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犬に噛まれました

お恥ずかしながら、タイトルの通りなので、戒めとして記録に残しておく。

私は、ブータンに来て兼ねてからずっと行きたいと言い続けていた地方病院への妊婦体操の普及のための出張を実現させ、ブータン東部で一番大きな病院であるモンガル病院に来ていた。

昨年終わりに地方10ヶ所の病院から10人の理学療法士/技師が研修に来て、体操の方法はお伝えした。
その後各病院で妊婦体操が始まっているので、実施状況のモニタリングとアドバイス目的に訪問した。

2日間病院での様子を見せていただいて、課題もわかってきて。
それを踏まえてプレゼンを行って、満足して出張業務を終えた。

そしてモンガルの理学療法士がいいお寺だよって教えてくれたお寺に徒歩40分ほどかけて坂道を上りたどり着いた。この時、時刻は16時ごろ。

着いたその瞬間に10匹くらいの野犬に囲まれた。

来る途中の道で出会ったのと同じ犬のはずで、その時は落ち着いたワンちゃんだったはずなのに、テリトリーに入ってしまったのか、10匹くらいが吠えながら威嚇しながら私を囲んでいるのだ。

咄嗟に刺激するのも良くないなと思いジリジリ後退りをしていたのだが、犬たちとの和解はできず、何匹かに民族衣装であるキラという巻きスカートの上から噛まれた。
近くにいたおばさまがたくさん枝分かれしているタイプの木の棒2本両手に持って犬を追い払ってくれたが、左大腿外側部の噛み跡が血が滲むくらいになっていた。

落ち込んで放心状態の私に、おばさまが枝を持ったまま付き添ってくれるというので一旦お寺に入ってお参りを済ませて、キッチンに連れて行ってもらってお湯で傷を洗ってくれた。
すぐに写真を健康管理員に送って、電話をして、病院で予防接種を受けるように指示をいただく。
情けなくてちょっと泣けた。

その後病院まで連れて行くように近所の方に頼んでくれて、その方に病院に連れて行ってもらうことに。

ちなみにおばさまも、その近所の方も、
「病院行く前に一回ミルクティーでも飲んでいく?」
と聞いてくれた。
めちゃくちゃブータンぽいし魅力的だったのだけど、健康管理員さんも待ってくれているので丁重にお断りした。

その近所の女性の方、2年前まで東大の大学院に通ってたらしい!
どこ出身?って聞かれて答えたら住んでいた家がとても近かった、奇跡すぎる。

送ってもらったところでもう大丈夫だよって言ったんだけど、結局診察の間、その後の薬局も付き合ってくれて、最後はホテルまで送り届けてくださった。

もうとんでもなく優しいのです。

ごめんなさい、ありがとうしか言えない私に、
「でも逆の立場だったら日本人であるあなたも同じことするでしょう?」
って言ってくれて。泣きそうになる。

ちなみに傷はもともと全然痛みは無かったので、打った筋肉注射の方が痛かったです。

例の犬たちは近所の人たちのことも見境なく噛むらしく、まあ運が悪かったと認識している。

ホテルに戻って、友達と家族にネタとして報告。
みんな心配して優しい言葉かけてくれるの。
ありがとうありがとう。
私は幸せです。 

その後今回の長距離移動をお世話になってるタクシー運転手さんもホテルの食堂に来て、実はさっき犬に噛まれて病院行ってたんだよ〜って言ったらすごく心配してくれて、
「僕がいるんだから困ったときは呼ぶんだよ?」
って言ってくれた。

幸い翌日の追加の受診とかは必要無かったので、現在は首都ティンプーへ戻っています。

翌日、一件の電話が来た。
お寺の管理人?的な女性の方からで、
「昨日その場にいなかったのだけど、帰ってからあなたが犬に噛まれたという話を聞いて本当に申し訳ない。まだモンガルにいるなら一度会えないか?」と。
あいにくもう出発していたので、そう伝えたら、
「今度来た時は事前に連絡してね。守るから。」
と言ってくださる。

何が言いたいかというと、
犬に噛まれたことは悲しかったが、
いいことの方がたくさんあった!!!!!!
です!!!

夜に食べた日本からの貰い物のミルキーが10ペコだったし!

最後にかわいいネコちゃんで浄化

初めて行く場所は極力1人で行かない、平和なブータンでも、何事も細心の注意を払いましょう。と、何回言われても人に迷惑かけ続けている私。

無事生きて帰ろう。

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