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この世から全ての広告がなくなったならば

緊急事態宣言が解除されて、初めての週末。
わたしは実質、54日ぶりに電車に乗り、
外出をした。

web広告業界で働いているため、
デジタルとの相性の良さもあり、
宣言後は全て原則テレワークだった。
医療従事者の方や出勤を余儀なく過ごしている方には、頭が上がらない。

「54日」と考えると、これまでの人生で
これほど家族・知人に会わなかったことはない。
大学まで実家暮らしだったので、誰かは家にいた。
海外1人旅なんかもしたけど、
今みたいな環境ではもちろんなく、
誰かしら現地の方と会っていた。

こんな機会じゃないと 
早々できる経験でもないから、
“あえて”会わなかった部分もあるし、
リスクを背負ってでも会いたいような、
恋人もいないという現実が突きつけられる。
悲観はしてない。未来に前向きだ。

そんなこんなで、54日間、
身の回りに特化した期間を過ごした後、
初めて出かけた時、自分がどう感じるのか、
ちょっとワクワクしていた。

実際に電車に乗ってみたら、
こんな高速で移動できる!!!神!!
とか感じるかと思いきや、無だった。
電車それ自体には、全く感動はしなかった。

しかし、徹底したソーシャルディスタンス、最高。 
横に人がいない電車、最高である!!!!!

人がいない電車って、快適だ。
そーだそーだ。
地元のど田舎に行くとき、いつもこうだった。
自転車かガラガラ電車での移動、
地元時代はそんな恵みがあったのだ。

改めて交通手段を使って思うけど、
人は移動をしながら、
休憩をしてたんだなと思う。
家でも、会社でもない、個になれる場所として。
ふっと音楽を聴いたり、本を読んだり、
意外と家で同じことをしても、
感じ方や捉え方が違う気がした。
まあ、誰かとの移動はもちろんあるけど、
意外と気を抜ける時間でもある。

あと明らかに、広告がない。
電車広告、屋外広告の少なさが、美しい。

これまでの生活で、
異常なまでに情報が詰め込まれていたのか。。。
脱毛、美容、自己研鑽がゴリ押しされない社会。
クリア、、、実にクリアですっ!!!
ありがとう!!という気持ちだった。

と同時に、日本らしさの象徴でもあるカオスさが
少し薄れた渋谷には、ちょっと覇気のなさを感じた。
まあこれぐらいがいいのかなとも思う。
いまハロウィン時のような覇気をもたれたら、
それこそたまったもんじゃないし。

広告業界にいながら、常に広告の意義とは?!
今や邪魔では?!と感じることも多いため、
この真っ白なキャンパスと化した全てを、
できればこのままアートにしたらいいのに、と思った。
全ての世界から、完全に広告が消えたならば
それはそれで、めちゃくちゃ美しい気がしている

未来はこの真っ白なスペースが
全てサイネージとなり、
動画でより高度な情報が発信されると思うと、
ちょっと疲れた。カオスさは素敵かもだけど。


そんなこんなで、渋谷で友人たちと合流をし、
代々木公園でピクニックをした。
しっかりとディスタンスを保ちながら、
お互いに近況を話したり、バドミントンしたり、
音楽聴いたり、唐揚げ食べたり、
大変幸せで楽しい時間を過ごさせてもらった。

気の緩みを持つことはよくないけれど、
やはり外の世界にでて気付くことはたくさんあった。 
初夏を感じる東京は、とにかく美しかった。

#日記 #コラム #広告

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