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棲む水のはなし

どうしても気が合わない人がいます。なんとなく避けてしまう物事があります。そんなことを私は「棲む水が違う」と言っています。要は自分とは違う世界ということです。

それとは反対に、なぜだかよくわからないけれども気の合う人、どうしても引き寄せられてしまう場所や物事があります。これは「棲んでいる水が同じ」と言っています。

私は自分勝手でわがままなので、違う水に棲む人や物事に関わると非常に気分がくさくさします。合わない水の中に長時間身を置くと、消耗が早いのをひしひしと感じます。

何をもって「違う水」と判断するか、自分でもよくわかっていません。よくわかっていないから、「水」なんだと思います。違う「世界」っていうと、なんだかきっちり整った印象があります。わたしのイメージはそれほど確固たるものではありません。自分を取り巻く空気のようだけれど、なんとなく「ぽよん」とそこに揺蕩う感じ。

話のテンポが合わない、リズム感が合わない。引き出される言葉の選択が違う、まとっている雰囲気が違う。


棲む水の違う人とはたぶん、分かり合うことはないと思います。同じ水の人とでさえ、正しく分かり合うのは難しいと思っています。結局自分は一人です。他人の水を眺めながら、お互いに傷つけずに侵食せずに、自分の水を守っていくのが精一杯です。

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