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一緒に卒業もできて、よかったよ

大学を卒業したら、友だちが思った以上に「会えない」のではないか ふとそんな不安がよぎります。

緊急事態宣言が全国的に一応は解除されてもなお、人に会いづらい空気や「第4波」への懸念がなくならないまま、もうすぐ新年度を迎えます。

最後の一年、十分に会えないまま わたしはだいすきな同期と海を隔てることになりました。「卒業したら、地元に帰るよ」と聞いていたから覚悟はできていたはずなのに、距離の遠さに眩暈がしそうです。

届かなくて、逃げ出した

大学に入って初めて、演劇部に入りました。にぎやかすぎるけど愛にあふれた先輩、元気で可愛くて たよりになる後輩、なにより同期に恵まれて わたしは卒業するまで演劇部でいることができました。

でも正直、はじめての本番を終えたとき、わたしは「いちばん演劇経験の長い」同期に嫉妬する気持ちでいっぱいでした。経験が違う、練習にかけた時間だってきっと違う、それでも 「あんなにできるの、うらやましい」と 打上げで彼女がほめられるたびに思っていました。


その後からほかの部活や委員会がいそがしくなったことを言い訳に、演劇部に出られない期間が続きました。当時は自覚がなかったけど、今思うと「あからさまに自分が劣っている」という事実から逃げていたんだろうな と思います。

「今いそがしい?」がうれしかった

逃げれば逃げるほど「行きづらいな」と思うようになって、さらに足が遠のいて……という負のループにはまってしまい 学内で顔を合わせることすら苦しく感じるときもありました。

そのときは自分のことしか考えられていなかったけれど、わたしは彼女を困らせていました。
演劇部に戻らせてもらって少ししたとき、「『どう考えているのか、わからない』っていう話をしてたんだよ」「同期が減って」と話してくれた彼女に、わたしはどれだけのことを一人で背負わせてしまっていたんだろう と改めて後悔しました。そしてこのとき、「わたしは、この人の役に立てるようになろう」と強く思いました。

そこから、「裏方を安心して任せてもらえるようになろう」と照明や音響を以前より、積極的にやれるようになりました。 2つ上の先輩が卒業公演をしたとき、「裏方やりたいです」と言えたことも、彼女のおかげだと思っています。先輩のことが大好きなのはもちろんなのだけど、「裏方完璧にやってみせてやる!」という変な意地がありました。


3年生になってから、わたしに「今、いそがしい?」とLINEをくれたことが何度かあります。「一緒にごはんいこう」「○○ってわかる?」といった何気ない内容だったのですが、ふとした時に声をかけてもらえるようになったんだ、と LINEが来るたびにすごくうれしかったです。


「一緒に追い出されような」

わたしのいた演劇部は、3年生の末が引退です。あと一週間遅かったら開催できなかった、それくらいの時期にわたしたちの学年は引退しました。

演劇部でのことも話をしてもらえるようになってはいたものの、「先輩らしいことできてないし、迷惑かけどおしだし、わたし引退公演に関わっていいのかな」とぎりぎりまで迷っていました。
「公演の裏方は精一杯やるけど、打上げは行かない方がいいのかな」と迷うわたしに彼女は「一緒に追い出されような。」と応えてくれました。

その時は、数カ月後から留学に行く予定だったこともあり「一緒に卒業できないなら、もう引退も諦めようかな」と自分を納得させようとしていました。でも、やっぱり「一緒に」と言ってもらったことに背中を押され、打ち上げに参加することができました。


引退してからも、一緒に同期の心配をしたり、先輩の誕生日をお祝いする計画をしたり、卒業公演の話をしたりと たくさん話をしました。

わたしの留学がなくなったとき、他団体で苦しい思いをしたとき、踏みとどまれたのは彼女のおかげです。


お母さんで姉ちゃんで、でもやっぱり同級生なあなたへ

「演劇部の同期、同じ専攻」で、いっぱい迷惑をかけてきました。
あなたが卒論合宿に誘ってくれなかったら、たぶん卒業できていません。授業のことを相談したとき、「あんたは悪くないよ」と言ってくれたことに何度救われたか分かりません。

アカペラ部の、大事な友人の命を守ってくれたこと。わたしの留学での夢がついえたとき、わたし以上に怒ってくれたこと。わたしがnoteをはじめたとき、「すごいね」ってあなたもnoteをはじめてくれたこと。

一緒に吉野や水族館で写真を撮ったこと。学校の近くでごはんを食べたこと。自習室で 隔離された席で卒論をやったこと。うちに泊まりに来てくれて一緒にamong usの配信に参加したこと。

書き出すときりがないくらい、もっともっと楽しかった思い出があります。
一緒にいさせてくれてありがとう。

わたしは、あなたが思ってるよりきっと、ずっとずっとあなたがすきです。


あたし、幸せだよ。あなたの同期でよかった。

きっとすぐに、海を越えて会いに行くね。

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