見出し画像

静寂のルールダービーで知る、確かなクオリティの差。【レビュー】【Bundesliga2019/2020第26節】ドルトムントvsシャルケ

どーもあぐおです!

待ちに待った再開ですね!!

ということで、今回取り上げる試合はこちら
Bundesliga2019/2020第26節
ドルトムントvsシャルケです!


COVID-19と向き合っていく

ルールダービー。

言うまでもなく、伝統の一戦である。
サポーター達の熱気に包まれ、チャントが割れんばかりに鳴り響くはずのダービー戦!…しかし、この試合で響いたのは、指示の声とボールの音でした。

コロナに関するルールを全て理解しているわけではないので、網羅することは難しいのですが、紹介されていたものを中心に簡単に以下に記します。


・無観客
・5人交代(但し交代回数は3回まで)
・ボールボーイ4人
・ロッカールーム30〜40分まで
・ケータリングは禁止
・握手なし
・エスコートキッズなし
・会見はリモート


と言った具合ねす。
特に交代に関してはかなりの変更なので、これを各チームがどのように活かすのか、または活かさないのか、一つ注目する点になりますね!


フォーメーション

(左の黄色)ドルトムント:3-4-3
(右の青色)シャルケ:3-4-3

両者ともに3-4-3を採用。
下の図で、両者の噛み合わせを見てみましょう!

ご覧の通り(すみません、ブラントがトティボになってますね…)、全ての選手がマンツーで噛み合った状態ですね。こうなると、このまま丁寧にビルドアップすることは難しい。加えて、最終ラインはお互いに同数なので、何か工夫が生まれる予感ですね!


簡単なゲームモデル

【ドルトムント】
ボール保持
→サイド中心にロングカウンター主体
→相手の二列目の背後をとる
ネガトラ
→即時奪回、囲い込む
ボール非保持
→5-4-1
→下げた時には一列目から当てていく
ポジトラ
→カウンター

【シャルケ】
ボール保持
→つなぎたいようだが、、
ネガトラ
→高い位置での即時奪回
ボール非保持
→ハイプレス
→押し込まれたら5-4-1
ポジトラ
→丁寧につな、、ぎたいはず


試合内容&解説

静かなルールダービー。

無観客だから、ということだけではない。
中々練習できていないためプレー強度がどうしても上がりきらなかった。それゆえ、久々に結果のわからない試合が観れるというドキドキ感を差し引いても、ほんの少しだけ物足りなさを感じざるを得なかっただろう。
だがそれでもドルトムントはシャルケより一枚も二枚も上手であることを証明できた。4-0という結果は当然である。

…ちょっとカッコつけた文章でいきました笑

立ち上がりから、シャルケはプレスの噛み合わせを考えたフォーメーションのため、ハイプレスでボールを奪いにいきます。

対して、ドルトムントはハイプレスではなく、センターサークルの頭くらいまでは引き込む形を取りました。これはおそらく、ホーランドというエースストライカーが前線にいるからですね。彼は背後への動きでより違いを作れます。

両者のこの試合での戦い方は理解できました。しかし、シャルケ側の誤算として、「選手の質の低さ」が挙げられます。トレーニング不足だからか、良い形で奪ってもパスが繋がらない。ことごとくカウンターを喰らう形となってしまいました。。。

一方で、ドルトムントはしっかりと幅をとり、かつ、少ないタッチで(時にはダイレクトで)ボールを運びました。その度にシャルケの選手は釣り出され、後手を踏み、大きなピンチを招くことになります。

後半、シャルケはしっかりとラインを上げてハイプレスの質を上げようとするものの、カウンターから3-0にされます。
すぐさま、シャルケは4-4-2のダイヤモンドに変更。(すみません、これもブラントがトティボです…)

中盤の人数を増やし、ボール保持をしやすいように整備しました。守備時に5-4-1になるドルトムントとの噛み合わせは以下の通りです。ギャップに立ちやすくなり、二列目の背後で受けるシーンも増えました。

しかし、守備時、ダイヤモンドの外側(SB)に運ばれたボールに対してはプレスもうまくいかなくなってしまいます。また、中央でボールは奪えるものの、選手の質が低く、ズレる、収まらない、の連続でした。

結果、4-0でドルトムントの快勝。
ホーランドはもちろん、アザールやブラントも素晴らしく、ゲレイロやハキミの両ウイングも躍動し、守備もしっかりとクリーンシートで試合を終えることができましたね!


☆あぐお's Pick up point☆

さて、今回ご紹介するポイントはこちら!

ホーランドの1点目です!
いやぁ、これは3バック(もしくは5バック)を崩すための教科書みたいな動きですね。

フンメルスから少し後ろにズレたボールをピシュチェクが受けてからのシーンです。アリを内側へのドリブルでかわし、ハーフスペースにおりてきたブラントにつけました。

この場面での注目点は3つ
①ハキミがいたずらに前に上がらず、ピシュチェクからのパスを受けやすい角度で待つこと。
→これにより、オツィプカが釣り出され、WBの裏が空きます。
②ブラントがハーフスペースにいるハーフディフェンダー(HV:ハルプフェアタイディガー)を釣り出したことで背後のスペースを空ける
③アザールがフリー

もちろん、この後アザールは空いたスペースに抜け出します。

ブラントがワンタッチで見事に背後に通しました。こうなると、誰も出れないので、CBはホーランドに点を取られないことを意識しますが、アザールがワンタッチのタイミングで入れたことにより間に合わず、見事にホーランドがゴールを奪う形になりました。

ワンタッチの重要性を改めて学べますね!

以下、シャルケの解決策です。

③のアザールがフリーに関して、シャルケのボランチの2人が意味もなく背後を取られてしまっているので、どちらかが、マークにつくべきでした。

ただ、これに関しては、本来マンツーマン気味で対応できるフォーメーションの噛み合わせということを考えると、背後は常に意識してなくてはならないとはいえ、この2人のタスクは、ドルトムントのボランチ2枚を見ることだったと思われます。
つまり、あえてアザールはこの位置まで来たことで、局地的な数的優位を作り出し、見事に背後を取っているのです。

シャルケ側としては、サネがアザールの動きにいち早く気づき、スペースを埋めにいき、大外のゲレイロを捨ててよいので、ディフェンスラインでのスライドが必須でした。

一般的に5枚も守備ラインがいれば、5レーン全て対応できると思われがちですが、抜けたところを埋める、スペースを埋める、こういったことはフォーメーション関係なく必須ですね、


総評

交代枠をフルに使い、トレーニングできない分をフレッシュな選手で補うのかと考えていたが、そういうわけではありませんでした。
確かに、普段試合に出れない選手が高いクオリティを備えていることは珍しく、またコンディションにもバラつきがある中で、枠が増えたからとはいえ、闇雲に出場させるわけにもいかないのでしょう。

それにしても、燃費よく、かつ威力のあるロングカウンターを備えていたドルトムントは素晴らしかったです。加えて、プレスをかい潜るためのワンタッチでの繋ぎもテンポ良く、スピード感もあり見応えがありました。

シャルケは、質を上げていく部分もそうですし、まだ持って探す時間が長いので、テンポ良く回すことでボール保持が効果的になるように思われます。


長くなりましたが、
ドルトムントvsシャルケは4-0でドルトムントの快勝です。

久々の結果のわからない試合観戦はやはり楽しいですね!
サッカー好きの皆さん!
再開したフットボールライフを楽しんでいきましょ!

ではまた!

次回もお楽しみに!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?