見出し画像

民族って何?

最近のニュースに突っ込んでいこうと思います。
とある政治家が民族について発言しました。日本はひとつの民族であると。それでは昨年通った「アイヌ民族支援法」は?100年と少し前まで別の国だった琉球は?どちらもまとめて一つの民族だと言っているのか、この2つの民族は日本の範囲から省かれているのか。私の経験をメインにこの問題を考えていこうと思います。

単一民族と言われる時の疎外感

あえてキツい言い方をします。今はどちらも、“一つの王朝が治めていた国にいた人間を先祖にもつ”日本人とほとんど同じように日本国籍で、日本の学校に通い、日本人として生活しています。何も変わりません。日本語も話せます。何が違うか。それは先祖、ルーツです。

私は沖縄出身なので、時折感じるこの疎外感や違和感を、ずっと抱き続けてきました。そして、関西で生活してより輪郭が見えてきました。

関西弁でしゃべってても
共通語でしゃべってても
日本人なのに
ふと出た沖縄の言葉は
日本人ではなく沖縄人になる

日琉同祖論とか沖縄独立論とかそういう問題を言いたいわけじゃないです。関西弁でも共通語でも博多弁でも東北弁でも日本人の一地方。ウチナーグチだけ沖縄人。それだけ、世間では沖縄は特別異なる認識なんです。いいとか悪いとかじゃない。それだけ違うという共通認識があるんです。それを踏まえて、件の発言に戻りましょう。

二千年の長きにわたってひとつの民族、ひとつの王朝が続いている国はここしかない

この中の民族に、沖縄は入っているのでしょうか?アイヌ民族は入っているのでしょうか?あれだけ違う文化を持っているという認識があれば、含まれてないと考えられますね。その時の疎外感は体感しないとわからないでしょう。日本国の保護下に入ってないのではないか。私たちは日本の教育や法律の下で生活してるのに日本人ではないと言われているようでいたたまれない。そんな思いを抱えながら、生きているのです。

じゃあどうしたいのと言われる

「そんなに自分のルーツを大事にするなら日本から独立したら?琉球に戻ればいい」「日本の中の沖縄県だから日本の恩恵受けてるし満足しろよ」みたいな言葉が、もしかしたら今までもずっとあったかもしれないけど、ネットの普及で目につくようになっただけかも知れませんね。どうしたいのって言われてもどうしようもないだろ、みたいな事も散見されますが、私はこう思います。

正直民族論は、この多様化する世界でどこまで通用することなのか。
それよりは、今自分のもつ文化に置き換え、文化論として、文化の優劣なく比較と交流をしていくべきである。

関西の文化、東北の文化、関東の文化って違いますよね。言葉、料理、風習とか。そこに、沖縄の文化も並んで、文化の差異を感じたり、共通項を見つける楽しさ(もっと深く考えるなら、その共通項はいつの時代に由来するかとか)を考えていく。何かと差別化するのではない捉え方を広げていきたいです。

おまけ〜沖縄の言葉〜

沖縄の言葉と一括りにすることが多いですが、実は一括りに出来ません。沖縄は離島が沢山あります。しかも割と範囲が広い。ぱっと水平線の奥まで見ても島がなければ、それはもう違う文化では?って思いました。この前石垣島に言って感じたことを詠んでみました。

『めんそーれ』、『おーりとーり』は同じ意味
沖縄本島と石垣の「いらっしゃい」

これだけ言葉が違うと、関西弁と東北弁を聞いているかのようなギャップを感じます。どちらも沖縄県の島の言葉(しまくとぅば)なんですけどね。一文字も合ってなくて面白いなと思いました。

いただいたサポートは自主制作本の制作費として使います。販売時にサポート限定特典なども予定しています!