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泉のような人

私には母が二人いる

実の母と育ての母

今日は実の母の話

母は私が5歳頃家を出て行った

その時のことは今でも鮮明に憶えている

それから二年後くらいに新しい母親がくるが、これが私にとって試練というか、ちょっと大変な時期で、その合間合間にばあちゃんにお世話になった

実の母(ここからは母と書く)との縁はこれで終わりではなく、私が20歳を越えたら会っていいという約束を父としていたようで、その通り20歳になって再会した

16、17歳の頃、いろいろ事情あって実家に住めなくなり、そこからばあちゃんの家にお世話になることになり、その時から母と文通することになった

文章を書くことが好きだった私は、いつも4.5枚たくさんの文を書いた 内容は学校の話や恋愛の話等、思春期のよくある悩み事だったりをわりと素直に書いていたと思う

母に書く というよりも 顔も分からない年上のお友達に書いているような感覚だった

でもたまに少し、自分が辛かったこと寂しかったこととか、どうして母がいなくなったのかとか、手紙で質問してみたりしていた

月1くらいの手紙のやりとりを三年くらい続けて、なんとなく母はこんな人なのかなーという想像が出来るようになって、20歳の時にばあちゃんの家で再会した

再会した時は感動は特になく、あぁ、こんな人かぁっていう感じでお互いに同じリアクションだったから ばあちゃんはお涙ちょうだいを期待してたようで拍子抜けしてた 笑

それから、ちょくちょく飲みに連れて行ってもらったり、母の家に泊まったりして、だんだんと母の事を知ることになるんだけど、、、

不思議な感覚だった

幼少期から15年くらい会っていない母は 母ではなく 年上の独身のお姉さんという感じだった

好奇心旺盛な人で、お酒が大好きで、精神的にすごく若々しくて、、なので話していると私の方が考え方が年寄りな時もあったりして、逆に母に元気をもらっているような、そんなバイタリティー溢れる泉のような人だった

今母は67歳だが、今でもそれは変わらない

心が若いし、前向きで、いつまでも乙女のような天然な可愛らしさもあり、それでいて酒飲みのオッサンのようなガサツな面もあり、不思議な人だなぁと思う

遺伝子ってすごいなぁと思うのは、約15年くらい育ててもらっていないのに、仕草や人とはちょっと違う変わった考え方、趣味、好み、声、歩き方が似ているってこと

だけど育った環境は全く違うから、根本的な考え方は父よりの思想になっているんだけど、、

母は私の根暗な真面目すぎる考え方を吹っ飛ばしてくれるような そんな存在だし、

いつも困った時に 違う視点から道標を与えてくれるような そんな泉のような人


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