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発想力と引き出し

“Creativity doesn’t come up of nothing”
(何もないところからクリエイティブなものは生まれない)

なぜリサーチプロジェクトが大事なのか、なぜ先行文献を読むことが大切なのかという授業で言われた言葉です。思わずめちゃくちゃ大きく首を縦に振ってしまって、ふと我に返って恥ずかしくなったのですが、本当にその通りだと思っています。

引き出しの多い人

「引き出しを多く持つ」という表現が好きでよく使っているのですが、私が目指しているのはまさに「引き出しの多い人」です。

教職課程を履修していた時、何度も理想の先生像を考える機会がありました。また自分が好きな先生、憧れの先生について考えることもありました。私は特定の憧れの先生がいたわけではないのですが、好きだった先生、理想の先生を何人か思い浮かべた時、その先生たちに共通するのは「引き出しが多い」ということでした。小学校の時に大好きだった先生も、中高時代の大好きな先生たちも、大学で好きだった先生たちもみんなとにかく知識量がすごかったなと思います。専門分野だけではなくてそれ以外の知識も豊富でとにかく幅広く様々なことを知っているという印象でした。そしてそんな先生たちの授業はいつも決まって面白かったです。

自分が授業をする立場になって痛感しましたが、教えなければならないことがあって、それをどういう風に教えるかというのが先生の腕の見せ所だし、一番難しいところだなと思うのです。生徒の関心をどうやって引くか、どんな例を使えばわかりやすいか、などを考えるにはなるべくたくさんの「引き出し」が必要です。引き出しが多ければ、その選択の幅が広がり、その時々にあった最も良い例を選ぶことができます。この「引き出し」が少なければ本当に何も思いつかなくて苦労するのです。

教育実習に行った際、面白い教材とかどうやって探してくるのかという質問を最後にさせていただきました。先生方のお答えはそれぞれ異なりましたが、みなさんに共通していたのは、普段からとにかくたくさんのものに触れて、良いなと思ったらストックしておくこと、でした。今すぐ使えるものではなくてもストックしておくことで、必要になった時にすぐに引っ張り出せると。

ヨシタケシンスケ展かもしれない

日頃から引き出しを多く持つことは大事だよなと思っていたものの、この夏、ヨシタケシンスケさんの展示会に行って、改めて痛感しました。引き出しがないと豊かな発想は生まれないということを、頭ではずっと理解していたけれども、これほどまでに身を持って感じたことはなかったというぐらいの衝撃と刺激を受けました。言葉にするとどうしても安っぽくなってしまうのが本当にいやなのですが、本当に賢い人、すごい人だな、と。

ヨシタケシンスケさんといえば、なかなか人が思いつかない着眼点、発想、書き方をされるというイメージはみなさんあると思いますが、展示会で作品の制作過程を見て、ヨシタケシンスケさんのこれまでの人生や考え方に触れた時、豊かな発想力の裏には、膨大な知識と努力があるのだろうなということが容易に想像できました。

たくさんの有名な絵本がありますが、どれも最初は編集者さんから与えられた1単語から始まっているというのが衝撃でした。例えば、「ウソ」とか。
この1単語から一冊の絵本を書くなんて引き出しが多くなければできないことだと思います。1単語からブレインストーミングしていって作品のアイデアを考えている資料を見ることができましたが、その発想の豊かさに驚くばかりでした。

もちろん引き出しが多ければ相関して発想力も豊かになる、というわけではないとは思う。知っているものの中からどれを使ってどれとどれをどう繋げていくかというのは別の訓練や能力が必要だと思うので。

でも引き出しがないのに発想力があるということはありえないなと私は思っています。


ここ最近、一気にインプットの量が増えて、頭がパンクしそうになっています(笑)正直もう何も読みたくない〜みたいな時もありますが、やはりインプットが増えると気づきも増えるし、刺激になって自分自身いきいきしている気がします。

でも本音を言うと、実を結ぶまでは、ひたすらインプットするのってちょっと疲れる作業…苦笑

いつかこのインプットが役に立つ時が来ますように…。笑


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