組織開発パートナーへの道 3
『日本でいちばん大切にしたい会社 1』坂本光司著
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ここからは、組織開発を学ぶために拝読している著作を紹介いたします。
この本の発行は2008年4月。2022年10月の第8巻まで発刊されている人気のシリーズ。
二部構成で成り立っており、第1部は「会社は誰のために?」として会社経営とはどんな活動なのか?が定義されています。
続く第2部では、日本で大切にしたい会社が具体的なエピソードとともに5社紹介されています。
第二部の5社の実例は心を打つエピソードで彩られ、このシリーズが愛されている理由と考えますが、より大事だと感じたのは第1部の「会社は誰のために?」の部分です。
坂本先生の考える会社経営は「五人に対する使命と責任」を果たすための活動、とされています。その「五人」とは?
筆頭には「社員とその家族」が掲げられています。
第二に「外注先・下請け企業」
第三番目に「顧客」
その次に「地域社会」
最後に上記四人への使命と責任を果たした結果として、自然と「株主」へのそれも果たされるのだ、と説かれます。
多くの企業・組織が顧客=お客様を第一としているのではないでしょうか?
私の所属してきた組織でもそうでした。
坂本先生が社員を一番目にあげる理由は、
「お客様を感動させるような商品やサービスを提供する担い手は社員である」から。
以下、引用します。
「所属する組織に対する満足度が高く、帰属意識が高くなければ、お客様が満足するようなサービスを提供することはとうていできません。(略)
自分の会社に不平や不信を抱いている社員が、どうしてお客様に身体から湧き出るような感動的な接客サービスができるでしょう?お客様が感動するような製品を創れるでしょう?」P21
また、坂本先生は、経営がうまくいかない理由の99.9%は会社の内部にある、と指摘。
「社員、仕入れ先、顧客、地域社会、株主」の五人に使命と責任を果たそうという意識が欠けている組織がうまくいかないのです。
経営に必要な資源は唯一「人財」しかなく、物やお金は人間が経営活動をする道具に過ぎない、と説かれます。
これが、現在改めて社会に求められている「人的資本経営」の原点だと思います。
企業経営の第一義は、社員とその家族の幸せを追求し、実現すること。そのために経営を継続させること。継続のために、業績や成長が必要なのであり、逆ではないこと。
第2部に紹介された企業はすべて「五人に対する使命と責任」を果たすために懸命であり、その結果として成績を残してきています。オンリーワンの商品やサービスを提供しているのです。