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JRAから学ぶアフターデジタル

コロナウイルスで様々なスポーツ興業が中止や延期を余儀なくされる中、一部移動の制限などを行いながらも競馬は続いている。JRAの開催は元より、地方競馬も各地で開催され続けていて、前年比の売り上げを超えている開催などもチラホラ聞こえてくる。

他の娯楽が少ない中でお金が流れているのだと考えられる<p style="text-decoration:line=through;">(在宅勤務で買う時間がある人が増えた)</p>が、早くから競馬場やWINSという施設を維持し続けながらも電話投票やネット投票を広げてきたことが土台になってのもの。ネット投票は競馬場やWINSがない地域の人が馬券を買うためにファミコンの時代から導入されていた。インフラが整ったのか、競馬場やWINSがある地域にも徐々に解放されていった。スーパーファミコンでも投票機はあったし、ガラケーでも購入できた。地方競馬は楽天のおかげで一気にネット購入が進んだところだが、JRAはまさにアフターデジタルを地で行く会社だったと言えるのではないだろうか(汗)。これはきっとまだ誰も言ってないぞ!

元々ネット投票比率は7割ほどであったと記事に書いてあったのを見かけた。ネット口座がありながらも時々現地やWINSで購入してたファンも多かっただろうので、最も有名なレースの1つであるダービーの売り上げが9割以上維持できたというのは素晴らしいことだと思う。

これがあるから開催を続けることが可能であり、賞金が減額されることもなく、生き物で維持費がかかる競走馬を馬主もすぐに手放したりなどせずに済むというもの。

競馬場で丁寧にネット投票の申し込みなどを説明していることもあったが、まさにこういう事態を予想してセーフティーネットを巡らしていたのではないか。

行ったことがない人はぜひ東京競馬場に行ってみてほしい。スタンドの外観や見渡す限り芝生が広がる本馬場、鉄火場のイメージからは想像できないカフェコーナーなどもある。普段はネットで買いながらも、大観衆のスタンドと地鳴りのような歓声がゴール前に響くリアルな感動を味わいたくてまた競馬場に行く理由がわかってもらえるかもしれない。

そういう意味だとJRAがグリーンチャンネルを無料化しないのは、リアルを捨てない為なのかもしれない。完全オンライン競馬場になった暁にはグリーンチャンネルが無料になってしまうのかも(無観客競馬開催の今は無料だし)

余談だが阪神競馬場の公式Twitterは無観客ながらも非常に工夫して現地の様子を伺えるような発信をしてくれていたし、大阪杯後のムービーは感動すら覚えた。謎のコラボで迷走してるような時もあるがそらすら演出で、非常にデジタルが強い会社なのかもしれない。

アフターコロナの答えは競馬場に客が戻るかを見ていればわかる・・・かも。え!?中山競馬場?あそこは鉄火場ですから初めての方は是非府中(東京競馬場)へ。

無観客春クラシックの珍事

さて、無観客で行われ続けた春のクラシック戦線が一段落した。桜花賞・オークスを制したデアリングタクト、皐月賞・ダービーを制したコントレイルと今年はアベック2冠馬が誕生し3冠にリーチをかけた。しかも両馬共に無敗のおまけつきである。牡牝アベック2冠馬が誕生したのは2003年のネオユニヴァースとスティルインラブ以来で、牡馬の無敗2冠馬はコントレイルの父ディープインパクト以来15年ぶり、牝馬の無敗2冠馬はミスオンワード以来63年ぶりとの事。無敗2冠馬が同時に誕生したのは史上初めてと思われる。オリンピックイヤーにめでたい話になるところが、延期になった年におきためでたく珍しい話になった。

この2頭が3冠馬になって相まみえるであろう秋が楽しみだし、そこにアーモンドアイ等の古馬の強豪がぶつかって近年にない盛り上がりが起こるかもしれない。

何故競走馬は「強い」なのか

競馬をあまり見ない人がレースを見ると、みんな「あの馬は速いの?」と聞く。競馬では競走馬をあまり「速い」と表現しない。勿論スタートが「速い」とかいう表現はあるのだが、たとえ1200mのスプリント戦でも勝者には「強い」の表現が使われることが多い。

正式な説を調べてみてもすぐには見当たらないのだが、競走馬は「速く走る」為に様々なトレーニングを受ける。

生まれて数か月で母馬から引き離され、自分の体に異物(馬具)を括りつけられ、トレーニングを続けられ生まれて2年ちょっとで競走馬としてレースに出る。自身の体重の1割程の重さの「人」を背負いながら自分の走りたいように走ることは叶わず「人」の命令に従う。

そんな彼らが乗り越えてきたもの全ての結果がレースに結びついているものであって、表現としては「強い」が使われるのだと思っている。

「速い」とか「便利」だけではない「強い」サービスを作るためにお仕事頑張りたいものです。


サポート大変感謝申し上げます。これからも頑張ります。