【詩】アンネの日記

人が何かを忘れ去るには
十分過ぎるほどの昔
英雄でもなく 偉人でもない
無力で無名の少女は
ペンを取り 戦つた
ペンは剣よりも強く
言葉は 暴力に勝り
人の意志を貫いた
無力だつた イエスのやうに
力はなくとも
何かを変へられると信じて
わたしは死んだ後でも
生き続けたい と云つた少女は
わたしのこゝろに生きてゐる