朝目覚めると、親にレズがバレていた

朝起きると、母にレズがバレていた。
いや、バレているかも…？　ほぼ確実にバレている。
このピンチを切り抜ける、いいアイディアをお持ちの方がいれば、ぜひご鞭撻いただきたい。

ことの始まりはこう、
朝7時、寝ぼけ眼で携帯チェック。
父と妹から、夜中に大量メッセージが入っていると気がついた。
その内容を見た私の恐怖心は、この世にあるすべての単語を使っても表現できはしない。

【賃貸契約更新の書類から、彼女の名前がバレた】

まず父からのライン。

深夜0時23分。どんだけあわててたねん。

なぜこんなことになったのか？
実は、今月は6年住んでいるアパートの契約更新月。
2年前から大家さんに許諾をもらい、彼女と同棲していた。
家賃は私が払っているが、契約者は父のため実家に契約書が送付。
住居者欄に私の名前以外に彼女の名前も書かれていたので、
親がパニックになってしまったのだ。

そして、妹からのライン。

妹が言う「それ」とは、私が女性と付き合ってるということ。
妹には去年カミングアウト済みで、父にははっきりと彼女がいると伝えたことはないが、昔から私が女性が好きだと気がついており、そっとしておいてくれた。
もっと言えば、父に「女友達と一緒に暮らしたい。契約者の承認が必要なのでサインして欲しい」とお願いしていたので、私が女性と同居していたのは知っていたのである。

つまり、父は母の手前、私の同棲を初めて知ったフリをして例のラインを送り、妹を通して「気にしないでね」とメッセージを送ってきてくれたのだ。
なんとかありがたい。そして、母だけがパニクっている。

はあ。
昨日酔っ払って、彼女に即興のおっぱいの歌を歌って聞かせていた自分を殴ってやりたい。のんきにそんな歌を熱唱してる場合じゃないんだよあんた。

とりあえず、父からのラインをスルーしていると、
とうとうボス母から直接ラインがきた。

【母は同性愛者が大嫌い】

このあわってぷりである。もう痛々しい。
母だけが真相をハッキリと知らされず、もしやと思って慌てているのだ。
このLINEだけを見ると、娘が知らぬ人と同居していることを心配している母に見えるが、そうではない。母は、明らかに私が女性と付き合っているかどうかを心配している。

そう確信するには理由がある。
以前、どこの噂で聞いたか知らないが、急に「誰と付き合ってるの？　男だよね？　名前は？」と詮索してきた。

この母、レズやゲイが大嫌いなのだ。
テレビで同性愛者を見れば「気持ち悪い」と、
ムカデ人間を見て吐き気をこらえるような顔で感想をつぶやき、
「お前は頼むからレズになるな、孫の顔が見たい」と１０代の頃からせがまれたものである。

この頃から…私が女性が好きだと薄々気がついているのでは？？

家族の中で、頑なに母だけが、私が女性も好きだと信じたがらなかったのである。

母は‥娘が同性愛者であることを怖がっている。

そんな母に、同性の恋人と同棲しますなんて、可哀想すぎて言えやしない。
父からのLINEも、母が送れと促したのだろうと、わたしがコナンじゃなくても推測がつく。

そんな母に正直に「それね！　彼女と住んでるんだ！」なんて言ったら、今すぐ飛行機に乗って東京まで飛んできかねない。

こんなとき、誰かいい切り抜け方を知っている方がいれば、是非教えて欲しい。
わたしも、ありの～ままの～と叫んで親元を飛び出したいよ。