【詩】彼岸

彼方あちらは素晴らしい場所だと教へられたので
 一度で良いから彼方を観光したひと思つた
しかし 彼方と此方こちらの間には 川が流れてゐて
わたしは橋を探すも どこにも見当たらない
彼方には川に入る以外 ゆけないやうだつた
わたしは その川のほとりに立ち 彼方を眺めては
渡るべきか 渡らぬべきか 考へあぐねてゐる