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大工さんが開拓民の両親から教えられた大切なお金の使い方

こんにちは。アイ建設です。
今日は大工工事部門「工事二課」についての話題です。

建設会社で大工工事部門を率いている私には、年齢も性別も(国籍も)違う友人がたくさんいます。そして、年配の職人さんたちとおしゃべりするのを日々の楽しみとしています。

そんな日々のおしゃべりの中できいたお金のちょっといい話です。

大工Yさんとの出会い

私がYさんに会ったのは、私が現場監督として担当していた埼玉県の新築現場でした。
その時、私がお願いしていた大工さんがまさかのケツを割ってしまい(工事の途中で投げ出してしまうこと)、急遽代わりの大工さんを探していたときに紹介された大工さんでした。

Yさんのほうはといえば、その前週、契約していた建設会社が倒産してしまい、困っていた時に知り合いから私の現場を紹介されたそうです。

話してみると、Yさんの実家(青森県南部)と私の母の実家(岩手県北部)はすぐ近くであることがわかり、早速意気投合しました。

大工Yさんについて

Yさんは現在70代、青森県南部の山間部で開拓民の子として生まれました。
忙しい両親のもと元気に育ち、地元の中学卒業後、集団就職で埼玉県で大工に。それからおよそ60年大工一筋、今でもシャキシャキ働きます。

大工Yさんが親から教わったこと

ある日、「うちの親は教育も受けてなかったし、忙しかったし、でもお金の使い方だけは教えてくれたんだよ。」と話してくれました。

子供の頃、大工Yさんの親御さんは、100円のお小遣いをくれるたびに話してくれたそうです。

「100円もらって、100円の欲しい物を買ったらいけない。10円だけでも残しておけば、いつかは100円の欲しい物が欲しい時に買える。」

大工Yさんはその教えをずっと守り、今まで貯金を続けてきているそうです。

「そのおかげでこれまで、洗濯機が急に壊れた時もすぐ買えたし、地デジのときにテレビも買えたし、今みたいに急に仕事がなくなってしまった時もなんとか生活できたし、冠婚葬祭で急にお金が必要な時にもお金に困ったことがなかったんだよ。」

確かに、もらったお金を毎日の呑み代やパチンコ代などにすべてつぎ込んでしまって、ほとんど貯金がないというお話も職人さんからはよくききます。
大工Yさんも、まわりにこういう職人さんが多い中でも、きちんとこの教えを守り続けたそうです。

ただ単に「貯金が大事」というのではなく「必要なものが必要な時に買える」だけのお金を貯めておくことは、日々安心して生活し続けるために大切なことなのですね。

「俺なんか、田舎の中学しか出てなくて学がないもんだから、子供に教えられることって何もなくてね。でもこのお金の使い方だけは子供が小さい頃からずっと教えてきたんだよ。」

そのお子さんたちも今や就職されて、日々立派にお仕事をされているそうです。

おわりに

実は、私が統括しているアイ建設工事二課のロゴやさまざまなところで使用しているイラストは、その大工Yさんの写真をもとにしたものです。

堅実に生きてきて、進んで若手の力になってくれて、頼り甲斐もあって、周りにも慕われる。
私もいつかそういう人物になりたいし、会社もそういう会社でありたいと思っています。

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