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《感想》ツダマンの世界

【ツダマンの世界】

▶︎舞台



電車で広告を見て
チケット残ってないだろうな
と思いながらサイトを見ると
まさかの残り僅かで残っている。
これはいかない選択肢はない!
ということで行ってきました。

ロームシアター京都へ🍵

残り僅かなだけあって
表情は見えない席でしたので
その辺の感想はなしで。



戯曲をかるーく見て行ったので
大まかな流れは頭に入っていたのですが
1度で全てを理解するには
あまりにも難しすぎる作品です!
(褒めてます。笑)


客席から笑いが絶えないのに
扱う内容はものすごーく濃く重い
なにこれ?という不思議な感覚に
包まれる時間でした。


さすが松尾スズキ先生。


台詞の言い回しや
台詞の掛け合いの間が
絶妙でそれが笑いに繋がっているけど
台詞自体はズシーンと重みがある言葉で
出来上がっている。


昭和初期から戦後が舞台になっている
という時代背景だけでもう重いのだけど。



あと2回か3回は観たいし
観る度に作品に対して抱く印象や感想が
変わってくる気がする。

でもあと何度観ても答えが出ない気もする。



だって津田万治はそういう人だから。
とにかく不思議だし
たぶん世間的には単純に変なやつなんですよね。
そんでもってそれでいいんです、きっと。


津田万治がそういう人だから
彼の周りには面白い人が集まるし
面白いことが起こる。

それが津田万治の才能で
津田万治のいいところ。



個人的に太宰治が好きなのですが
太宰治のなりたかった文豪像って
津田万治みたいな人だったんじゃないかな?
ああいう自由さ、とか
誰にも分からない不思議な世界観とか
そういうのが彼の欲しかったもの?
と思ってひとり盛り上がりしました。
彼は賢すぎたからそうはなれなかったけど。


自由って何か


これは色んな人が時代をこえて
常に問題にすることだけど
究極、自由ってどこでもどんな状況でも
作り出せるんだろうなと。


戦争中という地球上、最も自由から遠い状況でも
津田万治はきっと自由だった。





そしてもう役者の皆様方がすごすぎる。

2、3役は当たり前

演技の中に小道具の移動が含まれる

そして膨大な台詞量

幕間含め3時間半の本番
それどころか1日2公演当たり前



誰が見てもとんでもない体力を使うだろう
と分かる舞台なのですが
これを演じ切るにはたぶん体力と同等の
もしくはそれ以上の精神力が必要だと思う。
観ているだけで精神的疲労がすごいのです。

だからこそ、生意気ですが
全役者さんが本物だなと思う舞台でした。



阿部サダヲさん
吉田羊さん
江口のりこさん

大好きなのですが
この御三方はじめものすごい大物に囲まれて
あの存在感を出した間宮祥太朗さんに
正直めちゃくちゃに驚きました…!!



観た方にしか伝わらないのですが
観劇後、結構時間が経っているのに
いまだにラストの御二方のあの一言の力強さに
圧倒された感覚が残っていて
ツダマンの世界から抜けられません🌏


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