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【MTGレガシー】日本レガシー選手権(春)'24参加レポ〜白スタックスで第七の領域を彷徨する〜

こんにちは。
レガシー環境で白スタックスを擦り続けている者です。

先日の日本レガシー選手権(以下、ニッセン)で幸運にもトップ16に入り、リストを載せていただくことができました。
従来はトップ8まで公開だったものを、お情けでトップ16まで公開していただけたようです。

トップ8で胸を張れたら最高だったのですが、大きい大会でリストを載せるのは今年の目標でしたし、今後これ以上の結果を出せない可能性も十二分にあるため、レポにまとめることにしました。
まあ負けてもまとめるんですけどね。

念のため、私は全然上手いプレイヤーでもないですし、プレイング面はほとんど語れません。
そもそも白スタックス界隈は深刻な乗り手不足で、正しいプレイングかどうかもわかりません。

なので、構築面での思考の道程や当日の様子を通じて、白スタックスの魅力が少しでも伝わればと思っております。
例の冗長な語りにならないように。

「文字数はどうなった?」

12,500字。普通では?

1【方向】今回の構築で目指したこと

ごめん、やっぱ抒情的に語るわ。(は?

カードゲームとは手札で勝負するもの。
リソースには限りがあり、だからこそドロースペルが強かったり、強いムーブの代価としてリソースを投げ捨てる必要があったりします。

しかし、ルールをお行儀よく守るデッキばかりでもありません。
例えば「墓地は第二の手札」、また追放領域は「第三の」、サイドボードは「第四の手札」。
既に戦場に出ているリソースも、プレイヤーが採れる"手"札のひとつと捉えることもできるでしょう。

五つの領域は、さながらPWとしてのプレイヤーの五官(五感)のようなものです。
我々はそれらに駆使しながら、勝利を目指して戦います。

………

ところが近年、MTGは第六官(第六感)とでも呼ぶべき領域に容易に足を踏み入れるようになってきました。
――対戦相手の領域です。

古くは《支配魔法》、余りにも美しかった《精神隷属器》、浪漫あふれる《約束された終末、エムラクール》…

ですが、《敏捷なこそ泥、ラガバン》が相手のカードを奪い、《船殻破り》と《敵対工作員》が相手の"行動"ごと横取りするようになったあたりから、何かが狂い始めた。(個人的な感想です
そして現在、そのようなムーブを率先して行うのが"スキャム"デッキです。

相手の手札を破壊し、同じ手順をなぞりながらクロックまで場に出す。
有効とあらば相手の墓地をも漁る。
これらを開始1ターン目にして遂行する。

この《悲嘆》+《再活性》に代表されるスキャムムーブは、現在のレガシーに溢れかえっています。
《納墓》の上振れプランも内蔵して。

一番小さいコマが一番ひどい

………

ある時――それは《地底街の下水道》の諜報で《残虐の執政官》を落とされている時でした――ふと私の頭に浮かんだ疑問。

「一体この人は何をしているんだろう…?」

デッキトップは次に引くカード。
ドローすれば手札になり、墓地に落とせば第二の手札になる。

一方、私のデッキにはドロー手段はほとんどなく、それは手札たり得ない。
墓地に落としたところで劇的なカードもなく、第二の手札にもしがたい。

それでも、デッキトップを知り、操作できたなら、自分の"手"をより有効なものにできるかもしれない。
この"第七の領域"も、白スタックスのような不器用なデッキにとってはリソースになるのではないか。

第七官というのは、いま私の感じているこの心理ではないであろうか。私は仰向いて空をながめているのに、私の心理はうつむいて井戸をのぞいている感じなのだ。

尾崎翠「第七官界彷徨」より

物語はここから始まりました。
相変わらず前置きが長い。

2【補講】当日までの練習

4月からニッセンをいよいよ意識し始めました。
平日は店舗大会やMOで遊ぶ余裕はなく、休日も家族と過ごせるのならMTGはやりません。
そもそも暇があれば家でも仕事をしているタイプ。

ではどうするか。

世の中には素晴らしい配信者さんや動画投稿者さんがたくさんいらっしゃいます。
通勤時や家族が寝た後に、"頭を使わない系"の仕事をしながらラジオ感覚で配信を聞きます。
聞きながら、「自分だったら…」「自分が相手だったら…」とイメージトレーニングを続けます。

15年来のワンデックマンの数少ない利点は、いちいちデッキを出す必要などないという点です。
染み付いた感覚が、頭の中で否が応でも動き出し、時にひらめきをくれる。

白スタックスで遊ぶ以外何もするなと師匠に言われたからな。
その前に、まず師匠を具現化しようと心に決めてからは(ry

4/21:晴れる屋レガシー杯優勝

扁桃腺炎からの病み上がりだったものの、妻が仕事で不在でここぞとばかりに大会へ。
目標はSE進出、ノルマは妻より先に帰宅してお夕飯を作ること。

大会参加は初めての大宮店ですが、知り合いさんも多くて和やかな感じ。
もう楽しい。

結果、なぜか優勝してしまった(決勝は土地単とスプリット)。
対赤プリなどはただただ引きに恵まれた結果です。

始まりのリスト

発売直後のサンダージャンクションの無法者(以下、OTJ)からは採用ゼロでオーソドックスな構築。(オーソドックスとは。
唯一の工夫は、デッキトップに干渉するために《精神迷わせの秘本》を久しぶりに採用した点。

方向性は悪くなかったけれど、如何せん現環境では重く、呪文なので妨害される危険がある。
あくまで理想は諜報ランド――打ち消されず、ハンデスされず、極力テンポを阻害しないこと。

ただ、望外の結果は自信にもなりました。
だからこそ、調整の方向性も次の❶〜❸のように定まりました。

❶メインからトップTierと戦えるようにすること。
 想定は、UBスキャミネイター、各種デルバー、土地系。

❷サイドからは明確な苦手デッキに対してもワンチャンス作ること。
 具体的には、赤系のストンピィと、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《豆の木をのぼれ》系の多色コン。

❸ゲーム後半の外れドローを減らし、攻め手を絶やさないこと。
 理想は諜報ランド。

4/19~:OTJ環境

OTJで注目していたカードは2枚ありました。

1つ目は《溶岩拍車のブーツ》。
《ウルザの物語》3章から即装備して、トークン2体で殴る動きは雑に強い。

ただ、後述しますが最終的には抜けることに。
《ウルザの物語》を前がかりに使えている状況ではややオーバーキル感。

2つ目は《導路の塔門》。
「何ソレ?」という人のために。

オレでなきゃ見逃しちゃうね

❸のとおり、とにかく諜報してみたい。
でも、2色諜報ランドはフェッチありきの運用で、白スタックスにはタップインを許容する余裕もない。

そこにこれ。
スポイラーで見た時は我が目を疑いました。

で、実際に使ってみた感触ですが、これが実によかったのです。
不要牌を弾けて、ハンデスからの復旧にも役立ち、色事故も緩和。
何より"未来の手札"を見ることによって、取捨選択がしやすくなる。

(↑あくまでイメージ)

これまでは《選定された平和の番人》や《魔術遠眼鏡》で得た相手の情報から、以降の展開を予測し、プランニングしていました。
それを自分に向けた形です。

お前の働きには期待している

5/8:晴れる屋平日3-0

振替休日の取得がてら《導路の塔門》初搭載で平日大会に臨んでみたら、さらっと3-0してしまう。

きついマッチアップで勝ち切れたのは、内容的に大きな自信に。
当の《導路の塔門》も何度もデッキトップの不要牌を弾き、有効牌を手札に引き寄せてくれました。

GWデプスとの天秤

この頃は、ニッセンには白スタックスで行くか、GWデプスで行くか悩んでいました。
ただ、GWデプスで参加した4/27のゼストクラブで2-2に終わり、対ファクト系デッキがきつすぎると判断。

日本人はファクト系大好きだし、(個人的には評価していなかったんですが)《身代わり合成機》がどれぐらいやれる子なのか判断しにくかったのもありました。
また、UBスキャミの《厚かましい借り手》増量の流れもデプスには向かい風に感じていました。

5/12:ゼストレガシー0-2、5/17:MOリーグ2-3

白スタックスにほぼ心を決め、ゼストレガシーへ。
結果はバント豆の木とバントノートに一蹴され。

ここから❷コントロール向けのサイド(特に豆の木対策)を真剣に悩んでいく。

久しぶりのMOリーグも2-3と振るわず。
負けは4c探知機コン、URデルバー、DDFT。

DDFTはスペルコンボの中では苦手寄りでほぼ五分(他は明確に有利)の認識ですが、これ以上コンボ対策を積む余裕はない。
5/13の禁止改定でゴブリンストンピィが逝ったことで《門衛のスラル》も採用しにくく、現状維持を選択。

問題は4c探知機。
《力戦の探知機》も個人的にはあまり評価しておらず、にもかかわらずコントロールしきられて負けてショックは大きかったです。
《豆の木をのぼれ》だったら5ターン以上早く負けていただろうに、それでも負けたのだから。

もちろん常滑にもデルバーはいるはずで、課題山積み。

5/18:武藏野MTG會スイス3-0→SE0-2

対デルバーとは矛盾しますが、《大いなる創造者、カーン》の存在感は日に日に増していきました。
スキャム系に釣られる心配がなく、着地すれば《罠の橋》にアクセスでき、生き残れば勝ち筋にもなれる。
何より、"雑多なデッキ"にとにかく強いのは大型イベントでは重要。

この日の負けは赤プリとバントミラクル。
後者は《豆の木をのぼれ》や《力線の束縛》は採用していない形でしたが、《基本に帰れ》や《魔力流出》で苛め抜かれました。

ともかくこれで「毎回多色コンにやられているじゃないか」と明確な結果が出たので、エンチャント対策にサイドを割くことは決定。(赤プリは諦めが肝心

………

と、この会のカバレージを書いている時、準優勝したWUボンバーマンから《聖戦士の奇襲兵》というアイディアを受け取る。
❷として《光の大嵐》や《廃止》などを試していましたが、撃てるタイミングが限定的で受け容れがたかった。
そういう器用なデッキじゃない。

一方《聖戦士の奇襲兵》は、相手に対応して瞬速で出せるし、置物対策だけでなく想定外のブロッカーにもなれて、先置きもできるのでテンポを阻害しない等、いいこと尽くめ。
特に《力戦の束縛》と対する場合、《虚空の杯》を一度取り上げられてから取り戻してもX=0になってしまって意味がなかったが、《聖戦士の奇襲兵》なら先置きでも牽制できる点がスマート。

でもタフ1なんでしょう?

配信者さんたちのサイドin/outを見ていると、ストンピィ相手にはほとんど《オークの弓使い》が抜けていくので、タフネス1もそこまで問題にならないだろう。
キミ採用!

参考までに、他には《主の存在》や《絶縁》などがエンチャント対策の候補でした。

5/19:MOリーグ0-5

武藏野MTG會から帰ってすぐにデッキを調整し、リーグに突入して惨敗。
赤単ペインター・ボロスチブというソルランド系デッキと、グリコン・RUG豆の木・青白石鍛冶という青系コントロールに粉砕される。

まだ《聖戦士の奇襲兵》には気付いていない頃

《溶岩拍車のブーツ》はここで完全に見切った。
ただただ丸く、誰かに"刺さる"ような感覚が全くなかった。もっと鋭角に。

また、元々対デルバー特化だった《爆発域》も捨てた。
起動する余裕がなく、チャージする余裕はもっとなかった。

その《爆発域》の代わりとして、辿り着いたのは《残響する深淵》。
GWデプスを自ら回したことで強さを再認識した1枚でした。

ウルザの昔語

役割は簡単で、《不毛の大地》《溶融》環境に於ける5枚目の《ウルザの物語》。
合言葉は「カーンとサーガで勝つ」。

またマッチアップこそしていませんが、強豪プレイヤーさんたちが挙ってUBスキャミで勝っていて、墓地のガードも上げざるを得ない状勢。
❶として、メインに《未認可霊柩車》2枚の枠を捻出し、《溶岩拍車のブーツ》とともに抜けたのは2枚目の《永久のドラゴン》。

5/23:晴れる屋平日2-1

再び振替休日を消費がてら、最後の調整へ。

直前のリスト

負けは全部持っているUBスキャミで已むなし。
こちらのデッキの回りはよく、BRリアニにもなんとか勝てていたので、UBスキャミだけにこれ以上ガードは上げられないと最終判断。

アルーレン戦で《飢餓の潮流、グリスト》1人に取られたゲームがあり、この日はベンチ外だった《真髄の針》もサイドには入れておくことに。
またUBスキャミはどう転んでも強いため、次点のデルバーに勝てなければ未来はないだろうと、サイドにいた2枚目の《永久のドラゴン》をメインに移動。

結果、メインから抜けたのは2枚目の《煙突》。
スタックスのプライドはただ1枚残った《煙突》に託されることに。

忘れようと思う人のおもかげというのは、雲と風などのある景色の中ではよけい、忘れ難いものになってしまう。(中略)いままで私の顔を吹いていた風が、いまは私の背を吹いた。さて背中を吹く風とは、人間のうらぶれた気もちをひとしお深めるものであろうか。

尾崎翠「歩行」より

そうそう、《導路の塔門》についてですが、最後の最後で《水晶の岩屋》に差し替えました。
諜報から占術に。

常滑でテキスト確認率ナンバーワンを記録

諜報で墓地に落としても上手く活用できるとは限らないのと、メイン墓地対策が当然の環境である点、デッキ圧縮より情報アドを与えたくなかったのが理由です。
どこを探してもDMU版の英語foilが売っておらず、悲しみが深かった。

最終的に

今回のニッセンはゴブリンの環境退場から間がなく、UBスキャミ一強の様相なので、結局使い慣れたデッキで行く人が多いだろうと予想しました。
混沌とした中で、前環境からのデルバー勢も多いはず。

・サイドからのout:
 《門衛のスラル》《倦怠の宝珠》《難題の予見者》《魔術遠眼鏡》
・サイドへのin:
 《聖戦士の奇襲兵》《真髄の針》

・メタ等を考慮して減量/不採用:
 《煙突》《罠の橋》《爆発域》《溶岩拍車のブーツ》
・メタ等を考慮して増量/採用:
 《未認可霊柩車》《永久のドラゴン》《皇国の地、永岩城》《セヴィンの再利用》
・新規採用:
 《水晶の岩屋》《残響する深淵》

サイドのin/out表も、10アーキタイプ分ぐらい+先手後手別+前のゲーム内容別に作っていきました。
当日迷ったりブレたりしないし、構築段階でも過剰サイドを避けられるので、頭の中でわかっていても紙などに書き起こして作ったほうがいいです。
こんなデッキを使っている人はほとんどいないと思うので内容は割愛しますが、興味があれば個人的に訊いてください。

ちなみにkiyoaggro御大は17アーキタイプ分作っているそうです
流石です。

3.当日の"行路"

PCへの参加も4回目ぐらいで、当日は結構落ち着いていたと思います。
常滑は半年前に行ったことがあるというのも安心材料。

電車の中では紙オタ特有の大声早口でカード名が飛び交っており、注意しようかとさえ思いましたが()、文庫を広げて全力で無関係を装った。

当日のリスト

Round1 vs スニークショー 後手xoo

Game1
T2に《選定された平和の番人》で見たハンドが《実物提示教育》&《騙し討ち》(+《偉大なる統一者、アトラクサ》)で、どちらのルートもマナが足りている死刑宣告ハンド。
99%負けなので《実物提示教育》に課税してこちらの情報は与えず、消えてくれる《騙し討ち》ルートに誘導して《偉大なる統一者、アトラクサ》がスカるワンチャンスに賭ける。

希望どおり1回スカってくれたものの、すぐ2枚目を引かれて《引き裂かれし永劫、エムラクール》+《残虐の執政官》+《全知》と捲れたところで投了。

Game2
Game1で《平地》《古えの墳墓》《選定された平和の番人》ぐらいしか見せていなかったため、チブ系と誤認させておいて、T1《選定された平和の番人》→T2《大いなる創造者、カーン》で引き籠り。

Game3
お互いダブマリ。
後手T1《裏切り者の都》から《虚空の杯》X=1。
T2《裏切り者の都》2枚目から《目くらまし》ケアしつつ《世界のるつぼ》。
T3《目くらまし》ケア継続で《三なる宝球》。
T4から《不毛の大地》で土地ハメ。

普通なら悠長な展開も、完全にダブマリに救われた格好。
ちょっとツイてる。

Round2 vs ダークマーベリック 先手oxo

Game1
先手T1《虚空の杯》X=1とX=0。
返しに《不毛の大地》を食らうも、追加の土地を引きこんで《選定された平和の番人》でデッキを把握。

2人目の《選定された平和の番人》も《聖遺の騎士》指定を重ねて、ゲームから完全に締め出して勝ち。
最後に《ウルザの物語》3章に合わせて《敵対工作員》でデッキ確認されたのはご愛嬌。(つらい

Game2
こちらダブマリ。
《Bayou》→《緑の太陽の頂点》X=0の初動を《孤独》+《不毛の大地》で必死にスローダウンさせ、《選定された平和の番人》→《世界のるつぼ》→《ウルザの物語》→《エメリアのアルコン》と無駄なく展開。

…したものの、名脇役《スクリブのレインジャー》と《剣を鍬に》に上手く時間を稼がれている間に《聖遺の騎士》が動き出して負け。
人生初の"悪事"を働かれるなど、ツールボックス系は知らないカードが出てきて楽しい。(焦

使い方で練度がバレる子。上手かった…

Game3
《ウルザの物語》+《モックス・ダイアモンド》+《虚空の杯》スタートを《活性の力》+《不毛の大地》される最悪の展開。
こちらのほうがアド損してるの何なんですか。

ただ後続が控え目だったので《世界のるつぼ》+《ウルザの物語》が間に合い、《悪魔の職工》などのやばい生物だけ捌いてGG。
4/4《聖遺の騎士》アタックへの賛美誘発に、《探検の地図》→《皇国の地、永岩城》を当てたのがハイライト。

なお、《溜め込み屋のアウフ》を忘れて《モックス・ダイアモンド》から《選定された平和の番人》を唱えてしまい警告1。
たまたまお相手がハンド0枚で、完全に巻き戻せる盤面だったことだけが救いでした。申し訳ありませんでした。

Round3 vs 青単ディスプレイサーコンボ 先手oo

Game1
お相手ダブマリ。
Round2で隣の卓だったため、凡そ8cast系だとは確認済み。

《エメリアのアルコン》を《Force of Will》してもらい、《湖に潜む者、エムリー》は《探検の地図》→《Karakas》で対処。
からの《大いなる創造者、カーン》で〆。
《ディスプレイサーの仔猫》が見えて、普通の8castじゃないことを知る。

Game2
お互い1マリ。
《虚空の杯》X=0と先置き《ウルザの物語》でマウントを取って、《真髄の針》にカウンターを吐いてもらう。

これで《大いなる創造者、カーン》を押し通し、殴ってきた構築物トークンを《孤独》で農場に送ってGG。
お相手にも《ウルザの物語》3章を一度解決されたので、《真髄の針》が入っていなくて助かりました。

Round4 vs URデルバー 後手xoo

Game1
《ドラゴンの怒りの媒介者》→《稲妻》→《ドラゴンの怒りの媒介者》→《稲妻》みたいな感じで3点×6発ぐらい食らって瞬殺。
感想も何もあったもんじゃない。

Game2
お相手が上手そうだったので、返しの《不毛の大地》まで許容できるハンドでキープして初手《三なる宝球》。
予定調和の《不毛の大地》に、返しでソルランド追加から《虚空の杯》X=1。

さらにこちらも《不毛の大地》を撃ちつつ、《セヴィンの再利用》でもう一丁。
《永久のドラゴン》トークン2匹でリーサルを迎えるも、お相手は土地2枚から脱法で《濁浪の執政》。
ああ、またこいつ1匹に負けるんだな…

返し、《冥途灯りの行進》X=7。
トップ《裏切り者の都》で足りちゃった。
さすがにお互いちょっと笑う。

今日は1日いい子にしてました◎

Game3
こちら《虚空の力線》2枚スタート。
返しはこの状況で一番嫌な《秘密を掘り下げる者》。

それでも《虚空の杯》X=1を2枚置いてガッチガチにして、お相手が《昆虫の逸脱者》のクロパのみで走り抜けようとしてくれたところへトップから《皇国の地、永岩城》
ただ、《未認可霊柩車》のせいでこちらも手札の《永久のドラゴン》が使えずまごまご。

そこから《エメリアのアルコン》(には《Force of Will》)→《冥途灯りの行進》(には《否定の力》)→土地引き《永久のドラゴン》素キャスト(には《Force of Will》+《未認可霊柩車》で追放)と応酬。

無駄牌を掴んだほうが負ける。
確実に。

そこからさらに、2枚目の《冥途灯りの行進》(でようやく《未認可霊柩車》を処理し)→2枚目の《永久のドラゴン》と連続トップして振り切った。

こちらが人生最高レベルのご都合トップを繰り返しているのに、あそこまでカウンターを引き込まれているとは思わず、強い人ってすごいんだなあと実感。

Round5 vs WB 80 Death&Taxes 先手oo

1番卓まで行き、デッキチェックに当たる。
なんか気持ち焦るやつ。(問題ありませんでした

Game1
お互い1マリ。
先手T2《大いなる創造者、カーン》→T3《マイコシンスの格子》。完。
うーん、この…

Game2
こちら1マリ、お相手2マリ。
土地1枚+《霊気の薬瓶》キープに、《真髄の針》が突き刺さってしまう。

止まってくれている間に《エメリアのアルコン》で空から殴り、ピッチ《孤独》を《精霊界との接触》で躱して完走。

あまりの噛み合いで「なんというか…」なマッチ内容になってしまったけれど、こちらとしては対策を減らしてしまっている相手なので、とにかく勝ててラッキーでした。

Round6 vs DDFT 先手xx

Game1
こちら1マリで、《虚空の杯》X=1キープ。
が、1マナスペルを経由せずに2ターン目ぐらいに《最後の審判》を撃たれ、土地もきちんと伸ばされて色々ケアされながら《タッサの神託者》まで。

《最後の審判》後に2回ぐらい撃った妨害も、余裕で全部弾かれて草も生えない。

Game2
こちら1マリ。
先手T2から《選定された平和の番人》を3連打できるハンドをキープ。

タ ー ン は 二 度 と 返 っ て き ま せ ん で し た 。 完 。

お相手の方は最終的に準優勝
「勝つ人」感がすごかった。きらきらしてた。
おめでとうございます!

Round7 vs UBスキャミネイター 後手oxx

お相手は元レガシー神の方。
そしてデッキチェック2回目。

Game1
後手T1《両替機》スタート。
《不毛の大地》を食らいながら、返しにT2《虚空の杯》X=1→T3《大いなる創造者、カーン》。

《罠の橋》で引き籠っている間にクリーチャーを並べまくり、《未認可霊柩車》と《虚空の杯》X=2に《Force of Will》を使ってもらって、満を持しての《マイコシンスの格子》。
残ライフ2まで行ったけど、耐えに耐えての勝利。(MOだったら動画化決定

デッキチェック+めちゃくちゃ長いゲーム+お相手が有名プレイヤーさんということで、既にギャラリーが集まってきていて非常に帰りたいぞ。

Game2
先手T2《カザド=ドゥームのトロール》に《動く死体》。
CIPに《冥途灯りの行進》を合わせたけど《Force of Will》。

《罠の橋》で引き籠ったものの、《些細な盗み》でバウンスされ、再キャストには《Force of Will》。
なんとか《カザド=ドゥームのトロール》を除去したところに、《厚かましい借り手》が"第8"ぐらいの手札から現れ。

今や4積みが標準の《厚かましい借り手》さん、お前とMTGやるの息苦しいよ(涙目

Game3
こちら1マリで《虚空の杯》X=1スタート。
返しに《悲嘆》で《精霊界との接触》を抜かれて前方確認され、《動く死体》CIPに予定調和で《冥途灯りの行進》を消費させられる。

少し膠着してほしかったけれど、エンドに《些細な盗み》で《虚空の杯》バウンスから流れるように《納墓》→《再活性》→《偉大なる統一者、アトラクサ》。
《悲嘆》で改めて手札を検閲され、《火薬樽》で《モックス・ダイアモンド》まで吹き飛ばされ万事休す。
ただただ強かった。完敗です。

Round8 vs GR土地単 先手oxo

トップ8の目がなくなって落ち込んでいましたが、オポも高いし周りの方々にも慰められ、トップ16目指して気持ちを入れ直す。
負け出すと止まらない自分に克ちたいぞ。

Game1
先手T1《三なる宝球》。
返しに《不毛の大地》を食らいながら、T2《虚空の杯》X=1。

お相手が土地単とわかり、《ウルザの物語》だけで押し切れるかなあ…という微妙なところに《大いなる創造者、カーン》をトップ。
まだ闘れる。オレのデッキはまだ翔べる。

Game2
こちらは痛恨のダブマリ。
《ウルザの物語》スタートを《活性の力》でいなされて、《ヴァラクートの探検》が着地してしまう。

《大いなる創造者、カーン》と《虚空の杯》X=1を定着させて《輪作》ルートこそ潰しているものの、《液鋼の塗膜》も《耐え抜くもの、母聖樹》で壊されて一進一退。
そんな中でも《未認可霊柩車》で《壌土からの生命》には対処し、搭乗できればワンパンまで育てる。

が、ここから全く生物を引けず。
逆に中盤に置かれた《森の知恵》の齎すアドがどうしようもなく、《Maze of Ith》2枚と《死者の原野》が出て投了。
わかっちゃいたけど改めて、このマッチは長引かせちゃ駄目。

Game3
終わり始めた卓も多く、人垣ができて喧騒が遠のいていく。
泣いても笑っても、これで最後。

こちらの《ウルザの物語》+《モックス・ダイアモンド》スタートに対し、お相手が《不毛の大地》を切るお約束の展開。
しかし、このスタックで躍り出る《聖戦士の奇襲兵》。

続けてT2にソルランドから《三なる宝球》。
返しはもう一度《不毛の大地》。からの三たびの《不毛の大地》。

それでもなお土地を引き続け、《大いなる創造者、カーン》へと辿り着く。
お相手の3マナ目の《ウルザの物語》には、1章誘発スタックに《冥途灯りの行進》でランデス。
これで《液鋼の塗膜》もランデスモードに入り、《三なる宝球》とでロック完成!

と思いきや、お相手も《古えの墳墓》から《エルフの開墾者》。
次のターンに2マナ立っている状況となり、ブロッカー兼1回起動のチャンスを作られてしまう。

が、トップしたのは魂のカード《世界のるつぼ》
墓地の《不毛の大地》で土地を割れば、《エルフの開墾者》にブロック+起動の二役を許さない。

お相手は残ライフ2だったため、《液鋼の塗膜》を生物化して《聖戦士の奇襲兵》と2体でアタックすると、2点以上すりぬけ確定でGG。
単騎で15点削った《聖戦士の奇襲兵》が格好よすぎました。

白状すると、前のターンにお相手の《古えの墳墓》を《液鋼の塗膜》で割った場面で既に残ライフ2だったので、違うほうの土地を割っていれば普通に勝っていました。
「真に強いデッキはプレイヤーのミスをカバーする」ということでここはひとつ。

最終結果

214人中の13位。
あと1勝だったので悔しい気持ちもありますが、負けた2戦はどうにもならなかったため割り切ることができました。

むしろ、日々周りに練習させてもらっているスニショや土地単、自分でも回しているマベ相手には、練習の成果あってこそ競り勝てたと思っています。
《真髄の針》の必要性を再認識させてくれたアルーレン使いの兄貴や、《聖戦士の奇襲兵》に気づかせてくれたかきぬまさん、練習不足の私にイメトレの機会をくれる配信者・投稿者兄貴姉貴にも大感謝。

上位卓で遊べたことで、(この日ばかりは自分のドローもそうでしたが)その日勝つ人の強さを知り、いつも勝っている人の強さを知れたことも大きな収穫でした。
同じ非青ボードコントロール勢の黒単Poxがトップ8に残られていて、そちらにも勇気をもらいました。

それから大切なご報告。
《煙突》設置、0回。
やはり時代はPoxか。

中毒人種は、何でも、手を出せば摑み当てれるような空気を摑もうとはしないで、何処か遠い杳かな空気を摑もうと願望したり、身のまわりに在るところの生きて動いている世界をば彼等の身勝手な意味づけから恐れたり、煙たがったり、はては軽蔑したり、ついに、映画館の幕の上や図書館の机の上の世界の方が住み心地が宜しいと考えはじめるということだ。

尾崎翠「こおろぎ嬢」より

ちなみに、《残響する深淵》を《ウルザの物語》のコピーとして出した回数も0回だったと思う。
全部が全部上手くいったわけではありませんでした。

………

プライズのラヴニカリマスターコレブーからは、この日八面六臂の活躍だった《大いなる創造者、カーン 》が登場。
シリアル入り旧枠ギルランがよかったけど、激闘の想い出として大切にしたいと思います。
シリアル入り旧枠ギルランがよk(ry

シリアr(ry

4.怠慢という"過失"

ニッセンの翌週は早速レガシー神挑戦者決定戦。
私はPC2日目の激闘の疲れ(主に精神面)もあり、この1週間は何もできず。

まあリスト強いから行けるやろ。(ニッセンのまんま

嘘のようにボロ負けした。

対赤プリはどうにかしないとダメ。
華麗なフラグ回収。

いや、「嘘のように」なんかじゃ全然なくて、ニッセンの対DDFTもそうでしたが、対策していないものに当たれば負けるし、対策したものに当たれば勝つ確率は高まる。
単純ですが、それゆえに工夫し甲斐がある。

結果が出る時もあるし出なくて苦しい時もあるけれど、大好きなデッキを一生懸命考えて調整して、一緒に大会に出るのは本当に楽しい。
勝てたらもっと嬉しいし、負けたらもう次を考え始めている。
日の当たらない場所で、密やかに。

ともかく僕は「心苦がければ愉しき夢を追う」という境地には賛成してしまった。(中略)僕は、心理医者の法則にすこしだけ追加を行いたいと思うのだ「地上苦がければ地下に愉しき夢を追う」

尾崎翠「地下室アントンの一夜」より

デュアラン云々とか全然関係ない。
もうすぐモダホラ3も来る。

メタ外とか全然関係ない。
言いたい奴らには言わせておけばいい。

レガシーは厳しくて、レガシーは自由。
みんなレガシーやろう!

………

末筆ながら、常滑でご一緒してくださった皆さん、応援や労いの声を掛けてくださった皆さん、ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
趣味での遠征は今回が最後になってしまうかもしれませんが、とても素敵な想い出になりました。

(了)

追記①:
動画投稿者飲みにも無事参加できました◎

追記②:
最近研究対象にしている作家。
繊細な感性と隙のない文章に、隠しきれない狂気。
人物再登場が好きな人には特にオススメ。