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七十二候 大暑 末候 「大雨時行(たいうときどきふる)」~時詠み暦と養生講座~

2021年8月2日~6日

七十二候 大暑 末候 「大雨時行(たいうときどきふる)」

★昨年2020年の今頃はこちら★七十二候についてもリンクしてます♪

今はすごく綺麗な夏の青空で、大雨と言われてもピンとこないのですが、実は早朝はどしゃ降りでした。

突然降って、カラリと晴れる☀️

災害にならないなら大歓迎です。

子供の頃、自然豊かな祖父母の家で体験した夕立。

日中の晴天が嘘のように曇り、まさにバケツをひっくり返したようなどしゃ降り!

大抵、夕方一時間ほど降って止んでしまい、世界を美しく洗い流していく様を窓から眺めては、不思議な気持ちでいっぱいになりました。


大雨といえば、台風という言葉は明治以降に使われるようになった言葉で、英語のtyphoonの訳から来ているそうです。それ以前はなんと呼んでいたかというと「野分(のわき)」でした。


以前、このnoteでも触れましたが、『野分』とはなんと風情がある言葉かと感じます。

願わくば、人生の嵐の時もこんなふうに風情を感じられたらと思います。そうなれば、かなりのベテランですね。



この時期の養生

今は夏土用の後半戦

7月21日~8月6日までは夏土用。

様々な伝承がありますが、まず大切なのは、『暑い盛りなので無理しちゃだめよ』ということです。



7月26日~8月1日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、5,831人ということでした。

こういう時だからこそ、尚更気をつけていきたいもの。

ビジネスシーンなどで服装を涼しくしきれなかったり、マスクを外せない状況だったりと様々あるかと思いますが、職場や組織で協力しあって、みんなの安全が守られていくと良いですね。

梅雨明けは特に危険と言われますが、盛夏は過ごしやすいというわけではもちろんありません。

総務省消防庁の配信情報をみると、昨年よりも搬送数は格段に増えています。詳細な理由まではまだわかりませんが、充分な注意が必要です。


無理せず取り入れ酷暑対策▶️暑熱訓練

最近、『暑熱訓練』という言葉を度々聞くようになりました。

これは熱中症対策として言われていることで、涼を録るのも大事だけれど、意識的に暑さに体を慣らしていくことも大事、ということのようです。

消防士の方の訓練が例に出されますが、一般の人に勧められるのは、朝夕の涼しい時間に行う30分程度の軽い運動(➡️散歩など)、二日に一回ほどの湯船に浸かる入浴などでした。シャワーだけじゃなくて湯船も利用して、少し発汗しときましょうということのようです。

サウナ・温泉・スパ大好きのわたしには大歓迎の訓練(笑)です。

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★取り組みによってはイニシエーションタイムとしても活用できるよ


アーユルヴェーダを学んでいると、インドと日本の気候の違いを感じられることが度々あります。

入浴法についてもまさに。

先日も、出席していた授業において、治癒法に『熱いシャワーを浴びたり…』というくだりがあり、先生から『インドは熱いシャワーをあまり浴びませんから』と補足がありました。

蒸して発汗を促すという発汗法はよくみかけますが、湯船に浸かるというのはあまりみかけないなと思います。

現地での生活で、竈でわかしておいた湯を浴びる沐浴法は聞いたことがあり、シャワーや湯船ががなくても充分快適でしたよと感想を聞いて、地域により様々な工夫があるものだなと感じました。

日本でも、いつでも誰でも湯船が良いというわけではないですし、体調や体力によっては控えたり、様々変えていくほうが好ましいと個人的には考えていて、サロンでもそのようにお話しています。

水分補給はいつでもお忘れなくですよ★


現代の生活では汗は忌み嫌われていますが、全く機会がないのはヘルスプランニング的観点からはNGとのこと。⬅️毎夏、毎日の滝汗で健康づくりをしていたわたしには、個人的にはとても実感があります。

腕から汗が滲んで滴るのがみえるような“暑い”時間を作ることで、血行不良は改善され、肌が艶やかになり、肩凝りや腰痛は緩和され、不思議と冬場の不調も減少できていたように感じます。

✳️体質にもよるので、必ず詳しい方にご相談ください。


感染症防止で外出には気を使いますし、オフィスワークの方や日光アレルギーのある方は特に工夫が必要かと思います。

必要なケアとして意識的に機会を作っていけると良いですね。


真夏だから冷やす養生…だけではない!

ここで更に触れるのは、サロンオリジナルの考え方になります。

なぜなら、こんなにも空調完備された時代って、少なくとも日本では今までなかったから。

平安時代から氷はあったけど、超高級品。今みたいに気安く誰でも使えるものではありませんでした。

現代は、エアコンも普及し、学校にもエアコンが入り、それによって守られてはいるものの、新たな体調マネジメントが必要にもなりました。

昨今特に、熱中症対策ということもあり、真夏といえども1日中汗を流しているなんてことはなくなり、女性は特に職場や家族に合わせた結果、エアコンで冷える『夏冷え』を感じる方々が増えてきました。また、冷えを感じていても、メイクが崩れ、汗で不快になるよりは少し冷えるくらいのほうがまし…ということも。

これに関しては仕方ないこと。

とはいえだからこそ、からだの状態を把握し、適切なケアを行う意識を常に働かせていないと、からだはいつの間にかバランスを崩してしまうことにもなりかねません。


外が猛暑であればあるほど、涼しい部屋内にいることになり、実際は秋口から初冬の気温にからだがさらされていたことを考慮してケアしなければなりません。

カレンダーが夏の時期になり、通勤の行き帰りが暑いと、その陽気で1日過ごした気になってしまうものですが、24時間中、どんなことをし、どんな環境にいたのか、思い返して労ってあげましょう。

もし職場で冷えた時間が長いなら、そしてあまり運動するタイミングなく就寝するようなスケジュールなら、夜はあたたかなスープで胃腸を整えるほうが良いかもしれません。

冬場ならば根菜を使うところを夏野菜に変えたり、スパイスとの組み合わせも工夫するなら、あたたかなスープもとても良い夏の養生食になります。エアコンで冷えきっている場合は、胃腸もいたわり消化もしやすく、酷暑と冷えで疲労したからだの癒しになることも。

夏の食事と言えば冷たいメニューとなりがちですが、1日や前後しばらくの予定から体調を省みて、固定観念に振り回されないようにするのが養生のポイントです。

水分補給も、梅雨明けすぐと盛夏では変えて良いでしょうし、1日のうちでも、例えば通勤のときは冷やしたライムソルトウォーター、クールなオフィス内でのランチ後は、お白湯をゆっくり頂いたりという工夫も大事です。

からだもこころも、毎日毎瞬ちがうもの。

仕事や勉強に打ち込んでいるときは、案外気がつかないものですが、普段冷え性さんでも熱がこもって火照ってしまったり、暑がりさんでも芯まで冷えてしまうということだってあるのです。

様々な工夫をしてこそ、快適さへの真の感謝とも言えるのかも知れません。

今は特に、『うっかり夏風邪をひいて』なんて気軽に言えない時代です。

自分を丁寧に労ってすこやかな状態に整えることも、周囲の方、社会への貢献ですね。


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『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。