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30首を連ねて#2

今回からは選抜しながら歌への想いや詠むきっかけなどをつらつらとお話したいなと思います〜!

特集:掘り出し物

今回はこの企画に合わせて、ではなく、以前から詠んでいたものを選びます。その数なんと…………何首だ?まあこれから挙げていきますね。歌の前に番号付しているのは、何日目にツイートしたかを示す通し番号です。番号で歌を区別するかもしれません。(1の歌は〜とかですね)ツイート時のテーマ等は割愛しますので是非前回のも見てください。

1 海の色はエメラルドにコバルトに名前も知らないあおいろたちに

2 青空をキャンバスに五本の白線をネットの窓から眺めてゐる僕

12 影を踏み影を追いかけ歩く道明日から通らぬこの通学路

13 シュプレヒコールの中で育った私の目には何が映るか

15 梅雨過ぎて夏来たるらし若芽吹く葉の隙間から降る陽の光

17 君待つと「ごめん待った?」と焦り顔テンプレ返し「今来たところ」

計6首でした。6/30ということで、2割は過去作を持ってきました。
2と15の歌以外は、なんと高校時代に詠んでいた歌です。ほとんど公開もしていない歌なので正に《掘り出し物》感が強めになっています。高校時代、受験という現実から逃げるためか、隙間の休憩に自問自答タイムが多かった時に生まれた歌ですね。
この中でも特に話したい歌を一つ、掘り下げて見ようと思います。

育った地だから言える歌

シュプレヒコールの中で育った私の目には何が映るか

自由律で、短歌なのか?と言われてもおかしくない歌ですが、私は短歌として詠んでいます。

まず、「シュプレヒコール」という聞き馴染みのない言葉が出てきますが、ググると「詩や台詞(せりふ)を合唱の形式で朗誦(ろうしょう)する方法。転じて、集団デモなどでスローガンを一斉に叫ぶこと。その唱和。」となります。朗誦、唱和の意味から音を、デモや「私の目」から映像を連想させようとしています。

ところで、私の地元、沖縄といえば、華やかなリゾート地である反面、基地問題を含む多様な問題も孕んでいることはご存知でしょう。基地反対のスローガンを掲げ、デモ行進をする姿に珍しさは感じません。おかしくないですか?「デモ行進をしている姿を見る」のが「日常」なんです。デモに常に参加をしている、という誤読はされたくないので明記しますが、この歌では基地問題の是非を問うているわけではないです。常にデモが、反対運動が行われ《続けている》この島で育った《私》の視点で詠んだのです。

余談ですが、この歌を詠んだ高校時代よりも、県外に出て周囲との温度差を感じた大学時代の方が、私自身、この歌を噛み締めるようになりました。そんな魅力(ちから)を持った歌だと思っています。

次回予告

他の歌も掘り下げたかったのですが、違う特集の組み方をする時に被る歌が出る気がするので、その時にでも話します。(予定は未定)

今回、掘り出し物を掘り下げて少し重たくなったので、次回はふわふわ出来そうな、恋愛系の歌を選ぶ予定です。お楽しみに〜!

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