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Twitterで呼びかけたら100人のキュウガク戦士たちが集まってくれました。

 はじまりはツイッター。

 会社の昼休み、私はサラダチキンをかじりながらこう思いました。「なんか、私みたいに休学して面白いことしてる仲間欲しいな……。あと、休学したいけどできないとか不安だわって人の後押しとか相談に乗るのとかできたらいいな……」。思い立ったが吉日、ということで呟きました。

 まさかと思ったのですが、瞬く間にこのツイートは拡散。理念に賛同してRTしてくれる人、とにかく面白いじゃんいいね!とハートを送ってくれる人。そして何より、このツイートから約24時間で、100名を超える休学経験者、休学を検討している学生さん、休学中のチャレンジャーが名乗りを上げてくれました。

 ぽつんと一つのツイートだけでは伝わらない私の思い、これからやりたいことをを補足的に書いていくので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

休学経験者集めて何がしたいの?

 まずは語りきれていない、「で、結局休学したい人たちを集めて何がしたいの?」という所のおはなしをさせてください。

 現状、なんらかの理由で”休学”という選択肢が頭に浮かんでも、それを相談する先はほとんど存在しません。大学、親御さん、友人、メンターなど相談する人は存在しますが、いわゆる”休学という選択のプロ”に相談できるというケースは非常にレアです。

 運よく同じ学内に休学経験者がいれば話を聞くこともできますが、そもそも絶対数が少ない上に休学の理由は様々なので必ずしもその人の参考になるとは限りません。 

 少し古いデータで2016年のものではありますが、文部科学省の調べによると、一年に休学を選択する人は44,876人、全大学生の2.18%とのことです。休学を選択するポピュラーな理由としてあげられるのは「留学」。海外の大学で学びに行ったり、ワーホリをするために一年休学する、というケースは少なくないようです。

 一方で経済的理由・病気などの理由から休学を選択する学生も少なくありません。また、統計上は”その他”という風に一括りにされてしまう何らかの理由で休学する人も。

 いろいろな統計や研究資料を拝読しましたが、休学する理由は本当に人それぞれです。新しくチャレンジがしたい!という前向きな気持ちで休学する人もいれば、病気や経済的事情から止むを得ず休学する人もいます。

 休学をしたひと、したいひとが人所に集まった時、その中に必ず「自分と似たような状況で休学した人」がいる状態を作っておきたい、というのが私の根本的な願いです。

 後ほどお話ししますが、私が休学を選択した時、ものすごく不安でした。前例を見たことも聞いたこともなく、親や学校の先生の行っていることも当事者意識のあるお話しではないため参考にはならず……。もしもあの時、どんな言葉でもいいから休学を人生の糧とした人からの言葉が受けられたらどんなによかっただろう。今でもそう思っています。

 様々な理由で休学を選択する人(その選択の理由がポジティブであれ、ネガティブであれ)が気軽に相談できること、そして休学経験者の体験が生きるような大きいコミュニティを作ること。さらに、休学という選択肢がより気軽に、面白く、当たり前になっていくこと。それが今回呼びかけた最初の目的です。

人と違う経験を、自信に変えよう。

 休学者を集めたコミュニティを作り、私が目指すものはめちゃくちゃ明確です。

”大学は休みなく通って卒業するもの”という常識を壊す。

 先ほど出した統計でも分かる通り、休学を経験する人は全体の2%ほど。そして大学を退学するのが2%。仮に全休学者のうち10%が大学を退学すると仮定しても、約96%の大学生が大学を休みなく通い卒業します(*留年などの事情は考慮していません)。みんな、当たり前に大学に入ったら大学に通い続けます。

 尚、諸外国では”ギャップイヤー”という考え方も広まりつつあります。ギャップイヤーとは高校卒業後にまとまった時間(3ヶ月〜2年ほど)を取り、自分のやりたいことやインターンにチャレンジする期間をさします。アメリカではオバマ氏の娘さんが取得することで注目を集めました。機関の調べによると、このような結果が出ているそうです。

・60%のギャップイヤー経験者が、大学卒業後のキャリアにギャップイヤーの経験が将来のキャリアに影響があったと答えた
・85%のギャプイヤー経験者が、大学卒業後の仕事により平均より満足している
・88%のギャップイヤー経験者が、就職の際ギャップイヤーの経験が役に立ったと答えた

 まだまだ新卒一括採用と4月入社が一般的な日本社会では、大学の入学時期をずらしたり卒業時期をずらすのはあまり現実的ではなさそうです。逆にいうと、休学することとその経験が、ギャップイヤーに変わる日本での選択肢にならないかな、と私は考えています。

 逆に休学を選択しない理由は様々だと思いますが、想像しうる限りこんなものが挙げられます。

・そもそも必要性を感じない、休んでまでやりたいことなんてないし
・就活の時に不利になりそうだから
人と違う選択は怖い……
・休んでいる間の学費どうしよう
・休学、興味はあるけど何したらいいの?
・一度休んじゃったら、元に戻れなくなりそう

 こういう不安や理由を含めて、相談する場がないという状況を変え、「少しでも自分の将来ややりたいことのために休学するという選択の後押しができる世界をつくる」ことが私のやりたいことです。そしてもちろん、コミュニティの中で「病気や怪我で休学を余儀なくされた人が、大学に戻ったり社会に戻る時の不安についても相談できる」ことも大切にしていきたいと思っています。(この辺の両立はなかなかまだイメージがついていませんが、どうかみなさまアイディアをください)

 そして、これはまだ夢物語ですが……

 ベンチャー企業やスタートアップ、外資系など多くの会社で今求められているのは、クリエイティブでユニークな人材です。人と同じ経歴を辿り、人と同じような経験しかしてこなかった人ではなく、自分の頭で考え行動した結果が評価されるような社会になってきていると感じています。

 休学を通じて、自分の人生を見つめ直し何かに挑戦した人の評価がもっともっと上がっていってほしいというのが私の願いです。そして、休学したことによって、当たり前のレールから外れてしまったと感じている人がもっと希望と自信を持てるような社会であってほしいとも、本気で願っています。

 将来的には、休学者のコミュニティで、良いインターンのお話を共有したり、就活・起業のための仲間集めなどより発展的な関係が生まれるといいな、と思っています。(当面、長期的にですがそれを目指した運営にしていきます!)

私が休学した時のお話

 シメの文章の前に、まず今回私を知ってくれた人に自己紹介をさせてください。私は今、株式会社VERTEXグループという会社で人事や広報のお仕事をしています。社会人2年目の23才。元は秋田にある国際教養大学というところでガリガリと勉強していました。

 私は2017年の9月から2年間大学を休学し、2017年12月から今の会社で働いています。残念ながら私はやりたいことのために休学したわけではなく、精神・身体ともに病気で壊してしまい、親とドクターから就学ストップがかかったことがきっかけで大学をお休みしました。

 休学する直前、今振り返ると私の体調は本当にシャレにならないほど悪かったのですが、私は「絶対に休学しない」と最後まで意地を張っていました。当時私は、休学して、同期に遅れをとることや社会に出るのが遅くなることへのプレッシャー、そしてそれ以上に「一回休んでしまったら社会復帰できるのだろうか、レールから外れて大丈夫なんだろうか」という不安に押しつぶされそうでした。

 あの時もしも、休学を経験した誰かがこういってくれたらどんなに良かったかと思います。

 「大丈夫!休学しても死なないし、楽しいこともたくさんあるよ。まずは体をしっかり治そう。思ったよりも早く体調が良くなったら、どんどん好きなことやる期間にしようよ! いつかそれがあなたの糧になるよ!」……とか。あるいは逆に、「休学するなら、復帰後を見据えてこういうことをしたほうがいいよ」……とか。そういう当事者からのアドバイスがあれば、私はもっと早く休学に踏み切れていたと思います。

 今、私はめちゃくちゃ自分の人生を謳歌しています。大学には結局戻らず、2019年の8月末をもって大学を退学しましたが(その時のエピソードはこっちで読めます)、その選択も良かったと思っています。後から振り返れば私にとって休学は、大切な人生の新しいステージの第一歩でした。

 もちろん、誰もが休学をすればいいというものではありません。こういう休学が成功、こういうのは失敗、という指標もまだありません。実例もまだ少なく、どうしたらいいのかわからないまだ未整備の世界です。簡単に「みんな休学しちゃおうよ!」ということはできません。

 だからこそ、自分の休学中のプランについて話せる場、そこからのキャリアについて相談する場が必要だと感じて、今回のプロジェクト発足に至りました。

キュウガクサロン(仮)始めます。

 長々と読んでいただいてありがとうございました!そんなこんなで、今回手を上げてくれた100人+の休学戦士たちのお話を聞きながら、私の思いを書かせていただきました。

 どのような形でコミュニティ化するかは、ちょっと改めてご相談と提案をさせてください。まずは手を上げてくれた皆様をツイッターのリストにバンバン入れていくので、ぜひ仲良くするところからスタートしていただけたらと思っています。

 休学経験者データベースを作ったり、Slackでのクローズな交流を促すこともやっていきたいと思います。技術的に可能であれば、データベースから似たタイプの休学の先輩を探すこともできたらいいな……と妄想が広がってます。

 最後になりましたが、キュウガクサロン、という仮名がカタカナで書かれているのはこんな願いを込めてです。

キュウガク=休学(大学を休む)
キュウガク=救学(他の休学者を救う)
キュウガク=究学(何かを追究する)
キュウガク=吸学(何かを吸収し学ぶ)

 最後になりましたが、今回拡散してくださった100人を超える皆様、コメントをくれた150人を超えるみなさま、いいねをつくてくれた450人を超える皆様(※10/16 16:00時点)、お返事全く追いついておらずすみません。これから返していきます。そして、本当にありがとうございます。

 誰もが自分のやりたいことのために休学という選択をできる社会を目指して、良いコミュニティができるよう尽力します!応援、よろしくお願いします。

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