人人人
人人人、どこを見ても人ばかり
花火大会終わり、数人の友達と帰り途中
出口は人混みで溢れかえっていて
坂を登っていく人、イライラしてる人、
抱えれている子ども、注意喚起してる警察
前も後ろも、右も左も
満員電車のような状態で押されていく
祭りや花火は好き、それでも人混みが苦手
逃げ場のない圧迫感と落ち着かない気持ちと呼吸
酸素が足りないような気がして、少し背伸びした
だいぶ昔のことを思い出した
人混みの中離れないようにと手を繋いでくれて
周りに比べると小さい幼かった私は
父に抱っこされて会場の外へと連れてってもらう
「人多いなあ」って笑う父に抱きついてた
どうしても降りたくなくって、会場出たあとも寝たふりして心地いい揺れで本当に寝ちゃって
もうそんなこと一生ないんやろうな
私はもう高校生になって、
抱っこしてなんてねだれる歳じゃ無くなった
抱っこって言いながら手を伸ばした先にある優しい父の顔と、歩かなあかんって言う母の声
ええやんって言いながら抱き上げてくれる手
こんなにも記憶に残ってる
あの時の私たちは本当に幸せな家族だったと思う
暖かい人だった、いつも笑ってる人だった
あなたと再婚した女も、その連れ子も
私に似てるらしい腹違いの弟も
きっと私の憧れている家族なんだろうな
あの時の優しい顔はもう私のものでは無い
未練がましい、気色悪い、死ねばいいのに
何もしない何も出来ない未来ない私
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