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AGRIBUDDYで働こうか迷っている方へ

以前にもブログの中で少し書かせてもらったのですが、8/17(土)を持って2か月半のAGRIBUDDYでのインターンシップを終了させていただきました。
(8/19(月)にもあいさつに行かせていただいたのですが、インターンシップとしては土曜日に終了させていただきました。)

本当に色々なことを学ばせていただいて、新しい発見と刺激に満ちた2か月半でした。
受け入れてくださったAGRIBUDDY、社長の北浦健伍さん、Managing DirectorのPakkには感謝してもしきれません。来れて良かったの一言に尽きます。僕の考え方や将来についての考え方も本当に新しくされました。
続けてAGRIBUDDYの働きが拡大されることを祈っていきたいと思っています。


このブログではインターンシップで学べたことのトップ3を書いていこうと思います。
AGRIBUDDYでのインターンシップを悩んでいる人やAGRIBUDDYに就職することを迷っている人たちの助けになれば幸いです。

1、 多国籍&スタートアップの企業で働くことの面白さと難しさ
2、 カンボジアの農家のために働くということ
3、 コミュニケーション


1、 多国籍&スタートアップの企業で働くことの面白さと難しさ

多国籍&スタートアップという二つの事柄をまとめてしまったのには理由があります。
多国籍企業で働くこと、スタートアップで働くことはどちらも大変です。ですが、多国籍&スタートアップで働くと、「幾多の問題をバックグラウンドの異なる考え方の違う人たちと迅速に解決する」という至極困難な課題に変貌します。

実際、カンボジア人とフィリピンの上司と働かせてもらって一番難しさを感じた部分がそこでした。
ロジカルに話せば伝わるだろうと勝手に思っていたのですが、20年30年かけて見てきたものが異なるわけですから価値観も異なるし、働き方や考え方も異なります。日本人ならなんとなくで伝わる部分(ニュアンスや共通文脈等)をコストをかけて話していかなければなりません。
日本人は日本人の頭で価値観でプロジェクトのロジックを組み上げていきます。カンボジア人はカンボジア人の頭で価値観でロジックを組み上げます。注意しておかないと、日本人にとっては気持ち悪い仕組みが出来上がってしまいます。
日本人にとって気持ち悪いのが良いか悪いかは別として、インターンシップの最中でもっそのような問題は見受けられました。

しかし、問題や課題は私たちのコミュニケーションのことを待ってはくれないので、コミュニケーションの問題を解決しながら(すぐに解決が出来るわけはないので)、新しく出てくる課題の解決にも当たらなければなりません。


毎日全力疾走しているような感覚があります。

もちろん大変だということは十分承知しているのですが、僕はこの疾走感が楽しいと感じました。
世界中から人が集まって一つのことを解決するために必死になって働いているという環境はこのようなところでしか得られない貴重な経験でした。
もちろん英語が未熟な僕にとっては伝えきれなくてストレスをためることが多くありました。しかし、それ以上にこの環境にいることがたまらなく楽しかったです。

以前にブログの中で一度書いたのですが、僕にとっては衝撃的なエピソードだったのでもう一度このブログにも書いておこうと思います。

僕がインターンシップを初めて少ししてからフィリピン人のVinceがHRのGroup Head としてAGRIBUDDYに来ました。
その時は単に多国籍化が進むということで喜んでいたのですが、後々健伍さんから彼を雇った理由を聞いて驚きました。もちろん彼が優秀であることは間違いないのですが、彼を採用した大きな要因は「彼がフィリピン人だから」です。
カンボジア人と日本人だけだと真面目過ぎて湧き出てくる問題に疲弊してしまうことになってしまいます。そこで国民性として陽気なフィリピン人を採用することでオフィスに新しい空気を入れることにしたそうです。

面白い

日本にいたら絶対に体験できないことでした。多国籍企業では普通のことなのだそうですが、国民性なんて考えたこともなかったので、その話を聞いた時に何か新しい発見をした子どものようにテンションが上がったことを鮮明に覚えています。

ぜひAGRIBUDDYで働いてみてください。日本にいたら気付けない発見が毎日できます。


2、 カンボジアの農家のために働くということ

AGRIBUDDYでインターンシップを始める前はカンボジアの農家は本当に一生懸命働いているのに中間業者に叩かれたり、良い市場を見つけられないために貧しさの中に甘んじているんだと想像していました。
だからAGRIBUDDYのことを聞いた時に「これだ!」と思いましたし、カンボジアの農家はほとんど加入するに違いないと勝手に思っていました。

しかし、AGRIBUDDYに来て1か月強を農地で過ごして気づいたことがありました。

「これは単に農業の問題じゃなくて、教育レベルの問題なんだ」

農業技術が広まれば、農機具がいきわたれば、良い肥料を手に入れることができれば、農家の生活レベルが上がると思っていました。
でも実際に目の当たりにしたのはその前のレベルにいる農家の姿でした。

「言っていることが分からない」

言っていることは理解されないですし(カンボジア人で成績を上げているスタッフが話した場合でも)かえって疑って怒る人も出てくる始末。
説明の途中で変える人がいるし、子どもと遊び始める人はたくさんいるし、言ってもどうやら分かっていないし…

農家に説明して理解してもらって登録してもらうという単純な作業が想像していた10倍は大変でした。

「これが教育を受けていない人なんだな。」

初めて教育を受けていない人に会いました。初めて抽象概念がほとんど分からない人に出会いました。本当に衝撃的な出会いでした。
僕みたいに途上国支援に興味がある人は、教育を受けたことが無い人に会ったことがないんだと思います。でも健伍さんに聞くと日本にもそのような人たちはたくさんいると聞きました。自分の中できれいな世界を描きすぎていた。勉強すれば頭が良くなるのはエリートのマッチョ思考なのだと気が付きました。

じゃあ、AGRIBUDDYはどうやってその問題を解決しているのか

1、 感情をつかむ
2、 仕組みにしてしまい非属人化をはかる

感情をつかむことに関しては成功体験をいかに提供するかということです。村の中でも影響力のある人に成功体験(お金をもらう経験)を与えることで村全体にAGRIBUDDYに対してポジティブな感情を広げていくということです。
今年からCrop Collection(農家からの買い取り)が始まるのでこの点はこのシーズンで大きく改善されて前に進むことが出来ると思っています。

2つ目の仕組みにしてしまって非属人化を図るということですが、途上国でビジネスをするなら必須事項だと感じています。
なぜか、一つには人的資源が非常に限られているということがあると思います。途上国では絶大な教育格差があります。それは農家だけではなく、オフィスで働くスタッフにも同じことが当てはまります。日本では企業の中の一番下に位置する人もトップに位置する人でもあまり教育格差はありませんし、話は通じると思います。しかし、途上国(特にカンボジア)ではそうはいきません。非属人化を図らなければ回していくことは困難です。
コミュニケーションコストをいかに削減していくかがポイントになってくると思っています。
また、ビジネスはどれもそうなのかもしれませんが、途上国では特に欲求を別の形で満たすことが大切だと感じました。
具体例を出すと、インドタクシーはぼったくりが横行していたそうですが、ウーバーが導入されてからぼったくりが劇的に減ったそうです。それは単にアプリによって管理されているからではありません。彼らは乗客が下りるときに「5starを付けてくれ」と頼みます。
つまり、お金が欲しいという欲求をシステムで満たしつつ5starが欲しいというよりポジティブなものに変えたのです。
AGRIBUDDYも同様にカンボジアの農家の生活を向上させたいと思っています。残念ながら教育レベルの向上を待っている時間はないので、これらを仕組みにしてしまう必要があります。今、だんだん形になってきて、今までやりたかったことが本当の意味でスタートしようとしています。


+ちょっと補足
カンボジア人は多くの人がマズローのグラフで言うと承認欲求を求める段階にあります。
高い車を買うことで誰かに認められたい。金の時計をつけることで誰かに褒めてもらいたい。

もちろんそれは悪いことではないと思いますが、彼らは自分たちのセーフティーネットを確立する前にそちらに手を出します。借金をしてでもブランドを買います。馬鹿にされたくない!という思いが強いのかもしれません。
教育レベルのせいと言われればそうなのかもしれませんが、誤解を恐れずに言うと、彼らにも大きな責任があると思っています。

貧しい人たちには貧しいなりの理由があるんだと気が付きました。
ちょっといじめっ子の発想に近い部分があるのであまり言いたくないのですが、単なるかわいそうな人ではないのは事実だと思います。
その点ははっきりと分かっていないと途上国のビジネスは難しいと思います。

AGRIBUDDYの強みの一つに社長である北浦健伍さんが現場のこの状況のことをよく理解していることがあると思います。
日本で金融をしてからのカンボジアでのビジネスという異色なキャリアですが、日本でも教育を十分に受けられていなかった人や貧しい人たちを相手にビジネスをした経験があるので、非常に彼らの性格(社会的層としての性格)に詳しいです。
本当に多くのことを教えてもらいました。


3、 コミュニケーション

長くなってしまいましたが、もう少し辛抱してください。

最後はコミュニケーションです。
コミュニケーションの大切さなんて、僕よりも皆さんの方が良くご存知だと思います。でもこのインターンシップの全てがこれに紐ついていたと思います。
健伍さんからもコミュニケーションを鍛えた方がいいとアドバイスをもらってたくさん機会をいただきました。その全てを生かせなかったことに後悔していますが、本当にありがたかったです。

バックグラウンドが違うので10を話しても1も理解してもらえないこともあります。(単に僕のコミュニケーション力の問題や、別に日本でも容易に起こる問題もあると思います)
その分どう話すのか、誰から話すのか、誰に話を通しておくのかが大切なのだと自分の失敗や経験を通して理解することが出来ました。

提案→交渉→実行の手順を踏むこと。交渉で落とし所を見つけること。相手に悪い気持ちを持たせないこと。常に何をしたいのかは理解しておくこと。

すごく当たり前のことなのですが、重要性に改めて気づかされました。


と、支離滅裂な文章になりましたが、本当に多くのことを学べたということをお伝えしたかったです。
インターンシップに来るか迷っている方、僕はきて後悔することはないとお伝えしたいです。本当に色々なことが凝縮されている会社です。

ぜひ来てください。特に今は「日本人」の手が必要なフェイズになっていると思います。
メンテナンスが必要な時期だと思います。ぜひインターンシップをしてみてください。


p.s.

AGRIBUDDYと社長の北浦健伍さん。本当にお世話になりました。
感謝しかありません。

ここで学んだことを形にできるようにこれからも必死に前に進んでいきたいと思っています。

ありがとうございました。


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