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「コンテナ」は20世紀最大の発明?!基礎知識から不足問題まで解説

「コンテナ」は貿易するうえで欠かすことのできない物です。
20世紀最大の発明のひとつとまで言われているコンテナについて、今回はご紹介します。

コンテナとは?

コンテナとは一般的に「箱・入れ物」という意味があります。
貿易におけるコンテナもおおまかに言えば「箱・入れ物」ですが、どのように使用される物なのでしょうか。


どういった時に必要?

コンテナは海上輸送(船での運搬)の際に必要となります。
スピード感から飛行機での空輸が主流と思われがちですが、実は船で運搬する方が多く9割以上を海上輸送が占めています。
その一番の理由は積載量にあります。海上輸送の場合、最大級の航空機に比べ約500倍の貨物を運ぶことができます。
しかし、それだけの貨物を船に積み下ろしするのは重労働です。
そこで、コンテナが役立ちます。

コンテナのメリット

コンテナの種類はいくつかありますが、全て規格は世界共通です。
そのため、どんな形状や重量の荷物でもコンテナに入れることでサイズが揃います。
それだけでもいくつかのメリットが得られます。

・安定して船に積み上げることができる
・海上輸送前後の陸運も世界共通規格で運搬できる
・複数の荷物がひとつのコンテナとして積み下ろしができる

だれが所有している?

コンテナは主に海運会社やNVOCCが所有しており、荷主に貸し出しています。
荷主はコンテナに荷物を載せ、目的地に荷物が到着したらコンテナを返却します。

NVOCC・・・「Non Vessel Operating Common Carrier(非船舶運航業者)」の略。荷主と輸送業者を仲介する業者。

種類がいくつもある?

●ドライコンテナ
「コンテナ」として認知されている最も一般的なコンテナ。
常温で運搬しても問題ない荷物は、ほとんどドライコンテナが使われる。

●リーファーコンテナ
冷凍や冷蔵に適したコンテナ。生鮮食品、ワイン、フィルム、医薬品などで利用されることが多い。
壁面に断熱材などが用いられ、エアコンの装備がされているため約-25℃~+25℃までの温度管理が可能。

●オープントップコンテナ
屋根部分を開くことができるコンテナ。
コンテナの高さを超える大型の荷物や、ドアから出し入れしにくい鉄鋼製品などをクレーンで積み込むことができる。屋根部分はキャンバスなどで覆い、水の侵入を防止することも可能。

●フラットラックコンテナ
オープントップコンテナから側面の壁も取り除いたコンテナ。(屋根、側面の3面がない状態)
コンテナの高さと幅を超えた建設機器や木材、鋼材などを輸送するときに用いられる。

●タンクコンテナ
円筒状のタンクを備えたコンテナ。
ジュース、ワイン、化学品、食用油などの液体やガス類を輸送する時に利用される。

●バルクコンテナ
一般的な仕様は、天井から流し入れることが可能になっていて、ドアの下部に取り出し用のハッチが装備されたコンテナ。
飼料や魚粉、モルトなど粉末や粒状の物を輸送するのに適している。


<コンテナのサイズ>

※種類によって天井がない物があるので高さは異なる(表はドライコンテナの高さ)

どうやって荷物をコンテナに載せる?

コンテナに荷物を載せる作業のことを「バンニング(vanning)」と言います。
逆に、コンテナから荷物を下ろす作業を「デバンニング(devanning)」と言います。

物を載せる方法は3つです。
①    人が手作業で積み込む・・・小さい荷物で用いられる方法
②    フォークリフトで積み込む・・・荷物を載せたパレットごと入れる方法
③    クレーンで積み込む・・・大きな荷物で用いられる方法

パレット・・・荷物を載せるための台。平パレットが代表的で「すのこ」のような形状をしている。差込口があり、その部分にフォークリフトのツメを差し込み、持ち上げることができる。

港に到着したコンテナは?

港の保税地域でコンテナは保管され、関税などの支払いを終えると荷物を引き取ることができます。

~関税についての記事はこちら~

船からコンテナを積み下ろしする際、「ガントリークレーン」と呼ばれる大きなクレーンが使われます。
ガントリークレーンでコンテナを下ろした後、手続きを終えると輸入者の倉庫などへ輸送されますが、ほとんどの場合トラックで運ばれます。
港からトラックで運ばれたコンテナは輸入者の倉庫などに届き、荷下ろし(デバンニング)されて、コンテナは所有者の元へ返されます。

トラックで運搬する際「シャーシ」と呼ばれる車輪が付いた台にコンテナを載せ、そのシャーシをトラクター(エンジンを備えた車両)で牽引する。
そのため、運転手は大型免許など自動車の種類に応じた運転免許とは別に「牽引免許」が必要となる。

コンテナが不足している?

現在、世界的なコンテナ不足が続いています。
きっかけとなったのは2019年末に始まった新型コロナウイルス(以下、コロナ)の流行です。
コロナ流行により各地でロックダウンなどの対策が行われ、物流が止まったり、通常よりも物流にかかる期間が長くなることに繋がりました。

ひとつの例ですが、このような状況が続くことで通常であれば2日で返ってくるコンテナが2週間してやっと返ってくるなど、何倍もの時間がかかることも発生しました。
 
コンテナを所有している海運会社やNVOCCは、新規コンテナを生産したり、港で滞留している空コンテナを回収するため臨時で船を運行したりと対策を進めています。
しかし、不足分を補うまでには至らずコンテナ不足が続いているのが現状です。

さいごに

世界的なコンテナ不足や価格高騰などの問題は、いまだ改善されていません。
そんな状況が続いているため、早めにコンテナをブッキングし、しっかり確保することは重要ですが、コンテナの適正量を見極めてキャンセルをなくすことも大切になります。
無駄なコンテナを減らすことで、少しでもコンテナ不足の解消に繋がるのではないでしょうか。
世界共通規格のコンテナが普及したことにより更に発展した物流業界、国際経済に影響を与える「コンテナ」に今後も注目が集まります。



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