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「お天道様には逆らえない」リカバリーに汗

(2022年8月19日)

 午前5時、まだ薄暗い。風が木々を激しく揺らし、雨粒が屋根をたたく音で目が覚めた。「今日は雨か」。出勤前に野菜の収穫をしようと考えていたのだが、あきらめて二度寝。次に目覚めたときには、夏の日差しが照り付けていた。

スイートコーン、風で倒伏(-_-;)

 夕方、気になって、2週間前に定植した、スイートコーンの畑に行った。なんと、丈が50センチほどに育ったスイートコーンのほとんどが倒伏している。このまま放っておくと、次第に枯れてしまうのではないか。リカバリーを試みる。

 倒伏した茎の根本部分を見てみると、折れてはいない。何とか復活してほしいとの思いを込め、一本一本起こし、根元に土を寄せる。次の風に備え、周囲に支柱を立て、紐を張って、倒伏予防を施した。

自然相手 さまざまなリスク

 野菜作りは障壁が多い。害虫・鳥獣、病気、生理障害…。そして、雨、日照り、渇水、風などの気象条件。丹精して育てた野菜が、大雨や暴風などで、腐ったり、倒れたり、落下したりと、壊滅することもある。リスクの大きい職業だと実感する。

 今年はスイートコーンを5回に分けて植えた。春植えは、春先の低温で、発芽させるのに苦労する。5、6月に種まきしたものは、7、8月に害虫が大量発生する。そして、今、育てている秋収穫予定のスイートコーン。害虫は少なくなるそうだが、難敵は台風だ。いかに、倒伏させずに育てられるかがポイントだと、農業指導員の方に教えてもらった。

 台風や大雨のさ中、田んぼの様子を見に行って、川や水路に流されて亡くなるというニュースをよく聞く。「なんで、こんな大雨の中を田んぼに行くのだろう」と思ってはいたが、農業を始めてみて、その気持ちは少しわかる。育ててきた作物が、風雨の中でどのような状況に陥っているのか、確かめずにはいられないのだ。

抗わず順応し対策

 「お天道様には逆らえない」。特に露地栽培では、気象条件を受け入れたうえで、対策を講じるほかない。日照りが続けばこまめに潅水し、倒伏防止で支柱を立て、水はけのよい土に土壌改良する。その土地の気象条件にあった種や苗を植えるのも、適地適作で重要なこと。抗うのではなく、順応しつつ、対策を取るといったところだろう。

 種まきから収穫まで2~3カ月。困難を乗り越えて収穫できた喜びは、格別だろう、と考えつつ、今日はビールを飲もう!

(あぐりげんき通信)

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