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知らないと損!シンプルな企業分析で決算書の裏側を見抜くコツ



決算分析の地図を読んで、決算分析を得意になろう

企業分析を学ぶことは、ビジネスパーソンにとって重要なスキルです。
しかし、多くの方が決算書を手にしても、実際の仕事にどう活かせば良いのか戸惑うことが多いのではないでしょうか。
『企業分析の地図』は、そんな悩みを解決するための頼れる1冊です。

この本では、企業分析を成功に導くための7つの定石が何度も強調されています。
(1)企業の一次情報を取得すること
(2)決算書の裏にいるステークホルダーを意識すること
(3)企業のKPIを把握すること
(4)決算書をグラフ化や図解してシンプルに表現し、俯瞰して捉えること
(5)時系列や他社との比較を行うこと
(6)会計視点とファイナンス視点の両方を持つこと
(7)決算書の裏側に隠れているビジネスモデルを見つけ出すこと

セールスに携わる私自身も、企業分析に悩んでいます。分析して何になるのかが実感できていませんでした。しかし、この本を通じて、企業の行動判断基準を理解することこそが、効果的な分析であることが分かりました。

本記事では、私個人が日常の業務で特に役立つ、7つの定石のうち
(1)企業の一次情報を取得する
(3)企業のKPIを把握する
(4)決算書をグラフ化や図解してシンプルに表現し、俯瞰して捉える
(5)時系列や他社との比較を行うこと
の4つについて、生成AIを活用した具体的な使い方を紹介したいと思います。

企業分析に不安を感じている方にとって、何かの参考になれば幸いです。

実際は、分析結果が皆さまの商品サービスに直結しない場合が多いと思います。
お客様の現状や、目標を知っておくという状態にしておくことでも十分だと考えています。


1.現場で使える!企業分析のコツ

DALL-Eで作成

改めまして、私は、日々企業分析や顧客への提案で頭を悩ませている一人です。
企業分析を行っても、自社で取り扱う商品やサービスに直結するイメージが持てていませんでした。
なので、企業分析はほどほどに、とにかく提案内容を考えていました。

そんな中でこの本に出会い、「企業分析は、もっとシンプルに考えても良いんだ」と考え方が変わりました。
複雑に捉えがちな企業分析ですが、実は、難しく考える必要がなかったのです。(もちろん、時と場合によりますが)
まずは、企業のありのままを理解することが重要。
自分の考えや意思を一旦脇に置いて、企業そのものを冷静に観察することで、後々の分析や提案がより効果的になるのです。


3C分析:シンプルで効果的なフレームワーク

企業分析には様々なフレームワークがありますが、お勧めなのが3C分析です。
シンプルで分かりやすく、多くのビジネス書でも推奨されています。
特に、キーワードにもなっている7つの定石のうち、他社との比較が含まれている点がお勧めできるポイント。

3C分析の構成要素:

  1. Company(自社)

  2. Competitor(競合)

  3. Customer(顧客)


分析はAIに任せてしまう

最近はAIも便利ですよね。
基本的な情報収集はAIを使って効率化しましょう。
AIで3C分析をする最大のメリットは、競合の分析にあると思っています。

大きな企業になれば、事業範囲も広がるため、一概にライバル企業を特定しにくくなると思います。
そんな時に同じ業界以外の競合も調べてくださいと指示するだけで、一気に幅広い 競合分析ができるようになるためです。


3C分析をしてくれるAIプロンプト

<企業名>のところに、分析して欲しい企業名に変更して使用してください。
競合分析結果がしっくりこない場合は、なぜその結果になったか追加で質問してみてください。
右上のマークをクリックすると、コピーできます。

あなたはマーケティングの世界的権威です。20年以上の実務経験と、100以上の査読付き論文の執筆歴があります。最新の研究動向も熟知しています。専門用語を使いつつ、初心者にも分かりやすく説明してください。

#実行指示:
 - <企業名>の3C分析を行ってください。
 - 競合分析は、異業種の観点からもお願いします。


2.中期経営計画を活用した企業分析の秘訣

DALL-Eで作成

私たち、現場で企業分析や提案を行うビジネスパーソンにとって、クライアントに対する提案がどれだけ効果的かは、常に頭を悩ませる問題ですよね。私自身、つい最近まで私は財務諸表ばかりに目を向けていました。
一方で、お客様の目指す姿がイマイチ分かりにくいと感じていました。

提案を行う際に「どうやってクライアントの未来に貢献できる提案をするか」という視点が欠かせません。
その中で、非常に役立つのが「中期経営計画」。
これは企業が数年先の未来に向けて描くロードマップであり、その目標や具体的な指標(KPI)が示されています。

例えば、ある小売業の中期経営計画を見てみると、「3年後にEC売上比率を30%に引き上げる」というKPIがありました。
これって単なる数字なだけでなく、この企業がデジタル化にどれだけ本気で取り組もうとしているか、その覚悟が見えてくる気がします。

私たちが企業の目標に寄り添い、どのようにサポートできるかを考える上で、この計画は不可欠なツールとなります。
もちろん、すべての企業が詳細な中期経営計画を公表しているわけではありませんのでお気をつけください。


大切なのは具体的なKPI

特に重要なのは、企業が設定した具体的な指標です。
これらに焦点を当てることで、私たちの提案がクライアントの現実的なニーズに応えるものとなり、効果的な結果を生むことが可能になります。
この本を読んで、私も改めてKPIの重要性に気づかされました。
みなさまも、現場での実践にぜひ取り入れてみてください。


中期経営計画を読み込んでくれるAIプロンプト

PDFや企業のホームページに掲載されている中期経営計画を隅々まで読み込むのは、時間がかかります。
こういう時こそ、AIの出番です。
ホームページにのみ公開されている場合は、「添付したファイルを」をURLに変更してください。

あなたは企業分析の世界的権威です。
20年以上の実務経験と、100以上の査読付き論文の執筆歴があります。
最新の研究動向も熟知しています。専門用語を使いつつ、初心者にも分かりやすく説明してください。

#実行指示:

- STEP1:添付したファイルを読み込んで (1)外部の環境分析、(2)VRIO分析、(3)目標達成に向けた、「事業戦略」「組織戦略」「財務戦略」(4)目標とする指標とその数字をまとめてください。VRIO分析に関する記述がない場合は、内部の環境分析を行ってください。
- STEP2:STEP1の結果から、(1)と(2)がどのような戦略で(3)を達成する道筋を描いているかを詳しく解説してください。
- 情報を見つけることができなければ、「ありません」と回答してください。


3.ROEを理解して企業をもっと深く知る

DALL-Eで作成

ROE(自己資本利益率)とは?

『企業分析の地図』を読んで、特に気になったのがROE(自己資本利益率)という指標です。
正直、私は「言葉は知っている」レベルでした。
しかし、この本を読んでいくうちに、ROEが企業を見る上でどれだけ大事な数字か、少しずつ理解できるようになりました。

ROEは、簡単に言うと、「会社が自分のお金(自己資本)をどれだけうまく使って儲けを出しているか」を表しています。
この数字が高いと、効率よく利益を出している企業ということになります。
実際、8%から10%くらいがいいと言われていて、それ以上ならかなり優秀な会社。

このROEって数字だけを見ても、なんとなくピンとこないかもしれません。私もそうでした。
しかし、本書では、このROEを分解して考えることで、企業の強みや弱点が見えてくると書いてありました。

例えば、自己資本がどれだけ売上に結びついて、最終的にどれだけの利益になっているのか、という流れを理解すると、企業がどうやってお金を稼いでいるのかがわかってきます。
この考え方を知ってから、企業の決算書を見る目が変わりました。
「あ、この会社、ROEは高いけど、売上が伸び悩んでるな」とか、「自己資本が多いけど、利益が少ないのはなぜだろう?」とか、そんなことを考えるようになったんです。

この本を通して、ROEという指標が単なる数字以上の意味を持っていることを学びました。
会社の表面的な数字だけじゃなく、その裏にあるストーリーを知ることで、より深く企業を理解できるようになるんじゃないかなと思います。


ROEと企業の儲けのストーリを理解するプロンプト

(1)まずは、分析したい企業の有価証券報告書を添付してください。

添付した<企業名>の有価証券報告書を読み込んで、20XX年X月の
- 総資産
- 自己資本
- 売上高
- 当期純利益
を抽出して、日本語で表示してください。

20XX年X月は、最新の決算月を入力してください。
多くの企業で決算月は3月ですが、そうでない企業もありますので、確認してください。
生成AIの良いところは、複数の企業を並べて分析できることなので、比較したい企業数分読み込ませてください。
まとめて行うと、精度が悪くなる印象なので、面倒ですが1社ずつ行ったほうが良いです。

(2)数値が出そろった段階で、一旦整理します。

これまでの出力項目を表形式で表示してください。

(3)ROEをさらに分析するための指標を加えます。

この表に、財務レバレッジ、総資産回転率、売上高当期純利益率を加えてください。
計算式はそれぞれ
- 財務レバレッジ =総資産÷自己資本
- 総資産回転率=売上高÷総資産
- 売上高当期純利益=当期純利益÷売上高
で計算してください。

#出力指示:
- 横軸に企業名、縦軸に各項目で表示してください。
- 小数点以下の数字は、小数点第2位までで四捨五入お願いします。

【財務レバレッジ】
元手となる純資産で、 どれだけの総資産を買ったかが分かります。
【総資産回転率】
総資産からどれだけの売上高を獲得できたかが分かります。
【売上高当期純利益】
売り上げ高がどれくらい利益に転換されたかが分かります。

(4)最後に総括する

デュポン分析の観点から比較してください。


今回紹介したものは、この本のほんの一部です。
企業分析に悩んでいる人は、ぜひ本書を買って読んでみてください。


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