【詩】蚊

道端で虫を認知すれば
踏まないやうに気を付けるくらいには
無益な殺生をしない わたしでも
その音を聴いたとたんに
感情を持たない殺戮兵器へと変はり果て
殺すことだけを目的に両手を血で汚し
ただ 茫然と考へました
人に不利益を生じさせなければ
殺さなくてすむのでしやうかと