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エッセイや詩、脚本を書いています。更新は自然の流れにまかせています。 https:/…

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エッセイや詩、脚本を書いています。更新は自然の流れにまかせています。 https://lit.link/agpha

マガジン

  • 地球ライフのエッセイ集

    感性で紡ぐ詩とエッセイ。

  • ショートフィルム脚本集

    短編映画の脚本をまとめています。

  • 好きなとこだけピンポイントで書くレビュー

    映画やドラマの好きなとこだけ。

最近の記事

#birthdaywishes

    • 2% is something (2%には意味がある)

      もうだいぶ経ってしまうけど、あるインスタグラムのアカウントで写真の女性のことを知った。アメリカのオーディション番組に出場した彼女はNightbirdeという名前のシンガーで、歌う前のトークで自身のことを語り、身体の数カ所にガンがあると言った。歌い始めると、彼女の透き通るような声と、詩的で率直な歌詞に皆が引き込まれるようだった。 彼女の歌う姿には清々しさがあって、自由そのものという感じだった。私はその姿に釘付けになった。内臓の一部がほとんどガンだというのに、こんなにクリアなオ

      • 『Amethyst』[Script Movie]

        この動画は長編作品の脚本の一部をイメージ化したものです。

        • 『君と』日韓ver. [Script Movie]

          この動画は短編映画の脚本をイメージ化したものです。

        #birthdaywishes

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        • 地球ライフのエッセイ集
          10本
        • ショートフィルム脚本集
          4本
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          13本

        記事

          私の“0→1”体験のすべて

          アイデアが出て来ても、形にするのが苦手だった。人がいないとか、お金がないとか。それでも、形にすること。それを“0→1”(ゼロイチ)と呼んで提案してくれた先輩がいた。とにかく今あるものでやってみること。ない、と思い込んでいる私にはかなりのチャレンジだった。 ないなりに、あるものはあった。コンセプトは“地球に降りて来た宇宙人”で、自分をモデルにした。ヘアメイクは友人がいる。映像のカメラマンは知り合いにいなかったけど、何度か写真を撮っていただいた方に思い切ってお願いしてみたら、快

          私の“0→1”体験のすべて

          Beside you [lyrics]

          Sit around the fire at the riverside Have a chocolat-chaud with guimauve Don’t get too focused on your way Nothing will run away from you Stop counting what you dislike Try to find what you love Don’t be so nervous, get some fresh air Ev

          Beside you [lyrics]

          『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』に学ぶミニマルな映画スタイル

          『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』は、香港ノワールの鬼才ジョニー・トー監督の香港・フランス合作映画。ロック歌手のジョニー・アリディがマフィアに襲われた娘の仇を討つ父親役を演じている。 マカオで夫と二人の息子と暮らしていたアイリーン。夫を狙って自宅を襲撃したマフィアの手先に息子たちも殺され、アイリーンも重傷を負う。奇跡的に一命を取り留めた娘に会いに、フランスから父親のコステロがやって来る。話すことはできず、コステロが指す新聞の文字で言葉を交わし、復讐を願うアイリーン。パリでレス

          『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』に学ぶミニマルな映画スタイル

          『霜花店』の愛のカタチ

          『霜花店 運命、その愛』は高麗時代末期を背景に、男色の王とその寵愛を受ける護衛隊長、王妃の三人が愛憎の果てに悲劇的な運命をたどる歴史物語。”霜花店”は貴族階級の性道徳を風刺した高麗時代の歌で、映画用にメロディーがつけられている。王のモデルは第31代恭愍王とされていて、元(モンゴル)の属国に甘んじず、高麗王朝の復権に努めたほか、芸術的な才能にも恵まれていた人物。王が実際に描いた『天山大猟図』という絵画が劇中で印象的に再現されていて、男色家で美少年を集めて護衛隊を置いていたこと、

          『霜花店』の愛のカタチ

          美味しいスクランブルエッグの作り方

          最近、ほぼ毎日スクランブルエッグを作っています。簡単で時間もかからず、あったかくて美味しすぎるスクランブルエッグ。毎日作っているうちに、ちょっとしたコツがわかってきました。スクランブルエッグを美味しく作るための私なりのささやかな工夫について、ちょっと書いてみます。 材料は、卵2個、ギー、ハーブソルト。私の作るスクランブルエッグはまろやかな甘みがあるんだけど、それはたぶんギーかな、と思っています。卵2個を小さなボウルに割り入れて、フォークでささっと溶きます。白身もフォークの先

          美味しいスクランブルエッグの作り方

          小笠原でイルカと泳いだ時の出来事

          もう何年も前のこと。いつだったかはっきり覚えていないけど、小笠原の父島に行った。イルカと泳いでみたいと思ったからだ。 フェリーで24時間かけて島に着き、コーヒー山の上にある手作りのロッジに泊まった。環境に負荷をかけないサステナブルなロッジで、自然の中にお邪魔させてもらうような宿だった。オーナーと話していて、まだ一度もシュノーケリングをやったことがないと言うと、それは練習しといたほうがいい、とのことで、ドルフィンスイムの予約を入れた前日に、ロッジのお兄さんに浅瀬で基本を教えて

          小笠原でイルカと泳いだ時の出来事

          『朝が来る』に映し出されるもの

          『朝が来る』は、独特な感性と視点で世界を魅了する河瀬直美監督が、ベストセラー作家の辻村深月さんの小説を映画化した作品。養子を迎えて平穏に暮らしていた夫婦の元に掛かってきた「子供を返してほしい」という一本の電話をきっかけに交差する、”二人の母親”と、その息子をめぐる物語。 不妊治療の末に特別養子縁組という制度を利用して息子を迎えた佐都子と清和の元に、子供の生みの親である、ひかりと名乗る女性が現れる。「子供を返してほしい」と言うその姿は、泣きながら息子を託した中学生とは全く別人

          『朝が来る』に映し出されるもの

          キンパを初めて食べた時に考えたこと

          友人の家で初めてキンパを食べた。キンパとは韓国の太巻きのこと。海苔に味がついているのが美味しいなと思って、友人に何の味か聞いたら胡麻油だと教えてくれた。その時に考えたこと。 太巻きとキンパの違いは、日本人と韓国人の違いに似ている。 見た目はほぼ同じ。食べたら味の違いがわかる。 日本人はきっと、あの酢飯がいいんだと思っている。 もっと言うと、酢を飯に仕込むからいいんだと思っている。 韓国の人はきっと、あの胡麻油がいいんだと思っている。 もっと言うと、胡麻油を海苔に塗

          キンパを初めて食べた時に考えたこと

          『狩りの時間』という寓話

          『狩りの時間』は、近未来の荒廃した韓国を舞台に、楽園の暮らしを夢見て現金強奪に挑んだ若者たちが冷酷な殺し屋に追われる姿を描いたクライム・スリラー映画。廃墟と化したソウルのディストピアな世界観と、容赦ないハンターに追われる無言の緊張感に引き込まれる作品です。 3年の刑期を終えて出所したジュンソクを幼馴染みのギフンとチャンホが出迎える。再会を祝いながら、服役中に聞いた南の島での仕事の話を二人に聞かせるジュンソク。もともと南の島で暮らすことに憧れていたジュンソクは、以前自分が犠牲

          『狩りの時間』という寓話

          ホドロフスキー監督に会いたいと思ってやれることを全てやったら会えた話

          この映画を観て、「監督に会いたい!」と思った私が何をしたか。その結果何が起きたか。こんなことが起きました。ちょっと書いてみます。 『ホドロフスキーのDUNE』を、私は東京国際映画祭のスクリーンで観た。当時は都内で映画制作のワークショップに通っていて、その講義の一環だった。私は先の記事にも書いたように、"DUNE"のプロジェクトチームのメンバーを集めるくだりでその成り行きに釘付けになった。 映画のエンドロールの後、その結末に感動した私は、強烈に「この人に会ってみたい」と思っ

          ホドロフスキー監督に会いたいと思ってやれることを全てやったら会えた話

          『ホドロフスキーのDUNE』が教えてくれること

          『ホドロフスキーのDUNE』は、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が壮大なSF小説『DUNE』を映画化しようとした時の実話を、アメリカのフランク・パヴィッチ監督が制作に関わった人や友人など、さまざまな立場の人々のインタビューを交えて追体験するようにまとめたドキュメンタリー映画。”未完成に終わったことで伝説になった”と言われた映画が二十数年を経て蘇るような、とてもエキサイティングな作品である。 ホドロフスキー監督はチリ出身で、メキシコに渡り前衛的な舞台を100以上制作した後、映

          『ホドロフスキーのDUNE』が教えてくれること

          『エレクション』が見せる闇の世界

          『エレクション』は香港ノワールの鬼才ジョニー・トー監督の作品で、香港を拠点とする中国最大のマフィア組織”三合会“を舞台に、2年に一度行われる選挙で会長の座をめぐって繰り広げられる手段を選ばない争いを描く。原題は『黑社會』。 “三合会”は、満州族の王朝だった清を打倒して漢民族の王朝を復興するために17世紀頃に結成された秘密結社。洪門会とも呼ばれていて、映画ではその名前でも出てくる。 20世紀になって拠点が香港と海外に移され、1960年代には300万人の香港居住民のうち6人に1

          『エレクション』が見せる闇の世界