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星の王子さま 14章

 この点灯人のように、周りの状況が激変するということは、自分の周囲を見渡してもかなり多くあるようです。仕事の形態、高齢になる事、病気になることなど。生きている事が不思議なくらい、虚空がわたしを飲み込もうとしているのが分かります。
                        ★ ★ ★
 5番目の星はとても奇妙な星でした。この星は他の星よりもちょっと小さかった。街灯と街灯に灯をともすランプライターのでちょうどだった。
王子は、街灯と街灯点灯人の他に誰もいない家もない、空の片隅で誰のために役に立っているのか、説明しきれなかった。それでも、王子は自分に言い聞かせた。
-恐らく、この人は愚かしい人でしょう。少なくとも、王様やうぬぼれや、ビジネスマン、それによっぱらいよりも愚かしくはない。少なくとも彼の仕事には意味がある。点灯人が街灯に灯りをつけることは、一つの星や一輪の花を、もう一つ生まれさせるみたいだ。点灯人が街路灯を消すのは花や星を眠らせることだ。それは本当に役に立っている、美しいのだから。

この星に着いたとき、王子は点灯人に敬意を持って挨拶をしました。
-こんにちは、どうして街灯を消したのですか?
-命令だからです。こんにちは。
-その命令って何なの?
-街灯を消すようにと言う命令です。こんばんは。
そうして、点灯人はまた、街路灯に灯をつけた。
-でも、どうして灯をつけたの?
-それも、命令です。と点灯人は答えた。
-分けが分からないよ。と王子は言いました。
-分からなくてもいいんだよ。命令は、命令なんだよ。こんにちは。と、点灯人は言いました。
それから、また灯を消しました。


そして、点灯人は格子柄の赤いハンカチで額を拭いました。

-わたしはここで恐ろしい仕事をしているのです。かつては理にかなった仕事だったのです。朝になったら灯を消し、夕方に灯をつけた。休憩するための昼休みを取り、夜になると眠って休んだ...
-それで、こうなって、命令は変わったの?
-命令は変わっていません。と点灯夫が言いました。これは、ホントに悲劇なのですよ!この星は年々その速度をどんどん早くしても、命令は一向に変わらないのです!
-それで?と王子が言いました。
-それで、2秒しか休んでない。灯をつけたら灯を消す、1分間に一回づつ!
-それはなんと奇妙なことですね!あなたの星では、1日が一分になっているのですね!ちっとも奇妙じゃないですよ。こうして一緒にはなしている間にも1ヶ月が過ぎましたよ。
-一ヶ月ですって? -そうです。30分で、30日です!
そう言って点灯人は灯をつけました。

王子は点灯人をじっと見て、命令にとても忠実な点灯人が好きになりました。王子は、お日さまが沈む所を思い出していました。それは王子自身が、かつて、いすを引いて探した夕日でした。
王子は点灯人を助けたいと思いました:
-えっと、ぼくは、あなたが好きなときに休める方法を知っているよ...
-いつでも、お願いしたいよ。点灯人が言いました。
人はおよそ忠実であり怠け者だからね。
王子は続けて言った。
-君の星はとっても小さい、3歩で一周できるくらいにね。太陽と一緒にゆっくりと歩くしかないんだ。休みたければ歩かないといけない...そしたら、君が望むほどの日中が続くでしょう。
-それはあまり良いことでもないように思うよ。と点灯夫が言います。わたしの望みは眠ることなんですから。
-運が悪いね。王子が言いました。
-運が悪いね。点灯人が言いました。こんにちは。そう言って街灯を消したのでした。
この人は、と王子は言いました。王子は自分の旅路を追い求めている間に、この人は他の人たちから、王様やうぬぼれや、よっぱらいやビジネスマンから軽蔑されるかもしれない。それでも、わたしには奇妙には見えませんでした。それは、多分、自分自身の事ではなくて他人の事で寝中していたからだと思う。
王子は後悔のため息を付いて、また言いました。
-あの人だけが友達になれたかもしれない人だった。でも、この星はホントに小さかったので、二人で居る場所はありませんでした...
王子があえて言わなかったのは、この恵まれた星が、とりわけ24時間に千4百40回も夕日が見れる事が残念なのでした。

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