また、あしたね。
未来への小さな約束を交わす。
それはその未来までの息を存える術だから。
そうやって生きてきた。
明日、の
その次の日の、
その翌週の、
また来年の、
いつかまた出会えたら、
そういう言葉を紡ぐ。
今日ふと
「世界は丸いから、だから、大丈夫」
と、言葉を発した時に
なぜ大丈夫なのだろうと一瞬思考が止まった。
『生きていれば』大丈夫。
そう伝えたかった。
サヨナラだけが人生だ、と或る人が言った。
その憂いこそが人生たるものだと。
生きる実感だと。
私はサヨナラが酷く怖い。
自分の人生のその先に大切な人たちがいないという想像がつかない。
どうにかいてほしいと願いつづけている。
「またね」と別れたその瞬間に
どうかあなたにどんな明日であろうと訪れますように、と
勝手に願っている。
ひどく利己的ではあるけれど
一方的なサヨナラよりかはマシかと思う。
今日もまた
小さな未来への約束をひとつ、ふたつと重ねた。
それが生きる灯火だなんてあまりにも脆弱だけれど、
その未来を想像するにあたたかくて楽しいものなのだから縋りついたって構わないだろう。
今日を閉じるあなたたちが
また
あたたかな明日を迎えられますように。
ささやかな未来がわたしたちを照らしてくれますように。
また、あした。
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