弟が拘置所からでてきた。
前も書いたことがあるがうちの弟は薬物中毒だ。
それが宗教の後遺症なのか、本人の弱さからくるのか。
それは弟にしかわからない。
ただひとつ言えることは私のことを一番近くで観て、生きてきたのは弟だということ。

小さい頃から宗教にどっぷりと使っていた家庭という密室の中で弟だけが私を見ていた。
同じ体験をしていた。
鬼のような形相になってムチをふるう両親の恐ろしさや、張り付いた笑顔の人たちで溢れるあの狂気じみた集まりを一緒に経験した。
遊びたい盛りの歳の時に歩いて神の下僕になっていた事や、友達や周りの大人たちからの好奇な目を体験した。
そんな弟は生き方が私とは真反対だが、ある意味人間らしいのかもしれない。
苦しみや恐怖から逃げるために、酒や薬物に手を出し逃避する。
出来ないことはしない。
やりたくないことはやらない。
迷惑をかけてもいい、自分の好きに生きる。

かく言う私は笑顔を貼り付けて
したくもないことをして
言いたくもないことを言って
頑張りたくもないことを我武者羅に頑張ってきた。
自分に嘘をつき続けて生きている。

もちろんその根底は同じものがあるのだが、社会という括りで考えれば私の方が正しいのだが。
心という観点から言うと苦しみはおなじでも対比的な私たち。

ただひとつ言えることは私ちは分身であったということ。
苦しみも悲しみも2人だからこそ耐えられたのかもしれない。
壊れずにいられたのかもしれない、ら

弟を救うためにこれからどうしたらいいのだろう。
どう生きていけばいいんだろう。

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