絵が上手くなっても魅力的にならない理由
こんにちは、フリーイラストレーターの頼和 愛(@ai_yoriwa)です。
ある程度の期間絵の勉強を続けてきて、以前より上手くはなったのに評価が上がらずに悩んでいる絵描きさんはいませんか?
今回の記事はそういったことでお悩みの方に少しでも役立てたらいいなと思います。
果たして魅力的な絵とは何なのか。私自身のとある体験を元にお話します。
つい先日、絵画教室に通っていた時に仲良くなった知り合いが展覧会で賞を取ったと聞いたので、見に行ったんです。
その展覧会はいわゆる一般の方が自由に出品できるもので、絵のレベルにはかなりの差がありました。かなり上手い方から、初心者らしき方まで。
私は今まで素人の作品が展示された展覧会に行ったことがあまりなかったので、そこで個人的に大きな発見をしました。
絵の上手さと惹かれるかどうかは全く別物だなと。
勿論、こちら↓の記事でも書いた通り、以前の仕事柄上手くなくても(語弊がありますが)魅力的な作品があることは理解していました。
ただ、上手ければある程度魅力的になるかと思っていたんですが、全然そんなことはなかったんですよね。完全に自分のことを棚に上げますが、
「技術的にはめちゃくちゃ上手いけど、全然欲しくない」絵が結構あったんです。
そして勿論技術的に上手くはないけど、魅力的な絵はありました。
では魅力的な絵とは何でしょうか。
私個人が考える魅力的な絵とは「伝えたい何かがある」「ストーリー性がある」絵です。
「これは何を伝えたいんだろう」「これはどういう場面なんだろう?」「この人間は何をして、何を考えて、これから何をするんだろう?」と考えさせられる絵はワクワクします。
描き手の意志が伝わるだけではなく、見る側の想像力を掻き立てられる絵は自然と惹かれます。
これは小説にも言えることで、私は一つの話に最低でも一つ伝えたいテーマを忍ばせていて、はっきりきっぱりと答えを与えるような話よりも読者が真相や続きを妄想できる話の方が好きなので、小説を書く時はそういった余白を意識しています。
読み手の数だけ答えがあるって素敵じゃないですか。
絵も色んな解釈ができると楽しいなと思います。
私がその展覧会で「あまり魅力的ではないな」と思った絵は「ただ写生をしました」という感じで、上手くても何かを伝えようという意志が感じられなかったんですよね。写生が上手くてもそれって写真で良くないですか? と思ってしまうんです。
中には「伝えたいことや解釈よりも技術が上手い絵が素敵だ!」って人もいるかもしれませんので、何が正解ということもないと思いますが、私は少なくとも絵の技術の優劣で魅力的かどうかは決まらないと改めて感じました。
勿論こんな偉そうなことを言っていますが、私自身ちゃんとメッセージが届けられて、想像力を掻き立てられる絵が描けているとは思えませんので、今後は技術的な研鑽とともにそのあたりもちゃんと意識して描くべきだろうなと再認識しました。
絵の勉強を始めてある程度経っているのに評価されないということが続いている人がいたら、もしかしたらそういう可能性もあるかもしれません。
お互い頑張りましょう!
ちなみにアルファポリスさんで漫画の連載を始めましたので宜しければお気に入り頂けると幸いです!
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