第15話:チェコに行く前にチェック!日本とチェコ間の社会保障協定を学ぶ
日本とチェコとの社会保障協定について
2009(平成21)年6月1日に「日・チェコ社会保障協定」が発効されました。このことにより、日本とチェコの社会保障制度の二重加入が解消されるのと併せて、年金保険料の掛け捨てが防止されます。協定の締結後は、いずれか一方の制度のみに加入することになりました。
チェコでの生活や仕事をする際に、社会保障に関する手続きは重要です。この協定に基づいて「適用証明書」を申請することで、日本の社会保障制度にのみ加入することが認められる場合があります。この証明書があることで、チェコの社会保障制度への加入が免除され、日本の制度に継続的に加入できることになります。
1. 対象となるケース
社会保障協定に基づき、適用証明書を申請することができる該当者は以下の通りです。
a. 日本国内で自営業をしており、一時的(5年以内)にチェコで同様の活動を行う場合
こちらは、協定の第7条4に基づいています。例えば、日本で自営業を営んでいて、チェコで一時的に活動する場合、日本の社会保障制度を継続して適用することが可能です。
b. 日本国内の事業所からチェコの事業所へ派遣され、次のいずれかに該当する場合
チェコで雇用契約を締結していない場合(協定第7条1(a)該当)
チェコで雇用契約を締結しているが、日本の事業所の指揮の下で働いている場合(協定第7条1(b)該当)
特に、2018年8月1日以降の期間が対象です。
c. 日本に通常居住しつつ、チェコ船籍の海上船舶で自営業者として働く場合
これは協定の第8条に該当します。この場合も、日本の社会保障制度を適用することが認められます。
d. 上記以外で、チェコ国内で就労または自営業を行うが、チェコの社会保障制度が適用されることで不利益を被る場合
こちらは協定第10条に該当し、具体的にどのような不利益があるのかを「備考」欄に記入する必要があります。
2. 証明書について
「適用証明書」は、社会保障協定に基づき、日本の社会保障制度にのみ加入する根拠となる証明書です。この証明書が発行されることで、チェコの社会保障制度への加入が免除されます。
3. 年金給付に関する取り扱い
チェコと協定を締結している他国(日本含む)の保険期間を通算して、チェコでの年金給付を受ける権利が確立されます。例えば、日本の保険期間がチェコの年金受給に必要な期間を満たすためにカウントされます。
ただし、チェコでの保険期間が12か月未満の場合、日本の保険期間を算入することはできません。また、日本の12か月の保険期間は、チェコの365日に相当します。
社会保障の手続きは複雑ですが、適切に対応することで、余計な負担を減らし、安心して海外での生活や仕事に集中できます。チェコでの就労や自営業を予定している場合、適用証明書の申請を検討してみてください。
参考URL
協定相手国別の注意事項(チェコ)
厚生年金保険・健康保険・船員保険、国民年金・国民健康保険の被保険者のための申請書はこちら
日本年金の請求者・受給者のための申請書をしたい場合
主要各国の年金制度の概要
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