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流通量1%未満!幻の豚でつくるハンバーグ誕生秘話(3)

農業のチャレンジを紹介するアグリノート。

前回に引き続き、花咲牧場が挑む、幻の極上豚「SUPER 9」を使ったハンバーグづくりを取材しています。
前回までの話はこちらをご覧ください。

第3話は、遂に「SUPER 9」100%でのハンバーグ作りに突入
土屋さんが、ハンバーグづくりの協力を依頼したのは、
山形県酒田市にある『サカタフーズ』でした。

土屋さん:以前からサカタフーズは知っていました。大変美味しいハンバーグをつくるところだと感じていたので、SUPER 9のハンバーグづくりを検討したときに、依頼するならここしかないと思っていました。

ハンバーグづくりはサカタフーズで行うことにした土屋さん(花咲牧場)

そこで、サカタフーズの池田さんにお話を伺いました。


世界が認めるハンバーグ加工のプロが山形いた!

—— サカタフーズについて教えていただけますか?

はい、弊社はハンバーグやつくね、肉だんご、チャーシューなど、食肉加工製品を製造しています。1983年の創業以来「人に優しい味」を目指して、保存料・着色料・化学調味料を使用しない食品づくりを続けてきました。

2023年には、世界最高レベルといわれる食品品評会「DLG(ドイツ農業協会)コンテスト」に初出品しまして、
ハンバーグやチャーシュー、肉だんごなど4商品が最高賞の「金賞」を受賞しました。

オンラインでお話を伺った池田さん(サカタフーズ)

—— 世界最高賞を受賞しているんですね!それはすごい!ハンバーグといえば牛と豚の合挽肉のイメージですが、豚肉100%というのは難しくなかったですか?

実は、弊社がある山形県の酒田市は、県内の中でも豚肉の文化が根強い地域なんです。県の郷土料理「芋煮」を作る際も、多くの地域では牛肉を使うところを酒田市は豚肉を使うほどですから。
そのような地域性に加え、豚肉100%ハンバーグの製造実績もあり、どうすれば美味しいハンバーグをつくれるのか、そのノウハウは持っていました。

—— そうだったんですね。ハンバーグづくりを始めたのはいつからですか?

2000年からです。これまで20年以上かけて“豚だけ“ “牛だけ“ “合い挽き“と、肉のどこの部位が一番ハンバーグ作りに適しているか研究を重ねてきました。

素材本来の味わいで勝負するハンバーグ

—— 今回「SUPER 9」のハンバーグの依頼を受けて、いかがでしたか?

極上の豚肉だけが選別されていることが初めてのことで、驚きました。
弊社では、素材本来の味を活かした製造方法にこだわり、調味料も塩、胡椒、ナツメグの3種類だけ。そのため肉の味わいがハンバーグの出来に直結します。製造を担当する職人に話を聞くと、「肉質が素晴らしい!」と評判でした。

—— こだわった点はどこですか?

使用する部位です。同じ豚からとれる肉でも部位によって食感や味が違います。これまでいろいろと試してきた蓄積の中で、よく動かす肩肉が筋肉と脂肪のバランスが丁度よく、ハンバーグに向いているだろうと検討をつけていました。
試作の段階では、もも肉を混ぜたものも作ってみたのですが、やっぱり肩肉100%が美味しい!となりました。

—— 使う部位で味が変わるんですね。

豚肉は牛肉と比べてあっさりしているので、食べ応えが少なくなるのでは、と思われがちです。適切な部位と加工方法によって、豚肉ならではの甘みのある美味しいハンバーグができます。

—— ほかにもこだわりがありそうですね!

はい。ハンバーグには調味料のほかに、国産の玉ねぎが入っています。
玉ねぎは季節によって水分量が異なるので、その日の状態を見極め、最終的には職人が経験値を頼りにカット、ローストして生地に混ぜています。

—— 最後は職人の技がいきているんですね。出来上がったSUPER 9のハンバーグは、どんな仕上がりですか?

肉の旨味が感じられるだけでなく、特に脂の甘味が強いことが特徴のように感じました。私もとても良いものができたと思っていますので、多くの人に味わっていただきたいです。

世界が認める職人も納得の出来栄え!
「SUPER 9」のハンバーグが完成しました。

出来上がった商品を手に、土屋さんは
あの高級百貨店のレストランに足を運びます。

果たしてSUPE 9のハンバーグは、
一流料理人の舌を唸らすことができるのか?


ついに次回、最終回です!

(つづく)