見出し画像

自炊。

 服を買うより食材やら調理道具を買うのが好きで、買わなくとも見るだけで愉しい。だから、ホームセンターとか東急ハンズ、スーパーマーケットが大好きだ。とはいえ、買い歩きすることが好きではないので、十数分もあれば途方に暮れるほど何をしていいのか判らなくなる。
 今日は多少陽が陰った夕方五時から、徒歩で三十分かけて不要な衣服を売りに行った。携帯電話を携帯する癖がついていないので、番号を書いたものの連絡がつかない為に店内で待機していたが、三十分経ったところで痺れを切らし、同じ敷地にあるスーパーマーケットへ買い出しに行くことにした。
 慾しかったのは豆乳だったのだけれど、コーンフレークなどで使用するので消費期限の(豆乳よりは)短い低脂肪乳九十八円にする。
 安っ。
 でも、八十九円で売っている店もある。卵と低脂肪乳は価格破壊の旗手である。卵も戦後から価格が変わってない、優良選手だ。物価から考えると、昔は高級品だった訳だけれど。バナナも。
 他に買ったのは三パックの納豆(六十八円)と絹ごし豆腐(百二十八円)、かき揚げ二ヶ(これは晩飯)、赤ワイン(二百九十八円)。
 本日の夕餉を決めた後、冷蔵庫に残るのは相模屋の「豆乳たっぷりスンドゥブチゲ」三ヶ、今日買った納豆、豆腐、野菜室には雑穀、冷凍室には刻みオクラ、あさり。他は冷蔵室に調味料。
 これだけあれば、今週はもう買い物をしなくても良さそうだ。捻じ切れて過食しなきゃな。
 最近知ったのだが過食嘔吐などの摂食障碍は、国から難病指定されているらしい。しかも身体的な病疾患以外、つまり精神的な病では唯一だそうな。それくらい、治し難いと謂う訳である。なにせわたしなど、五十を過ぎても過食嘔吐で苦しんでいる。
 まあ、勝手に苦しんでいるんだけれど。

      +

 兎に角面倒くさがりなので、手間を掛けずに喰えるものがいい。だから今日など、朝も午もコーンフレークだった。気力がある時は電気代が安い夜中に雑穀を炊いたり重ね煮を作ったりカレーを煮たりするけれども、今は「一人鍋スンドゥブチゲ」があるので、余計なことはしない。
 実はやりたい。作りたい。怠け者だが、調理は好きなのだ。夜中に酔っ払って、あれこれ作る。そして覚えていない。起きると使った鍋やらヘラなどの残骸が、流しに横たわっている。記憶がないだけに、見るも無残な感じがする。
 で、確認の為に冷蔵庫を見ると、鍋ごと雑穀やらカレーやらが突っ込んであるのだ。チンすりゃ喰えるので楽なのだが、酔っ払って作ったので味が不安だ。大抵、喰える味なのが、我ながら凄い。
 しかし今は、冷蔵庫にあるのは豆腐と納豆ばかりである。火を使わず、混ぜくるだけで喰え、栄養価に優れた食品ではないか。なんて素晴らしい食料だろう。

 実はそれより消費したいのは、好奇心のみで購入した調味料と、無闇にあるトマト缶なのだ。消費期限が長い筈なのに、そろそろ使い切らねばならない。調味料は今後、塩と酢だけにしよう。少量でな。

(2019,8,26.)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?