星の王子さま 22章
3才くらいまでの子供が、母親と離れる不安や自分が立ち上がるなど、大きくなる事への不安、成長する不安のために、人形を強く求める事があるといいます。あたたかなぬいぐるみ(自分の心と同じもの)はこどもが大きくなるために欠かすことができない。もしかしたら、おとなも成長するためには、ぬいぐるみ(自分の心と同じもの)に代わるものがいるのかも知れません。
★ ★ ★
-こんにちは。と王子が言うと-こんにちは、と鉄道ポイント切り替え人が言いました。
-ここで何をしているの?と王子が言うと、
-千人ごとに旅人を分けているのです。わたしは客を破婚できる列車を、右へあるいは左にと分けているのです。そして、雷みたいにふるえながら、照らされた特急列車が鉄道ポイント切り替え人の小屋をがたがた言わせるのです。
.-ずいぶん急いでいるね。何を探しているんだろうね?と王子が言いました。
-列車に乗っている人も、それが分からないんだよ。と、切り替え人が言いました。すると、反対方向から、大きな音をたてて光っている次の快速が来ました。
-もう、引き返してきたの?王子が聞きました。
-さっきのとは違う列車だよ。交代の列車だよ。
-列車に乗っている人たちは、自分のいるところに満足できないのかな?-切り替え人は、自分のいるところには決して満足しないんだよ。すると、3番目の光る列車が、轟音とともに通過した。
-あの人達は最初に行った旅行者を追いかけているのかな?と王子は言いました。
-乗客はだれも追いかけたりしないよ。みんなあそこで寝てるか、あくびをしているのさ。子供達だけが窓ガラスに鼻を押しつけて外を見ているね。と車切り替え人が言った。
-子供達だけが、自分が何を探しているか知っているんだね。王子が言いました。子ども達はぼろ切れ入りの人形の為に時間を使う、そうすることで、お人形はとっても大切なものになる。だから、お人形を取り上げられると、子ども達は泣いてしまう...
-子ども達は幸せですね。と、切り替え人は言いました。
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