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失敗しても元に戻せる社会へ ふろしき王子”よこやま いさお”さん

地元である浅草に拠点をおきながら、「実践風呂敷術」を全国で講演。風呂敷を通じて、「失敗しても元に戻せる社会」を作ることをビジョンに、日々の活動の中で、「一対一で話す」ことを大切にされています。一人一人が輝きだす瞬間に立ち会うことがが大好きな「よこやまいさおさん」にお話を伺いました。

≪横山功 さんのプロフィール≫
出身地:東京都浅草
活動地域:東京を中心に全国にて講演
経歴:武蔵野美術大学デザイン情報学科卒
現在の職業および活動:実践ふろしき術の講演活動
座右の銘:「結果を予期しない挑戦」

「失敗しても元に戻せる社会へ」

 Q:どのような夢やビジョンをもっていますか?

横山さん(以下、横山)風呂敷は道具にみえますが、材料です。好きな道具を1からつくり、さらには「もとに戻せる」材料。カバンやバッグは一つの形が決まったらそれ以外の形にはできません。けれど、風呂敷は包む大きさや用途によっていかようにも調整ができます。器を中身にあわせることができるんです。そして、使い終わり解いたらもとに戻ります。風呂敷を使えば使うほど先人の叡智を感じます。

現代社会の問題は、企業組織という器は人材という中身にあわせることができないということです。風呂敷が自由自在に中身に対応するように、これからの組織は人材に対して臨機応変にあわせる柔軟さを持つことが大切です。

風呂敷の特性として、「元に戻せる」ことがあげられます。元に戻せる暮らしをいかに創造していけるかがテーマでありビジョン。そして、モノだけでなく人も、元にもどれるなら、何度でもチャレンジして失敗したらいいし、何度失敗しても元に戻れる社会、失敗してもやり直せる社会をつくりたいと思っています。人間はずっとうまくはいかないし、病気の時もあるので、人のマンパワーに頼るのではなく、システムとして失敗しても問題ないという風にしたほうがいいと思います。

「自然と一緒に生きる」


Q:その夢に向けてどんな目標や計画を立てていますか?

横山 ときどき浅草の実家に帰っているのですが、都会に住みながら自然と一緒にいることはできる。田舎にいかねばならないということはない。下町でも自然に親しむこともできます。木があって、畑ができる土地を子供に残す。今は借りているので、小さくても自分の土地を買って、将来に繋げていきたい。

「2人だけの友情を大量生産する」

Q:夢に向けて、どんな基本活動に取り組んでいますか?

横山 今は日野に住んでいて、畑を借りています。循環のある日常を作りたい。現在は自分の家族だけでやっていますが、近所の人も一緒に巻き込みながらすこしづつやっていけば、自然にあふれる地球にすぐに変わると思っています。

いきなり「庭を生きものの楽園にしましょう」と話しても、生き物を好きな人にしか響かない。もっと自然な展開で人と交流し、共鳴する中で、はじまっていくと思います。テーマを決めず、一対一で時間をたっぷりととって話すことが大事。相手の興味を切り口にはじめていくと、伝えなくても伝わります。

そうした人間関係の中で「元に戻せる」という考え方や、都会にいながら、自然と共にいることができるということが自然と話にでてきます。風呂敷みたいに相手にあわせながら包み込んでいくんです。相手にこびるのではなく、共鳴点に息を合わせながら包み込んでいく。

あらゆる人に対して一対一であれば、同じ生き物として仲良くなれる。二人だけの友情を大量に作っていきます。

「人が輝きだす瞬間にであいたい」


Q:「横山さんの原点」とは何ですか?

横山 生きものが好きだけど、周りにはあまりいなくて寂しい思いをしました。なぜ、生き物が好きなのか?思い返すと実家のベランダに、おじいちゃんが作った小さい森のような庭園があった。そこに潜って遊んだりしていました。ところが外に出ると生き物がいない。絵をかいていたのも、生きものに会いたい思いからです。
実家の屋上に田畑を作ったことも、生きものに来てもらうため。エコ活動や省エネではなく、身近な川で泳げて生きものと遊べるような状況でないと納得できない。今もどうやったら隅田川や東京湾が真に美しくなり、将来世代の子どもたちが遊べるようになるかを考えています。

Q:ファミコンやゲームにははまっていませんでしたか?
横山 めちゃくちゃはまりました。今はまったくゲームはしないのは、その時やりきったからです。高校3年間皆勤賞というくらいゲームセンターに行ってました。上野、浅草、秋葉原で対戦していました。やりきって完全に卒業ししました(笑)

Q:その時も生きものとは接していたのですか?
横山 はい、家では屋上で鶏も飼っていました。たとえば、ポケモンGOは、生き物に接することができないから、はやってるんだろうな、とおもいます。みんな潜在意識には生きものと触れたいと思います。

Q:ゲームをやめて、一対一で話すにつながったのはなぜですか?
横山 
中学、高校では、本音を内に秘めていました。

ずっと男子校で、バス通学でした。基本的に一人で本を読んだりしてたけど、途中のバス停からのってくる女の子に片思いになって。名前も学校もしらない彼女でした。6年間、その子に対する俳句や短歌を作り続けた。元々、自分の世界に生きていて、庭にひきこもっている感じでした。6年間で話した異性は、母親とおばあちゃんだけっていう(笑)

本音で話すのが好きなのは、人が本音で話すと、輝きだす瞬間があるから。それに会いたいというのがある。また、日本人は相手のことをストレートにほめたりしないけど、僕はオーバーなほどにほめる。そんなのも一対一だから言いやすい。本音を引き出して、僕はみんなをアイドルにしたい

取材を受ける機会などで一対一で話すとき、お互いの肩書きで話すと、演じあって、あわせあって、お互いの良さに気付かない可能性がある。だから、テーマと無関係なことを話した方がよい。相手の本音、自然体を探るために脈絡のない話をします。(笑)

本音で話せる関係性が築ければ、世の中はもっと簡単によくなると思う。
あわせあって生きるのが本当にもったいないと思っています。。

「あわせあう組織は共倒れになる」

Q:これからの組織はどう変わるべきだと思いますか?

横山 あわせあい、空気を読みあう組織はおしまいです。勝手な事をする、手に負えない人が組織にいないと組織は変わりません。「ここだけの話し、あなただからいうけど」という一対一の本音を大量に重ね、勝手なことをする人材を組織に増やす。自発的に前向きに行動する人が組織を活性化させる。本当に元気な人は、勝手なことができる人。勝手なことをできる人は健康。一対一の密談を大量に重ねていきたい。誰かの悪口をいうのではなく、誤解を受けている人のことを褒めて距離をなくす。そうした人がいる組織は永続していけると思います。10人で会議をするよりも、1対1の会議を10人分行なう。そうやってみなの心の扉をひらき、翼を与えるのがトップや管理職の大切な役割です。

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「暮らしを奏でるいちまいの風呂敷」
ふろしき王子 よこやまいさお
URL: http://furoshikiouji.asia/
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【編集後記】
記者を担当した井上です。今回は浅草でのインタビューと電話でのインタビューに快く応じてくださいました。一対一で話すことで、一人一人の輝きを放つのを見たい、一人一人がアイドル(なりたいのものになれる)であることを証明したいという横山さんの思いに大いに共感しました。幅広い知識をお持ちの横山さん。また、様々な話題について、今後も共にお話したいと思います。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36



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