【連載小説】「青く、きらめく」Vol.15第三章 雲の章
カケルと美晴は、しばらく黙ったまま、並んでその風景を眺めた。
ただ茫洋と広がる海。とびが、ぴーひょろろーと鳴きながら、ときおり舞い出る。翼をはためかさずに滑空して、どこかへ消えていく。さわさわと、南国の木の細い葉がゆれる。すぐ下には、店のカラフルなパラソルがひとつ、見える。「生しらす」の長い旗も、身をひるがえしている。
「たぶん、最後だと思うんだ」
ふいに、カケルが口を開いた。
「舞台に立つのも、脚本を書くのも」
美晴は、黙ってカケルの横顔を見た。
「それが終わったら