにマジもん見ちゃったわぁ』

『み、見たってなにを?』

『落ち着いて聞いてね。あのね・・・あの時見えちゃったの・・・。』

『見えたって…まさか…』

『うさぎちゃんが居るフロアの窓に、人の手がびっしりと・・・』

本当は人影も見えたらしいのですが、生成したらあまりに怖くて断念

『……。』

私は恐怖のあまりその場に座り込んでしまった。

『本当は直接乗り込んで連れ出そうとも思ったんだけど、見えてる私が行くと良くないかなーっと思って、自力で出てもらったんだ。ごめんね?』

『さっきはどうして走ったのですか?』

『うさぎちゃん、階段で降りて来てたでしょ?実はその時、うさぎちゃんの後をついて来てるのが…

『え!?うそ!?∑(゚Д゚)』

ギャル先輩の背後に隠れる。

『見た感じ、ここまでついてきてる様子はないけど…今日は一人にならない方がいいね』

『ギャル先輩…泊めてください』

『おっ〜け〜。朝まで寝かさないよ〜』

『わ~い!ギャル先輩らぶ~』

(このあと、本当に朝まで寝かせてくれませんでした!!!怒)

-

翌日、ギャル先輩が『一応、お祓いしてもらおうか!』と知ってる神社を紹介される。

『やっほー、坊主さーん!』

『おお、ギャルちゃん久方ぶり!また変な場所とか行ってないよな!?』

神社の方って全員スキンヘッドのイメージがあったのですが、紹介された坊主さんは凄い清楚系イケメンでした。

なんか眩しい。お香の匂いがする。

『そしたら一眼でわかるでしょ〜。今日の用事はこっち!』

『あ、その、コんにちワ』

イケメンを前にテンパる私。いますぐ消えたい

可愛いギャル先輩にイケメン坊主。なんだこの組み合わせ。
そんなの見せつけるな。
惨めになるだろ(´;ω;`)

『実は昨日、この子のバイト先で沢山視ちゃってねー。それで憑いてないか見てあげてくれないかなー?』

『あー、それなら大丈夫だよ。誰もおらんよ。』

『そうですか…ありがとうございます…』

それを聞いて私はホッとした。

『あー、良かったー!昨日の夜いつ私の部屋で呪怨が始まるのかビクビクしてたわー』

(どうやら怖かったから朝まで起きていたようだ)

『ギャルちゃんがそこまでビビるなんてレアだねー。よければ話を聞かせてくれないかな?』

そして、私はバイト先で起きた違和感や店長が倒れた件を全て話した。

『それ、マジの心霊スポットじゃん!』

『その雑居ビル、というかフロアになんかありそうだね。』

『やっぱりそうなんですかね…』

『なんともいえないけど、店長さんの件と関係あるかもしれない。今後は近寄らない方がいいね。』

『でもさー、今が大丈夫でもあとから時間差でーとかは大丈夫なの?』

『うーーーん、それはかなり低い可能性だと思うけど…』

『だからさー、一回見てほしいのよねー』

いきなり何を言い出しやがるこのギャルは。

『そうだねー。放っておくとお前また面白がっていくからなー。ちょっと見てみるか。』

おい、止めろよハゲ。

『よーし、もう一回いってみよう!』

『私は家に帰ります・・・。』

『いやいや、お店のこと知ってんのあんただけっしょ?まさか店長の奥様に幽霊云々説明すんの?』

『普通、あんな怖い思いして翌日にいきますかね!?』

『今回は坊主さんがいるから大丈夫!ヤバくなる前に逃げられるっしょ!』

『本当はよくないけど、危険な場所かどうか把握しておきたいしねー。』

『うううううううう、わかりました…』

『よーし、お店が閉まる前に出発ー!坊主さんクルマよろー』

『あいよ!』

坊主さんの車はそれはそれは高そうな車でした。

こうして、私は再びあのネットカフェに戻るのでした。

-

時間はもう日が沈みかけていて、辺りの景色が薄っすらと暗くなっていました。店のフロアに目を向けると、お店はまだ営業しているらしく、フロアからの灯りが確認できました。

灯りが点灯しているお店を見て少し安堵する私。

しかし、

『あー、あの〇〇階か…』

『わかるのですか?』

『首吊ってる影が見えるからねー』

『……。』

エレベーターを使ってネットカフェのフロアに上がり、目的のネカフェ前に到着する。

『このお店です。』

っと、私がエレベーターから降りようとした瞬間、

『あかん、すぐに閉めて』

坊主さんが真剣な声になる。

『え、あ、はい!』

私はすぐに『閉』のボタンを押した。

しかし、

『え、ちょ、どうして閉まらない!?』

エレベーターの扉が閉まらない

私はテンパりながら何度もボタンを押す。

カッカッカッカッカッ!

しかし、扉は一向に反応しない。

『慌てないで。そのまま続けて。』

そう言って坊主さんはお経を唱え始めた。

『〜〜〜。』

目に見えない何かが迫ってきている恐怖に私の心臓はバクバクである。

祈る思いで何度もボタンを押す。

スッーーー

扉が閉まり始めた。

ピシャッと扉が閉まり、私がホッとした瞬間、

『今、いるよ』

っと坊主さんの言葉に心臓がキュッとなる

そして、私は見てしまった。

私とギャル先輩と坊主さんの3人しか居ない空間に、鏡にもう1人叔父さんらしき人の後ろs・・・

『そっちは見ないで。前だけ見て』

っと、坊主さんが強引に私を抱き寄せる。(結婚してください)

一階に到着し、エレベーターを降りると、坊主さんはすぐさま鞄からお塩を取り出し、私とギャル先輩に振りかける。

『ちょっと清めるねー』

夕方の人が行き交う時間帯、私は沢山の方々から奇異な目を向けられながら坊主さんに清めてもらいました。早く帰ってこの記憶を上書きしたい・・・

その後、坊主さんはかなり異常な状況になっていると説明してくれた。

幽霊はどこにでもいる存在だが、あれほど未練を残した魂が沢山居るのはおかしいと言う。

私は奥様がまだ店内に居ては危ないかもと思い連絡する。幸い、奥様は家に戻っていたらしく、店には誰もいない状況だった。

私は思い切って奥様に事情を説明することに。
私達は店長の自宅へ向かった。

-

店長宅に到着すると、私は奥様にこれまでのことを説明した。
(きっとおかしな宗教の勧誘かなにかと思われてるんだろな…)

しかし、

『実は、心当たりがあるの…』

『え…?』

『休業準備をするから、このビルのオーナー様に挨拶をしてきたのよ。
そしたら、そのオーナー様が『あー、またか…』と仰ってね…』

『その、”また”ということは、やっぱりあの場所になにかあったのですか?』

この後の奥様からの話を聞いて、私は背筋が凍りついた。

『それがね、ここ、契約した人の自殺や失踪が続いているフロアらしいの・・・。

オーナーから説明された内容によると、
ここを長らく借りていた飲食店の店長様がいたらしいのだが、借金を苦に店の中で首を吊ったらしい。
ちょうど、私達が休憩している個室の付近で

そして、そこから契約者に起こる不運な結末、負の連鎖が始まったらしい。

オーナーはこの変な状況に違和感を感じていましたが、別のフロアでは何も問題がなかったため、単なる偶然の悪いことだと思い、そのままテナントを貸し続けていました。これまでお祓いなどをしなかったのは、他のフロアの入居者に悪い印象を与えることを心配していたからです。もちろん、オーナーもその事実を店長に伝えてからテナントを貸していました。その代わり、テナント料は非常に安く設定されていました。

その話を聞いて、奥様は閉店を決意したらしく、すでに残っている機材の撤去や売却までの話もしてきたようで、意外にもやり手の方でした。

数日後、店長の意識は回復したらしいが、神経に重度の障害を残してしまい、その治療なために店長と奥様は引っ越してしまいました。

あの事件以来、私はあの雑居ビルの前を通っていない。

あの不思議な体験はテレビで見るような心霊体験と呼べるものだったのか、それとも、やはりただの気のせい、偶然だったのか…私にはわかりません。


ただハッキリしてるのは、

楽園だと思っていた場所は楽園ではありませんでした。

-


ここまでお読みいただきありがとうございました!紅茶をどうぞ!

えー、本当に拙い文章で申し訳ありませんでした!
またこうして唐突に文章を投入することがあると思いますので、もしよろしければ、またお付き合いいただけると幸いです!

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