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詩【永遠からの手紙】

再啓

通り魔のような
稲妻に打たれて
無事
『ひまわりの霊感』が
弾けるようになりました 

いま
あなた自身には見えない
あなたの中の
無人島にある
『双子山映画館』にて
この
「永遠からの手紙」を
綴っています 
 
ここでは
産気づいたイグアナたちが
入口で
チケットを切った数だけ
売店の噴火口で
産卵しながら

「生まれた意味を
知りたいお客様は
上映中に
『非常口』のほのかな灯りだけを
見つめていてください」 

と涙をこぼしつつ
アナウンスしています

それは
地獄の門にも似た
重たい扉を開けて参入する
暗い館内に
『虚無』しか収容できないからこその
純白な『スノードーム』たちが 

常に
満員御礼の
密なテトリスブロックとして
客席に
『天国の壁』を
描きながら

法律や規約から
あなたの映画を
イリーガルに
守っているからなのです  

上映中
誰ひとり
おしゃべりしていないはずなのに
まるで
世界一美しいノイズを競い合うかのような
異星の遺影に焦れた
異音&異星への擬態を欲した
擬音主催のコンサート

だからお願い
音の隙間のなさに狂喜乱舞する
『別の祭り』をはじめないで

エンディングテーマである
あなたのふくよかなカマクラに
ふたりさえ知らない
シャングリラの屋上を
世界一やさしくひろげた
ファンタジーノベルの化身である
アルプスの少女のシーツみたいに
ふんわりまとわせてみせるから

いつか
綺麗事の空を
美しく口説き落としてみせるから

そう信じたからこそ
今もあなたに
花吹雪を抱き寄せるように
わたしの傘を引き裂いて欲しいのです 

わたしは
全知全能の白紙のノートを格納する
未来都市から転送された
『対戦型4D・5G伝言ゲーム』より抽出され
結晶化した
「純粋な加速度」

つまりは『流転の美術館』

またの名を
完全なる静止と静寂の

『交響曲第〇(ゼロ)番/沈黙と無限』  

わたしは
二年前に亡くなった
あなたの愛しい鉢植えのベランダに
たまたま居合わせることが許された
ひとひらの渚 

つまりは
あらゆる神話と漫画を内包し
息が詰まりそうなほどに笑える
『恐怖新聞』 

愛のためにだけ
噴火することを「絶対」に変えた
あなたの海に浮かぶ『桜島』

そこから覗き込む
『逆さ富士の鏡』に写る
屈斜路湖の『クッシー』の
ソウルメイト
池田湖の『イッシー』が生み出す
誰にも影響力を持たない
独立国家『ネッシー』における
孤高のプロパガンダゴーストライター
 
たとえその演説が
宇宙の真理に触れていたとしても
あまりにもメタファーが深淵で
たどりつけない
誕生したばかりの月に
わたしたしたちふたりが共作した
絵本が浮かんでいたとしても

わたしは野生的に無修正な浮世絵を描き切る
葛飾北斎と歌川広重のキメラ
その野バラでありたいのです

世界中の人々が
大好きも大嫌いも
同じ質量だけ抱えることができる
一輪の血まみれ
ベルサイユのお宮さんとして咲きながら

植物であることの快楽を
あなたに与えるために
わたしの唇であなたの唇を塞いでみせながら
二酸化炭素という
甘美な禁忌を
あなたに注ぎ込み
ふたりだけの生態系を創造し

人気(ひとけ)のない
図書館の本棚に暮らす
贈り物の詩集として
飾り物にされた少年少女たちの
自由を願い
永遠に朗読をやめない
わたしたちふたりの夕暮れの縁側に抱かれながら

ことばにならないこころの集まりに
「おやすみ」を告げるための
誰もいない夏休みに
ふたりは生まれ変わるのです 

最後から二ページ目に映し出された
ラストシーンに響く
記憶に残らないほど
個人的で繊細過ぎた
あの雲みたいなピアノの詩集に 


そう
未だかつて
誰一人として正確に
雲の形を記憶できたものはいなかった 

しかし
祇園精舎の鐘でつくられた
黒い鍵盤はすでに遠い部屋に隔離され
ふたたび奏でることもままならず

焼け焦げたわたしの傘を打つ
砂漠の羽にからまる余計な水たまりを
むやみにはばたかせないよう
風鈴の羽音に
梅雨の月光を歌わせることで
恋を飲み干すことさえできなくて

敬具も草々もかしこも悠久も
「無能に見えた無のゆらぎ」さえも混ぜこぜに
すこやかなる空をスクエアに区分けしはじめているのです 

やがて透明なテトリスフラッシュ
色を持たない純粋な閃光
あなたが好きです
いまもそれは変わりようがありません 

ええ
まだ少し甘くムカつきもしますから
早く全細胞が入れ替わればとも
正直思うこともあります
でもやはりあなたとの恋が叶わないように
わたしはわたしが内包するわたしの物語に
とうてい敵う気がしないのです

身体があるからこそ「思い出」がある
それは標準装備された身体の仕組みですから
いた仕方ない痛みなのです

風の壁を抱えては
その音楽の壁画から
新種のポエムをつい産み落としてしまうからこそ
わたしたちは『人間』なのですから 

そんな抗いの季節と同棲して
早二十年
二本足で立つ人間が
バランスを取るために完全に静止せず
かすかにゆれつづけているように

同時にそのかすかなゆれに
みんなが無自覚であるように
あなたを愛しています

文脈の花束を
あなたに捧げます



令和二年九月三十日

解体された日本語より愛を込めて





「永遠は 永遠に 永遠を 問い続ける」


詩人・桜島ユウは日々『恋愛ポエム』を詠むことで、その『永遠』に、独り、挑む。

まるで『永遠』そのものと永遠に恋愛を繰り広げるかのように……。

日々連投され続けた膨大なインスタの投稿。音声入力による即興朗読で編まれた、新しい時代の恋と愛の詩集!


ポエブックス第3弾

『桜島ユウ 詩集 「永遠からの手紙」 君がラブソングに見えた 』

Kindle 電子書籍版  670円(税込)


「男も 女も いのちが エロい!」



の双子として同時リリース!!


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