見出し画像

絵描きはオリンピック選手じゃない

 こんにちは、フリーイラストレーターの頼和 愛(@ai_yoriwa)です。

 何当たり前の話してるんだというツッコミが入りそうですが、オリンピックが始まって最近しみじみ思うのです。

「オリンピック選手に比べたら、早く絵を上達させなきゃ稼がなきゃとか悩む自分ちっさいな」と。

 今回は絵が上手くならない、稼げないなどの理由で悩んでいる初心者の方に向けて、考え方を変えればメンタル楽になるよというお話です。私自身への言い聞かせも含めて。

 私自体オリンピックにはさほど興味がない人間なので試合もほとんど見ていないのですが、それでもオリンピック選手ってすごいなあと思いますし、技術とそのメンタルを尊敬しています。

 オリンピック選手は若い頃からずっとその練習をしてきて、国の代表として選ばれ、世界一に挑むわけですから、本当にすごいことです。

 しかも本番はオリンピックのその当日一回で結果が決まりますよね。やり直しなんてできないわけです。

 ある程度までの技術が高まれば、その先はメンタルの強さが物を言う気がします。気持ちが負けると技術が高くても上手くはいかないでしょう。

 一方、絵描きってそれに比べたら以下の通りだいぶハードル低いなと気付きました。

始める年齢は関係ない、引退もない

 オリンピックの選手なら小さな頃から練習しないと適切な筋肉もつかないでしょうし、大人になってから目指すのは特殊なものを除いては難しいでしょう。また、一時は頂点まで上り詰めたとしても、年を取ることで必ず引退は待ち受けています。

 一方、絵は描きたいと思えばいつからでも始められますし、筆が握れないくらい衰えない限りは死ぬまでやれるでしょう。そういった意味ではやり始めが遅いからって諦めなくて済むのが良いところですよね。私も30過ぎてから絵を始めましたし、死ぬまで描き続けるつもりです。

 これから! これから!


世界一を決める大会もなければ決める必要はない

 絵って芸術なので、順位を決める必要性がないんですよね。イラストのコンテストなどもありますが、それでも世界中の絵描きが残らず戦って勝ち上がっていくみたいなものってありませんよね。

 誰かにとって一番好きな絵が他の人にとっても一番とは限りません。皆良くて皆良いみたいなところがあると思いますし、技術がそこまでではなくとも人の心を掴む絵を描ける人もいます。

 プロと初心者で明らかな上手い下手はありますが、それでもイラストレーターの中で厳密な勝ち負けってやはりないんですよね。見る人の主観によるところなので。

 一番以外が敗者のような構図がないところが絵描きの良いところだなと思います。


何回でも描き直せる

 オリンピックは4年に1回の本番のために準備して、当日誰よりも良い成績を一回で出さないといけませんが、絵は納得いくまで何回でも描き直せます。勿論納期、入稿締切はありますが、それでも自分でしっかりスケジュールを組んでおけば何度でも描き直せます。

 これなら「練習ではできてたのに」みたいな後悔が生まれないので、上手くできなくても納得はいきますよね。


誰かに見られているプレッシャーがない

 これも自分の中では大きいなと思います。オリンピックだと世界中の人が見ている中でやるじゃないですか。あのプレッシャーって半端ないと思うんです。

 私は恥ずかしながら昔から人に見られながら何かをするのが苦手で、見られているといつもならしないようなミスをする時があります。

 そういった面からも、完全に一人で描いて完成品だけ見せられる絵の仕事って素晴らしいなと思います。(落描きの作業配信など気楽なものはいいんですけどね)


メンタル不安定でも何とかなる

 完全に仕事のできない鬱病などはまた別の話だと思いますが、少しくらい落ち込んでいたりしてもやらなければならない仕事ならどうにかやれますし、何かと対決しているわけでもないので、筆さえ動いて納品さえできればいいのでオリンピック選手と比べたら容易いものですよね。


 このように、絵を描くってオリンピックで金メダル目指すことと比べたら簡単な気がしませんか?

 私もイラストレーターとしてはまだまだなので、色々焦ったり悩んだりすることはあるんですが、オリンピックを見ていたら「自分の目指していることなんてそこまで大したものではないなあ」と思ったのです。

 勿論、とても努力をされて有名なイラストレーターや漫画家になった方の中にはオリンピック選手ばりにすごい修行を積んできた人もいるでしょうし、絵描きという仕事を簡単なものと馬鹿にするわけではありません。絵描きって正解がない分、本当に大変だとも常々思います。

 ただ、これからイラストレーターを目指す方はあまり自分を追い詰め過ぎず、適度に肩の力を抜いてもいいんじゃないかなと思ったのです(自分も含めて)。

 世の中に絵の上手い方は腐るほどいます。でもこれって裏を返せばめちゃくちゃ売れっ子イラストレーターにはなれなくても「腐るほどいる側」になることはできるんじゃないの? と思ったのです。

 再三言いますが、決してイラストレーターの仕事を舐めているわけではなく、そのくらい力を抜いた気持ちでやる方が精神衛生上良いのでは、と思ったのです。楽しく絵を描き続けたいじゃないですか。

 昔から思っているのですが、この世の中の全ての事象は外的なものと思いがちですが、結局は本人がそれをどう捉えるかの内的なものなのです。

 例えば何らかの嫌なことがあった時にそれをプラスと捉えるかマイナスと捉えるかで物事は全く違った側面を見せるのです。

 神絵師さんの素晴らしい絵を見た時に「こんな人には及ばない……もう無理だ」と思うのか「こんなに上手い人の絵が見られるなんて! 技術を盗めるぞ!」と思うのかでメンタルへの影響が全然違いますよね。

 私自身まだまだ解脱ができていない凡人なので、偉そうなこと言えませんが、似たようなことで悩む方がいたら気休めでも思い出してみてください!

 私たちはオリンピック選手を目指しているわけではない! 大丈夫!!!

 

 宜しければTwitterもやってますのでフォロー頂けますと嬉しいです!

 

記事がお役に立ちましたら、サポート頂けるととても嬉しいです!資料の購入費として使わせて頂きます。