ペニー・レイン Vol.16
朝、目覚めると、辺りにパンの焼ける甘い匂いが立ちこめていた。エドのお母さんが自家製のパンを作ってくれたのだ。ぼくらは、ほとんど無言で夢中で食べた。居間のテレビを見たりして、ちょっとくつろいだあとに、さっそく地下室へ向った。昨日何度も練習したアレンジは、ほとんど体にしみついていた。さすが特訓の成果だ。
「一度、テープにとってみよう」
二回回り練習したあと、エドが言った。
「どきどきするね」
「じゃ、いくよ」
エドが、床に置いたテープレコーダーのスイッチを入れる。静かに位置